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羽田雄一郎さん・長瀬由希子さん座談会報告

2018.12.9(日)                                                   午前の部
参議院議員 羽田雄一郎さん(国民民主党)         午後の部                                                                 参院選予定候補 長瀬由希子さん(日本共産党)

主催: 安保関連法に反対するママの会信州                  共催: うえだなないろの風

1.羽田雄一郎さん挨拶
2.長瀬由希子さん挨拶
3.靖国参拝について
4.親学について
5.改憲について
6.学校教育について
7.原発について
8.消費税増税について
9.野党共闘について
1.【羽田雄一郎さん挨拶】
〇政治理念
皆さんおはようございます。今回2回目ということでお招き頂きまして、こうやって皆さんとお話が出来ること感謝申し上げます。私は平和な日本を子どもたちに手渡すのが自分の使命と思い、これまで国政の中でやってきました。いま長野県の子どもたちが修学旅行で国会見学に来ています。そこでも「日本の平和、世界の平和を君たちに繋ぐのが自分の使命だと思って国政で働いている」と話しています。また、立法、行政、司法という3つの力がお互いにチェック機能を果たして、この小さな島国日本が運営されているということ。また、夢は必ず叶う、夢を持って過ごして欲しい、という話をさせてもらっています。そこでは10分程と短い時間なので子どもたちの夢を聞くことまでは出来ないのですが、地元のお祭りなどにはアルクマのように出没していて、そういう時には子どもたちに夢を聞いたり、アドバイスをさせてもらっています。自分が政治家に向いているかは分かりませんが、そうやって19年間議員活動を続けてきました。
今のアベ一強内閣。自民党も公明党もものが言えない。官邸主導のこの政治、そして立法府であるはずの国会が軽視されています。国会の議論を封殺したり、衆参のすべてで3分の2の議席がありますから、すべて強行採決ができる状況にあります。これは大きな民主主義の破壊であります。民主主義をしっかりと守っていくには、議論の土台を作って、そして国権の最高機関である国会でしっかり議論する事で国民の皆さんに正しい状況が伝わり、国民的議論も広がり、結論が出て、より良い法案になって国民の皆さんの為になるようなカタチにしていくのが我々の仕事だと思っています。しかし残念ながら今のアベ一強内閣では、自民党は官僚の作った各法案をそのまま上げるだけ。そしてなるべく議論をしないで済ませようという姿勢です。これに対して我々野党は協力してしっかり対応していかなければいけないと考えています。
〇付帯決議
いま自分は国民民主党に所属している訳ですが、自民党に3分の2の議席を衆参ともに持たれている中で、国民の皆さんのために何をしていかなくちゃいけないのか?議論も封殺される、そして強行採決される中で、やはりすべて省令や政令で何も決まっていない。働き方改革にしても、カジノ解禁のIR法案にしても、昨日の明け方まで議論していた入管法にしても、議論しないで結論を出してそのまま行政府に任せてしまう。本当にこれで国権の最高機関としていいのか?我々は、新しい答えをしっかりと見つけていかなければならないと、国民の皆さんの想いを体現していかなければならないと考えています。その中で、反対するのは簡単なんだけれど…。いま出されている法案、国民民主党はすべて反対しています。しかし中には国民民主党が賛成したと報道されているのですが、賛成したことはありません。議論が不十分であり、強行採決するような代物に対してはすべてきちんと反対をしています。ただこれ反対だけしたら、行政府が全部、法令や政令で決めてしまうんですね。それでいいのか?国権の最高機関が、国民がまだまだ関与していくんだという道を残すのが付帯決議なんです。これは自民党、公明党を説得しないと付けられません。付帯決議というのは、政令や法令を作る時に、こういう事には気をつけなさい、まだまだ我々も国民もこんな法案は認めていませんよ、酷いものを出されれば我々はその時にまた議論しますよ、というものなんですね。なので自民党、公明党を説得して、法案本体には反対しますけれど、付帯決議は提案者になりますのでこれには賛成します。まあここが国民の皆さんには理解してもらいにくいんです。マスコミで毎日取材している人たちでも分かっていないというのが現状です。
〇マスコミ・消費税
これは消費税増税にもつながる話です。軽減税率で、マスコミ、新聞各社(週に2回以上発行の大手)は8パーセントにおさえられる。これは安倍総理と渡辺恒雄さんが会談して、その場で決まったことなんですね。大手新聞社はテレビ局と繋がっています。新聞各社もテレビ局も安倍総理から飴をもらっているということになります。そういう中での報道だという事を国民の皆さんにはご理解頂きたい。半分穿った見方をしないといけないのかなというのが今の報道です。事実、安倍総理に文句を言っている夕刊フジや夕刊現代は1パーセントなんです。こういう理不尽なやり方の軽減税率なんです。政府は今、ポイント還元とか言っていますが、還元していったら年金も医療も介護も子どもの育ちも、お金が無いということで本来使われるところに使われない事になります。我々は給付付き税額控除というかたちで、低所得者の皆さんにはしっかり対応しながら、しかし、今の社会保障制度を見ると、10パーセントにはご理解を頂き、上がった部分についてはすべて年金、医療、介護、子どもの育ちに使うので、ちゃんと自分たちに戻ってくるんだという実感を持てるような、目的税化をしっかりとしていかなくてはいけないと考えています。

