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NHKBSプレミアム『ダークサイドミステリー』「子どもたち400人に何が起きた?マクマーティン裁判」

NHKBSプレミアム『ダークサイドミステリー』「子どもたち400人に何が起きた?マクマーティン裁判」を視聴。アメリカ東海岸セイラム。17世紀、この周辺地域で魔女狩りの嵐が吹き荒れた。セイラム魔女裁判である。それから300年後、1983年、現代のロサンゼルスで「西海岸のセイラム」と呼ばれる異常事態が発生した。美しいビーチと明るい日差しの高級住宅街に何が起きたのか。セレブの子どもを預かる有名施設、評判の伝統校マクマーティン・プレスクールに突如大スキャンダル、性的虐待、悪魔崇拝の儀式。被害を訴えた児童は389人。マンハッタンビーチ市警察署。マクマーティン児童施設裁判。6年という刑事裁判としてアメリカ史上最長の裁判。スタジオゲスト:福来寛さん(陪審員の選定に関わった)、越智啓太さん。国際児童研究所(CII)でセラピーを受けた後から子供達は虐待を受けたと言い始めた。セラピストのマクファーレンの非常に暗示的な誘導尋問とコーチングの疑いが濃厚。子供の自発的な証言ではないのではないか。虚偽記憶(実際には体験していないのに本人には現実に感じられる偽の記憶)。マクファーレンの子どもへの聞き取り方法の問題点。聞く側のシナリオ通りに子どもをトレーニングしている。Not Guilty は「無罪(罪を犯していない)」(誤訳)ではなく「非有罪」(有罪には出来ないという判断。1%でも疑いがあれば有罪にできないという判断をしなくてはいけないという原則)=冤罪をなくすという鉄則が陪審員裁判の根底にある。この裁判は評決不能という結果になった。ロサンゼルスタイムズの市民の声「街の人々は子供に触れ抱き締めることが出来なくなりました。この大きな損失がここでは永遠に続くでしょう」。虚偽記憶の存在を知らしめた裁判であったが、大きな副作用を生んだ。なかったことをあったことにしてしまうのが虚偽記憶だが、逆に、この虚偽記憶という概念が広まることによって、有ったことを無かったことにするのに使われる可能性が出てきた。つまり実際は虐待があったのにも関わらず、いやそれは虚偽記憶でしょうということが言えるようになってしまったということがあって、事態は実はより混沌としたフェーズ(局面)に入った可能性があるとも思われる。おそらく第一線で子供と話をしていた警察官やカウンセラーは多分、善意でやってたと思う。全員善意の中で作られる間違い。

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