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人形町ぶらぶら散歩

あけましておめでとうございます。今年もどうぞよろしくお願い致します。

さて、年が明けて早3日。両家への実家参りも無事終えてほっと一息ついたところで、まだ初詣に行っていなかっことに思い至り、慌てて出かける準備をしかけてはたと、どこに初詣に行けばよいものなのかと考えあぐねた。昨年の秋まで数年間過ごしていた場所は、池上本門寺、奥沢神社、洗足池八幡宮、御嶽神社と、由緒正しき神社やお寺に事欠かなかったので、その年の気分で色々お参りしていたものの、都心に引っ越してきてからまだどこにもお詣りに行っていない。明治神宮や東京大神宮などのいかにも混んでいそうなところよりも、もっとローカルなところでご利益がありそうなところはないかと調べていくうち、人形町にある小網神社が強運厄除け、さらには銭洗弁財天として知られるように金運アップのご利益があるということで今年はこちらに決定。新年早々いきなり金運アップをお祈りするのも卑しい気がするものの、そこは八百万の神が住む国日本、きっと欲にまみれた願いでも日本の神様なら受け入れてくれるはずと信じて人形町まで行くことにした。イエス・キリストやアッラーに金運アップを祈ったら叱られそうな気がするので、そう考えると日本の神様は寛大である。

人形町は大好きな町の一つである。今半、魚久、玉ひで、芳味亭などの有名な老舗も多いが、「孤独のグルメ」で見た天ぷらの中山も行ってみたいと思っていた。何より、壽堂の黄金芋と重盛永信堂のゼイタク煎餅は大好物である。今日はお正月でいずれもお休みと思われるが、天気も良かったので散歩するだけでも楽しめると思い出かけることにした。この辺りは戦時中の空襲から奇跡的に焼け残った一帯ということで古い建物も多く、下町情緒を感じながらの散歩は楽しいものである。決して人形町が好きな理由は食だけではないのであります。

電車を乗り継ぐことおよそ30分。腹が減ってはお詣りにも力が入らないのでまずは腹ごしらえ。残念ながらやはり天ぷらの中山さんは6日からの営業とのお知らせが貼ってあったのでまた別の機会に。土日祝がお休みらしいので一体いつになったらその機会が訪れるのか心もとないのだが。

営業しているお店が見つけられないまま小網神社に辿り着いてしまうと、そこには想像を絶するほどの大行列が。さすが都心の神社だけあって境内と呼べるような敷地もなく非常にこじんまりしたものなのだが、関東大震災や東京大空襲でも消失しなかったというこの地域では唯一の木造神社建築とのこと。ご利益はとてもありそうなものの、本殿にたどり着くまでは一時間以上かかりそうだったので、心の中でお詣りすることにしてその場を後にした。祈る心こそが重要なのである。

さてほどなくして甘酒横丁のお蕎麦屋さんを見つけた。いかにも古くからある町の蕎麦屋さんという風情で、入ると箱根駅伝が流れている。お正月の人形町にお誂向きである。しかもこれまた大好物の鍋焼きうどんがあるではないか。悩むまでもなく即決である。お隣の席で、鍋焼きうどんが良いという小学生くらいの息子さんに対し、ここはお蕎麦屋さんなんだから、と諭している会話が聞こえて一瞬ひるんだが、聞こえないふりをすることに決めた。鍋焼きうどんは時間がかかるとのことだったので、おでんと瓶ビール大も注文。昼のビールは格別である。

満腹になったところで再び散策。甘酒横丁に来たからにはやはり甘酒を。わらび餅で有名な彦九郎さんの店頭でいただき、やっぱり初詣には甘酒だな、と思ったところでまだ肝心の初詣ができていなかったことを思い出す。

人形町、日本橋には小網神社も含めて七福神巡りができるらしく、町の至るところに地図が貼ってあったので、甘酒横丁から一番近い末廣神社というところに行ってみることにした。しかしここも行列。どうしたものかと考えているうちにふと、今日頑張って一つにお詣りするよりも、せっかくなら改めて人形町に来て七福神巡りをした方がご利益があるのではないか、と我ながら良い考えが浮かんだ。七福神を巡って黄金芋を買って帰ればなお良いのではないかと邪な気持ちがあったことは否めないが、お伊勢参りには赤福、太宰府天満宮には梅が枝餅、昔から神社のお詣りに甘味はつきものなのである。

そういうわけで人形町での初詣は諦めて、家から徒歩3分ほどの至近距離にある出世稲荷神社という神社にお参りすることに決めた。仕事運がすこぶる良くなりそうであるし、当初の目的であった金運アップも出世すればおそらく叶うと思われるので万事よろし、そうとなれば出世稲荷に急ぐべし、ということで人形町を後にして電車に乗りこんだところ、突然「Gonさん!(←実際は名字)」と呼ばれた。振り向くとなんと、取引先でいつも大いにお世話になっているY氏ではないか。仕事運アップのお詣りをする直前に仕事でお世話になっている方に偶然お会いして新年の挨拶ができるとは、2020年、なかなか幸先の良いスタートである。

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