2.【長瀬由希子さん挨拶】
自分は8/6が誕生日で、小さい頃から「はだしのゲン」や平和に関する本を読む中で「8/6ってそういう日なんだ」ということは心に強く残っていました。核兵器を無くしたいといく気持ちをうんと持ってきました。
いま安倍さんが総理大臣で、この間広島長崎の原爆犠牲者の追悼式に行くと、核兵器禁止条約に日本としては参加するつもりは無いということを被爆者の皆さんに言う、これは本当に許せないと思っています。ぜひ皆さんと力を合わせて、この唯一の被爆国である日本こそが核兵器を無くす先頭に立つ、核兵器禁止条約にサインをするような政府を一緒に作りたいと、これは私が議員になろうがなるまいが関係なく、強く思っています。自分は両親が共産党員で、地域のおじさんやおばさん達と一緒になって、何か人の役に立とうということでいろいろやっていることが子ども心にもわかったので、素晴らしい生き方だなあと思って育ってきました。だから平和への気持ちと人の輪で、つながりで、もっと住みやすい地域にとか、真面目に一所懸命努力している人たちの努力がちゃんと報われる、努力できない人にもきちんと助けの手が届いてみんなで支え合える、そういう社会ができたら良いなということは、小さい頃からずっと感じてきました。
最初にやった仕事が新聞赤旗の記者でした。この仕事で、過労自殺の裁判の取材があったんです。このあいだ長野市の集会へ行ったら、過労自殺の裁判で私が取材させていただいた方が偶然会場に来ていて「しばらくずっと外に出ていなかったが、もう20数年経つのに全然過労死なんか無くならなくて、何も変わってないじゃない、この世の中は」とおっしゃっていましたが、私も本当にその想いでいっぱいです。働きすぎというか、働かされすぎてる。自分の意思で休むことも許されなくて、それで精神を不安定にして自殺してしまう、大事な人を残して死ぬことでしか開放されないという、このことが非常に衝撃で大ショックでした。そんな中で私が励まされたのは、署名という言葉すら知らなかったその方が、この理不尽なことをこのままにしておいちゃいけないんじゃないかと言って、立ち上がり、その人たちを応援しようという輪が広がっていった。やっぱりその理不尽なことに声を上げてがんばろうという人の姿があり、そして支える人たちの輪がどんどん広がっていくという姿に接して、本当にこう自分が、最初に親の姿を見ながら、みんなが力合わせて、より良い社会や、自分らしく生きられる良い世の中にしたいねという気持ちが、それにはやっぱり阻むものと、何かおかしいというときに一歩ずつ乗り越えなきゃいけないことを、勇気を持って立ち上がる人たちがいるということに、本当に励まされました。社会的な様々なこの条件の中で、自分の生を全うするとか、自分らしく笑って過ごすだとか、人を大事にしたいとか、そういうことが許されないことにつき当たらざるを得ない。でもそれを諦めないためにいろんな努力をしながら、ひとりひとりの人生も前へ進むのだし、社会全体もそういういろんな困難や壁に当たったものを乗り越えながら、人間の社会問題ここまできたんじゃないかなと思います。
いま目の前に立ちふさがってる一番の根本だと思う安倍政治を、みんなでこう突破する闘いをやっていきたいなと思っています。

