なぜ平らな枕がいいの?

今回は体に合った枕三大条件として、枕の「高さ」「硬さ」そして「表面が平ら」この条件の中でも表面が平らということについて考えていきたいと思います。
よくなぜ平らな枕が良いのですかという質問を受けます。このような凹凸のカーブの枕はダメです。
もちろん、高さを合わせた上で表面が平らな枕が、寝返りにとったらとても重要なんです。このことを実際に実験しながら確認してまいりましょう。

・なぜ枕は平らがいいんですか?
では、これから平らな枕とそうでない枕で実際に平らの良さというのを実験的に確認しましょう。横になってください。
まずはこのように凹凸のあるサイドが高くて真ん中が低いとか、首元が高くて頭の下が低いというような凹凸の枕で寝返りがどのようになるかを見てみましょう。
寝返りをしてみてください。
腰から大きな力を出して後から遅れて肩が寝返りを打つ。
また、逆もよいしょと力を入れながら寝返りを打っている。
山田:どうですか?寝返りは。
モデル:寝返りしづらいです。力が入ります。
とても寝返りがしにくいのが分かりますね。凹凸があると実際には寝返りがしにくいんです。
これを平らで高さの合っている枕に変えてみましょう。もう一度寝返りお願いします。
肩と腰が遅れずにほぼ頭と一緒にコロコロと寝返りが打てている。これがスムーズな寝返りです。
山田:寝返りどうですか?
モデル:すごく軽く、スムーズに寝返りができます。
今は覚醒状態で回転動作を行っていましたが、実際には寝てる時にもこれと同様にコロコロと力を入れず意識せずに体の向きを変えられる。
人間は必ず20回前後の寝返りを夜間にも打つと言われていますので、いかにスムーズに力を入れずに寝返りが打てるかというためには、枕がフラット平らであることが重要なんです。
多くのコマーシャルでこのような凹凸形の枕が寝返りが打ちやすいなどと言っているものもありますが、私はたくさんの論文を読んでみましたけれども
なかなかこういったものが実際に実験的に寝返りが打ちやすいというデータは出ていないので、コマーシャルと実際は違うことも多いのかなと考えています。

・寝返りを重視する理由
寝返りは人間の生理現象なんです。寝返りの役割として体液循環、体温調節、そして背骨のリセット修復このような役割があります。
人間は動くもの動物ですので、必ず夜間寝ている間にも最低限は動かなければいけないんですね。
もし寝返りができなかったら体液循環、つまり血液の流れ、リンパ液の流れ、関節節々にある水の流れが悪くなって、一晩寝ても身体が回復しにくくなります。
むくみや血液循環が悪くなる冷えなども起こってしまいます。
一方、体温調節ができないと体の一部分、上向きで寝た時には背中に熱がこもってしまって夜間に体温調節が悪くなります。
また、背骨のリセット。一日中日中に使って歪んだ背骨を夜間寝ている間に伸ばし、椎間板の水分が回復して翌日また使える体になるためにはやはり寝返りが大事なんです。
ですので寝返りが生理現象として重要である事がわかっていただけたかと思います。

・上向きはいいかもしれないけど、横に来たときは高くしたほうが肩が楽じゃないの?
実はこれは高さの合っていない枕においては横向きで肩が圧迫されます。
しかし、適切に高さが合っていれば実は横を向く時には真下に肩を引くのではなく肩が少し前に出る形で横を向く。
つまり、起きてる時の肩幅と横向きで寝た時の肩幅は実は少し小さくなっているので、肩の柔軟性肩の動きがあれば横向きでも実は平らな枕で肩は圧迫しないんです。
重要なことは平らであって、かつ高さが合っていること。この2つの条件を満たせば横向きになった時に、横のサイドの部分だけが高い枕というのは必要なくなるんです。

このように凹凸枕については、長い間歴史の中で間違った見解が多くあるように私が研究してきた中では考えています。
理想的に考える形の枕と実際に患者さんレベルの方々が、体の症状が良くなるために必要な枕の条件というのは往々にして異なるんです。
私と父が50年間、臨床の現場で培ってきたノウハウや、この研究結果というのを信じていただければ、実際にこのように高さを調節した平らな枕、手作りでもできます。
ぜひ一度信じて、ご自分でも手作りして試していただくことによって、なにより効果が実感できるものと考えています。
是非、今晩から試してみてください。

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