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鈴木萌花さんの覚醒について(2022/09/30 スペースゼロ)

AMEFURASSHIが誇る歌姫、鈴木萌花さんは演劇にもたびたび出演していますが、遂に初の主演に抜擢されました。

五反田タイガー 5th Anniversary !!
11th Stage『ペインティング・バーレスク〜天使がいた場所〜』

(2022/9/28〜10/2 国民共済coopホール/スペースゼロ)

劇団の周年公演に主演するというのは本当に凄いことで、最初にこのニュースを知ったときはびっくりしました。
しかし萌花さんの演技が高く評価されているからこその抜擢ということでしょう。
これは見逃すわけにはいかないと思い、9/30のチケットを確保して行ってきました。

キービジュアルは艶やかな萌花さん
主演の2文字が何とも映えます

繁華街の片隅にある「ペインティング・バーレスク」。そこで働く雑用係の朱音(鈴木萌花さん)には、個性豊かなキャスト達に知られていない秘密が。すぐ隣に同業店がオープンすることになり、キャストの引き抜きが始まるところから平和な日々に亀裂が生まれていく。ペインティング・バーレスクの行く末は。朱音の秘密とは。

というのが大まかなあらすじです。
およそ2時間半に及ぶ長丁場で、主演の萌花さんはもちろん最も長くステージに立ち続けています。
膨大なセリフと立ち回り。もうこれだけで圧倒されました。そういえば、主演のキャストを重点的に観るという観劇の仕方をしたことは、あまり無かったのです。主演ってとんでもなく凄い物量を演じているのだと、改めて気づきました。


毎度ながら恐縮ですが、Twitterに残したナマの感想からの抜粋です。


初主演舞台は、初主演とはとても思えない素晴らしく堂々と、それでいて儚く健気で切ない、いろんな感情を揺さぶられるものでした。
AMEFURASSHIの普段の活動とこの舞台をどうやって両立させてきたのだろう。本当に凄いことです。
現実とシンクロする場面が幾つもあって、その都度胸を鷲掴みにされるのでした。
萌花さん推しだけでなく、AMEFURASSHIのストーリーを知る人、AMEFURASSHIを推す人すべてに、是非観てほしい。


象徴的なセリフがあります。

『ここは底辺なんかじゃない、最高のステージだよ。』

もうひとつ。
朱音のセリフが萌花さんの言葉に聞こえました。

『お金だけで歌を歌ってたわけじゃないですよね?本当は純粋に歌が好きなだけですよね?
貧乏だっていいじゃないですか。好きなことをできる、好きな人たちと一緒にステージに立てる、これがどんなに幸せなことか。』


これまでの必ずしも平坦ではなかった萌花さんのアイドル活動と現在地を図らずも暗示するようなセリフに、これは当て書き?と思わずにいられませんでした。


ちょっと余韻が収まらなくて20分ほど会場前から動けずにいました。
なんというか、自分は鈴木萌花さんをとんでもなく過小評価していたのではないか、と反省しています。
こんなに引き出しの多い女優さんだったとは。。

少し落ち着いて改めていろいろ整理して考えると、推し以外のメンバーの舞台でこんなに心を揺さぶられるのだから、次に推しが同じような舞台に立つ機会があったら一体どうなってしまうのだろう、と大いなる期待の反面少なからず不安にも。

キャストがすごく多くて、萌花さん演じる朱音と裏方スタッフ役以外の配役はみんなカタカナの役名なので、名前を頭の中で整理するのがちょっと大変だったのが唯一のしんどいポイントでした。観劇のとき役名を覚えられないのは今に始まった事ではないから仕方ない。

根岸可蓮さんの舞台を観るのはこれが初めてでした。たこ虹のイメージしかなくて、舞台でどんなれんれんが観れるのだろう、と思っていましたが、完全に舞台俳優でした。後半で話の鍵を握る重要なキャスト、素晴らしかったです。

お恥ずかしながらYUSAさんのことを全く存じ上げていませんでした。凄い存在感の金髪のビジュアルと圧倒的な歌唱力が完全に刷り込まれて、帰宅してパンフレット読み返してやっとお名前と一致しました。サウンドプロデュースと歌唱指導もされていて、今回が初舞台とのことですが、堂々たる立ち振る舞いには風格すら感じました。


千穐楽は配信で観劇。
萌花さん、最後まで堂々たる初主演ほんとうに素晴らしかったです。
死生観とか親子の縁とかに弱くて凄く刺さってしまうのですが、親子がお互いの幸せを願う姿や究極の自己犠牲の姿には本当に胸を打つものがあるのです。

本編で観れるかな?と期待していましたが。

結局、朱音のこのキービジュアルは本編で拝見することは出来なかったけど、最後のレビューでこの衣装を纏った朱音が確かにそこにいた、ような気がするのです。

雑用係の朱音は屋根裏部屋で夜な夜なネズミと歌って踊るのですが、そんなネズミとのお戯れシーンで駄々をこねさせられる朱音が完全に鈴木萌花さんに当てた芝居でした。さすが分かってらっしゃる、と唸ったのは言うまでもありません。

カーテンコール、全ての緊張から解放されいつもの萌花さんに戻ってぐだぐだになってしまうのが微笑ましく、笑いながら貰い泣きしてました。
初主演の重圧は想像もつかないけど、最後まで努め上げたのは本当に素晴らしいことです。

舞台を見に行くと毎回思うのですが、舞台って本当に凄い。生身の人間がそこで架空の世界を構築して、キャストは間違いなくそこで生きているのだから。
若かりし頃にちょっとだけ足を突っ込んでた日々を改めて思い出して、甘酸っぱい感傷が蘇ってきた。

昨日まで座長の萌花さんは今日からアメフラのもえちんに戻るのか。夢のようです。
座長の日々が萌花さんに課した試練がどれぐらいだったのか想像もつかないですが、きっと沢山の収穫を得て、AMEFURASSHIでひと回りもふた回りも大きく輝く姿が観られることでしょう。

追記:
AMEFURASSHIに合流した萌花さんは早速、10月8日から秋のツアーに出演。
覚醒の片鱗を早くも見せてくれています。
これからの鈴木萌花さんから、目が離せません。

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