3.【靖国参拝について】
ご自身の靖国参拝への想いを教えてください。

羽田雄一郎さん

羽田さん)皆さんとも以前お話しさせて頂いたり、その後も色んなところで靖国参拝には違和感があると言われたり、自分自身も考えさせられるところはあるな、それぞれごもっともな話もあるなと…思います。僕としてはやはりA級戦犯は別祀すべきだと強く思っています。それで古賀誠先生が会長をされていた時に一緒にその話をして、これを実現したいねと、靖国神社じゃなくて別に国立の墓地を作って、誰もがいける場所というのが必要なんじゃないかという話をずっとしてきているんです。いまも靖国はA級戦犯が合祀されていて天皇陛下も行けていないような状態です。皆さんとお話をして、みんなで靖国神社に参拝する国会議員の会を辞めてはいないんだけれど、少し考えた方がいいなと思い、実はあれから会に出席はしていません。まああの…僕は先の戦争で亡くなった皆さんに、平和な日本を子どもたちに繋ぐために頑張りたいという想いを伝えに行っているということしかない。じゃあ、靖国神社にまったく行っていなのかといえば、遺族会の皆さんに是非来てくださいと言われてご挨拶をさせて頂いたりということは正直あります。でも色々考えて今は自粛させて頂いています。
参加者)靖国参拝に関してですが、選挙の話に繋がってくるけれど、野党共闘を考えた時に、靖国参拝している羽田さんを応援することは出来ないという想いの方が沢山います。正直いまのを聞いてもスッキリしません。靖国に参拝するということの根底にあるもの、靖国神社というのがどういう場所なのか、また羽田さんが靖国参拝する姿を見た方々がどういうふうに感じるか、ということなど…どうしても納得できない。想いは違うと言いながらも参拝してきた姿をみていると、流されてしまう方なのかな…とも感じてしまいます。
羽田さん)靖国に参拝する会に入っているのは、父が会長をしていたということもあって。あと正直、自分は子どもの頃から行っていてあまり違和感がない。皆さんのように深く考察していなかったのかなという部分もある。ただ靖国神社に対して、僕も皆さんと話をさせてもらって色々と理解をしてきて、自分が行くことで傷付く人もいるということですし、クリスチャンの皆さんとは話をしていて僕の想いは理解してもらってる方も大勢いますし…いま色々と考えているところです。政治家羽田雄一郎が行くことがいいことなのかどうかというのは今考えているところです。…なかなか答えになっていないけれど…
参加者)羽田さんご自身が先の戦争をどう捉えているのか。亡くなった方に対して、それを犠牲と捉えているのか。亡くなった方についての事と、その戦争自体をどう捉えているのか。靖国神社をどう捉えているのか。そういうところが見えてこない。前回も、今の日本の平和は英霊の犠牲の上にありますと仰ってましたが、そこも腑に落ちない。 
羽田さん)そうだね。僕も前回、言葉を…考えたんだけど、英霊って言い方自体をもう辞めようと、これは誤解を招くなあと思ったんですよ。
靖国神社というのは、じつは子どもの頃からお祭りとか盆踊りとか親に連れられて行っていたので、違和感が全くなかったんですね。これが自分のスタートなので、お一人お一人の方に想いを寄せて行っていたということより、僕の近くにいる遺族の皆さんには是非行って欲しいと言われ、そういう話しか聞いてこなかったというのが実情です。皆さんからの話を聞いたりしていく中で、いま自分の中では、ああそういう考えもあるなと思いますし、反省する部分もあるんですけれど、徐々にですが自分の気持ちの中で変わってきている部分はある、というところです。でも答えが出ているかというと、模索中です。今までは自分の周りに靖国神社を否定するような人がまったく居なかったので、環境の中でね…。
でもここ数年そういうお話や、靖国神社に違和感をもつ皆さんがいらっしゃるんだなぁということも考えながら、自分の中でも理解が出来てきたかな…というふうに思います。 自分の考えがしっかり定まっていないのに靖国神社に率先して参拝に行くなんて出来ないので、いまは自重しています。いまは完全に会には参加していません。

4.【親学について】

羽田雄一郎さん

前回の座談会で、ご自身が親学推進議員連盟に入っているということだったのですが、名前だけで実際には参加したことがない、中身がわからない、出席してみたいなということでしたが、その後の参加状況や会の動向、親学についてご自身のお考えをお聞きしたいと思います。まず親学というのは、「日教組教育を厳しく批判し、戦前の教育を再評価し、家庭の子育てが減退していることに警鐘を鳴らし、伝統的な子育てに回帰するために、まず親を教育しなければならない」というものです。この議員連盟には安倍総理などが入っており、親学に基づいた家庭教育基本法の制定を目指しているものです。(基本的な考え方一例…「赤ちゃんは母乳で粉ミルクは使わない。乳幼児健診で親学講座を実施する。発達障害や自閉症は親の愛情不足が原因で、伝統的子育てでは発生しない」など)
羽田さん)これは即時辞めた方がいい。
この親学推進議員連盟は、最初の段階では今みたいな話は出てこないんですよ。
あの、「発達障害は親の愛情不足が原因だ」という発言があって、事務局長も島村元文科大臣が謝罪をしている。で、会は一切開かれていません、休眠状態です。もう一生開かれないと思います。親学も自分の考えとは全く違うので、僕はこれにくみしません。

5.【改憲について】

今回は提出見送りとの記事も出ていますが、まだなだ執念を持って改憲を言い続けている安倍総理ですが、どう思われますか?という事と、ご自身の今の憲法についての考えや、改憲についての考えを教えてください。

羽田雄一郎さん

羽田さん)
私は、改憲論者ではないということです。
戦後73年間平和を守ってきたのはやはり平和憲法であり、これを守るのが我々政治に携わる者の使命です。国民の皆さんから選んで頂いて、いま権力を与えられている立法府で働く者として、しっかり守っていかなければいけないと思っています。まあ改憲をわざわざ我々が言うことはないんです。そして特に行政府のトップである総理が改憲を言っていることに大きな違和感を感じています。やはり国民主権の国家では、一番偉いのは国民の皆さんなんです。その中で選ばれた我々はその中で仕事をさせて頂いているという立場です。そういう意味ではこの国民主権の国家で平和な日本をしっかり守っていく、平和憲法を遵守するというのが我々の立場です。9条については、私はここに自衛隊を加憲することも反対ですし、これをいじくる事に対しては大きく反対をしています。あの自衛隊加憲の裏には何があるのか?ということ。もう、自民党の草案では自衛隊ではなく国防軍なんですね。いま自然災害が本当に多いですよね。国民の皆さんは自衛隊に助けられたりしていますので、自衛隊に違和感があるという人はあんまりいないんですよ。だけれどもこれを加憲するというのは自民党のごまかしで、これならばすんなりいくだろう…でその後で自衛隊を国防軍に名前を変えちゃえば、9条に国防軍が入っちゃうという事なんです。自民党はそこを目指しているということを是非国民の皆さんにはご理解頂いて、とにかく多くのみなさんが戦争に対して反対してい頂いて、9条に自衛隊を加憲することは絶対にいけないと訴えていきたいと思いますし、我々はその先頭に立って訴えていかなければいけないと思っています。そしてやはり今の状況です。集団的自衛権の行使、これが国会で、国会が閉会中に閣議で変えられた。今までの自民党であればこんなことは許されなかったですよ。でも今は自民党も何も言えない。そして公明党も、平和と教育の党だと言いながらこれを容認してしまった。残念ながら公明党も抑止力になっていない中で、これが強行というか閣議決定で変えられてしまった。そしてそれに伴う安保法制ですから。こんなものは撤回させなくちゃダメですよ。これは絶対に政権交代しなければ変えられないんです。政権を変えて、そして上乗せの閣議決定しなければ変えられません。これを変えるためにも絶対に政権交代をしなくちゃいけない。我々は民主党政権の時からずっと、個別的自衛権で充分、国民の命と領土領海、そして今は近隣諸国の問題があるので、領海警備法、周辺事態法、そして国際貢献としてのPKO、これはしっかりやっていかなければいけないということで、法案も出しているが、これも丸っきり議論されていないですし、民主党時代から吊るされっぱなしできているという状態です。我々としては何とか政権交代して、集団的自衛権の行使ができない状態に戻したいというのと、安保法制については撤回して、本当に必要なものは何かという国民的議論をしていかなければいけないというふうに思っています。

長瀬由希子さん

長瀬さん)
反対です。ロクでもないなと思う。色々あの手この手で、教育の無償化とか、いろんな言い方で、憲法を変えなくちゃできないかのような言い方をして、一番変えたい憲法9条とか、そういうところを隠しながらやろうとしてきている。そんなことよりも、今ある憲法をちゃんと守れよということが大事。やっぱり憲法は、権力の暴走を縛るもの。政治の世界で権力を持っている立場にいる人たちが憲法に対してどういう姿勢で臨むかということが、非常に問われている瞬間だと思います。そういう意味では安倍さんはとてもわかりやすい人。あの「戦後レジームからの脱却」と言っているのは結局、戦後というのは新しい日本国憲法ができた元での日本の社会がスタートしているわけで、この日本国憲法に則った国づくりがとにかく憎たらしくて仕方がない。それが自分の手足を縛ってるからもうとにかく振りほどきたいということじゃないかと思います。

6.【学校教育について】

今の日本は、アメリカ型の競争教育を取り入れようとしていたり、同時に道徳の教科化や、愛国心を持つ子どもになれと言う戦中の教育のような逆行するようなことをやっていたり、すごくごちゃごちゃしている気がします。子どもの権利条約とか憲法の観点から考えていけば、学校教育もどういったことが一番大事かと言うことは見えてくると思うのですが…。いまそんな中で、教育へ国や行政からの介入という部分で気になっていることがあって(長野市の大人と子どもの心得8か条や、上田市の家族デーの例を参考資料として見ていただいて)。感想を聞かせてください。
参加者)年に数回こういうプリントが配られて、メディアを絶って家族で交流しませんか?ということなんです。学校によって、あるところとないところがあります。中には、アンケートみたいのがきて、週に何回かはメディアを絶って、その結果、家族の会話はどの位増えたのか?とういのを書いて提出させる学校もあります。

羽田雄一郎さん

羽田さん)参考資料を読んで。(学校名やクラスが入っているため、載せられませんが…)
笑…それは家庭に任せればいいんじゃないのかな…それぞれの家庭に。学校でこれを進めるというのがどうなのかなぁ。家族が団欒したり、そういうのは勿論良いことだと思うけど。それはそれぞれの家庭の事情もありますしね。それぞれの家庭の中でやればいいこと。学校がそこまで介入する必要はない気がします。まあ、パッと見た感想ですが。

長瀬由希子さん

長瀬さん)長野市の「大人と子どもの心得」は私もネットで見ました。戦前型というか、そういうのを目指そうとする人達は、家庭が基本単位だみたいなことを言う。別にそれは否定しない。ただその教育の原点は家庭にあると言っても、家庭によってさまざま。そういうところに、国とか行政とかが、こうあるべきだと型に当てはめてくるのはいかがなものか。それは憲法の趣旨に反するんじゃないか。家庭教育でこうあるべきだとかって押し付けてくるのは、おかしいんではないかと思います。しかもその教育の名を使って家庭に介入してくるというのは、非常に危険ではないかと思います。
この上田市の方は私は初めて見ました。家族の交流デーというのを設けて、テレビを切って話し合ってくださいっていうんですか?(参加者「家族団らんしてくださいっていう日です」)…なるほどね。率直に言って、団らんする時間が持てない家庭だって今あるんじゃないかな。(参加者「なので、それが減っているので、減っているから、この期間特にがんばって、家族で交流してください」)家族団欒が減っているというのは、長時間労働とかそういう状況が生まれているわけで、そういう部分の手当てを一切しないで、個人の責任で全部やりなさいといっているのと同じこと。これをやるなら、そこから見える矛盾とか、そういった問題も、良い機会なので話し合ってみると良いのではと思うくらいです。

7.【原発について】

原発ゼロ法案や、もんじゅ、新型の小型原発など…様々な問題がある原発問題。しかし結局のところ原発を動かしたいという国の考えが強く見えます。原発については素直にどうお考えですか?

羽田雄一郎さん

羽田さん)原発への依存度、これはゼロにしていかなければならないと思っています。そういう意味では、自然エネルギーや代替エネルギー、これの推進を一生懸命しています。いま、水素エネルギーが相当研究されていて、いいところまできている。また、火力発電も今までは燃え尽きないでカスになっていたものが実は使えるというという研究がされていて、九州電力なんかはそれで十分賄えるというような状況です。ですが、政府は環境問題があるとか色々と理屈を付けて認可を出していません。火力発電についてもCO2がほとんど出ないようなものが開発されたり、環境に優しい火力発電というのも出てきています。これを政権交代をして、今の政府は原発を国策としてやっているので、これ止めるには我々が政権をとらないと前には進まないんですね。環境省が環境問題があるから認可できませんと言って全部止めているんですよ。今の自公政権は原発を動かしたいんです。
電力の安定供給をしなければならないというのは勿論で、原発を動かさなくても安定供給ができるように、一日も早くしなければいけないと思っています。原発ゼロにするためには具体的に、太陽光、風力、火力(今は90パーセントもCO2をカットできる)水素、蓄電、これをどうにかして原発ゼロに。これを何とかしっかりやるためのも、政権交代したいと考えています。
参加者)原発ゼロ法案に国民民主党が入ってないのはなぜですか?
羽田さん)反対はしていないが、いますぐ原発ゼロというのが中々言えません。法案は出せばokというものではありません。いまも電力は必要な訳ですし、その安定供給には今は原発しかないということです。即時ゼロというのはあまりにも非現実的な話です。

長瀬由希子さん

長瀬さん)原発はいりません。
今の安倍政権の目標では、エネルギー基本計画が、今年7月だったか出たが、あの方向でいけば、今動いている原発で賄われている電力は2%くらいですが、これを10倍以上にしようという計画ですよね。原発の電力の比率を高めようというわけだから、今あるものも、新しく作ろうとしているものも、なおかつ老朽化したもの全部動かそうっていう、最悪の安全神話ですよね。エネルギーは原発じゃなくて自然再生可能エネルギーにしなきゃいけない。ただ、もう一方で乱開発も問題になっています。そこはよく考えて、住民の皆さんや、その地域をこれからどうするかということも考えなきゃいけないと思います。ただ大きくは、再生可能エネルギーにの方向へ向かわなければならないと思っています。

8.【消費税増税について】

羽田雄一郎さん

羽田さん)年金、医療、介護、社会保障制度、そして子ども育ち、僕らは人への投資をしていきたいので、やはり財源を何とか作っていきたいなと考えています。我々は、国民の皆さんに何とか10パーセントまではご理解をして頂いてるのかなと思っています。世論調査などでも約70パーセントのみなさんが、まあその当時ですが理解を示してくれました。今は、年金、医療、介護、子どもの育ちに使っているかといえば、安倍政権はそうではありません。他の防衛費なんかをどんどん増やしていって、社会保障制度や子どもの育ちを置き去りにしている。安定的に財源を、広く薄く皆さんにご理解いただきたいというふうに思いますし、その上げたぶんは全て年金、介護、医療、子どもの育ちに使うと言うことは僕らはずっと民主党時代から言い続けているんですね。目的税化することが一番国民の皆さんに理解を得られる事かなと思います。

長瀬由希子さん

長瀬さん)増税は反対です。
消費税は広く薄くみんなからいただきます、ということで言えばやっぱり、所得の低い層に1番に負担になります。低所得の方にこの負担を強いる消費税というのは、逆進性が非常に強い物なので、反対です。もうひとつは、日本の経済状況から言っても、国民の暮らしに非常に負担になるから絶対ダメだと思いますし、日本の経済状況から言っても、8%に増税した直後から、私たち国民の、物を買う力っていうのがずっと落ち込んでいるということは数字が示しています。私たちよく示してますけど、2人以上の世帯の消費支出というのが、年額にして25万円くらい、2014年に8%に増税した直後に落ち込んだんです。そこの水準から戻れてないんです。それから、アベノミクスのもとで、働く皆さんの賃金が上がりますって言ってきたけれども、それも全く還元されていないんです。社会保障は一方で削られっぱなしです。
じゃあ消費税に頼らないで、財源はどうするのという声が多く聞かれます。私たちは、アベノミクスで大儲けした大企業、富裕層に、応分の負担をしていただきましょうと、所得税の累進税率をもっと整えていくと、収入の高い人たちももっとお金払うように引き上げてくという考えです。大企業しか使えない不当な税制、それから富裕層を優遇してる税制、ここをもっときちんと見直す。税金というのはそもそも、所得の再配分ですよね。少ない人たちは少ない税金、でも、多い人はたくさん納めながら、社会保障なんかで還元して、全体の社会を支えて、そしてまた生きる力、働く力にして、例えば働いたらまた給料から税金納めてっていうことの中で社会全体を整えていくわけです。

9.【野党共闘】

羽田雄一郎さん

羽田さん)じつは全国でも僕ら長野県連だけなんですが、新政信州という政治団体を立ち上げました。これはまず民主、民進流れをくんだ国会議員がバラバラでいること自体がおかしいんです。これまで一緒にやってきたわけですから。それで政策もずっと一緒にやってきている訳ですし。それで杉尾秀哉さん立憲民主、井出庸生くん無所属、で僕は国民民主、みんな新政信州には所属しています。で、まずその新政信州の中でまとめた上で、野党の連携、共産党さんも含め、野党がしっかり連携して選挙を闘わなければ勝てないというふう思っているわけです。全国を見ると、立憲さんは純化路線を取ろうとしているようにしか見えない。二人区、現職がいるところにも立てようとしているんですよ。それやってしまったら結局、自民党を利することになるんです。まとめて1人にしておけば必ずとれる訳じゃないですか。一人区で必ず野党がとれば野党の方が多くなる。二人区にまで野党が乱立したら自民公明利することになるので、これだけはなんとか避けて協力を含めてしっかりやっていかなくちゃいけない。まあそれぞれの党によって政策は違うんですけど、安倍一強内閣を倒さないと民主主義の崩壊だという認識は共通しているので、やはりそこだけはしっかりとやっていかなくちゃいけないと思っています。
参加者)自民党に勝てるというような候補者の擁立ということを考えたときに、共産党との擦り合わせというか…
羽田さん)それはいま党と党とがやているはずなんです、水面下では。政策協定も含めて。どういうふうに表に出てくるか分からないですけれども、ただただ共産党さんが下りるという話にはならないと思います。色んな全国とか北信越ブロックとか、いろんなものを見ながら決定がされていくんじゃないかと思います。

長瀬由希子さん

参加者)選挙の話で、午前中羽田さんとの座談会の中で、野党共闘のことが質問で出ました。羽田さんはその中で、共産党さんも一方的に下ろすことはないだろう、あとは水面下で話し合いが行われていると思うとか、政策協定も必要というお話をされていました。政策協定に盛り込むべき内容や、国民の要求や、共産党が考えている、安倍政権を倒してこれをやらなきゃいけないっていう共通政策、どんなものがそこに入ってくるのかを教えてください。
長瀬さん)
これは目新しい話ではないかもしれませんが、第1では憲法問題ですよね。憲法9条を変えさせない、それから集団的自衛権行使容認した閣議決定を撤回させて、安保法制をリセットさせたいというふうに思っています。あと、共謀罪とか秘密保護法とか、国民の知る権利を奪うとか、監視社会とかそういったことも許せないと思います。憲法に保障されてた、大きな意味の自由や人権を奪うっていうことを、正すということは、なんらかの形で一致してぜひ勝ち取りたい。それからやっぱり、原発ゼロ。これはぜひ一致させたいなと思ってます。あとは、消費税の増税も、消費税そのものについての考え方の是非は横に置いといて、とにかく10月からの10%はノーという、この一点で一致することはできるのではないかと思うので、ぜひこれも入れられたら良いなと思っています。
それから、働き方ですね。過労死・過労自殺が国際語になってるこの異常を正したいと思うので、人間らしい働き方を取り戻すという方向で一致点を模索したい。



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