横向きの時にどんどん枕の高さを上げてはいけない理由

今回は「横向きの時、枕をどんどんどんどん高くしてはいけない理由」上を向きと横向きの高さについてお話していきたいと思います。
モデル:こんにちは。
山田:こんにちは。どうされましたか?
モデル:普段の寝るときに上向き横向きと寝ますよね。僕、横向きの時は枕を高くしたいんですけど、それはいけないことなんですか?
私も診療室でよくこのような質問を受けます。
横向きではどうしても枕を高くしたい、高くしないと肩がきついとか、中にはこのような凹凸の上を向いた時の中央部分は低く、
右向き左向き両方のサイド横向きになったときには小高く高くなっているような枕を使ってしまう方も少なくありません。
実はこれは人間の体の構造から考えると間違っているんです。今日はそのことについて実際に寝た姿勢を見ていただきながら解説していきたいと思います。

・横向きの時は肩幅がある分高くしないといけないんじゃないんですか?
このような質問をよくいただきます。
多くの方が肩幅の分だけ横向きで枕を高くしようと考えてしまうんですが、これは必ずしも正解ではありません。そのキーワードは人間の体の調節能力。
寝る時には肩幅をうまくコントロールしているんですね。
ではこのように座って手を垂らした真っすぐの状態、このままちょっと横向きで寝てみましょう。
上向いてそこからは横をそのまま向いてみてください。肩を下に敷きこむような形ですね。
このように、もし座っている時立っている時の姿勢でそのまま寝てしまったら確かに肩幅がありますので頭が下がってしまって肩幅に対して枕の高さが低すぎるという現象が起こります。
あくまでこんな状態で寝る人いますかねぇ。いないですよね。
なぜかというともう一度上を向いていただいて、実際に眠っている時には意識がない中でも横を向こうとすると、下になる手を引いてはいけないのでこの手は前に出てきます。
そして、肩甲骨の付け根から腕に関しては前方に出るような形で決して立っている時のそのままの横向きではなく、柔軟に肩が前に出た状態で横が向けるんです。人間の潜在的な能力と考えてください。
そうすると実際に寝た時の肩幅というのは、起きている時の肩幅よりも小さくなります。
これによって上向きに合っている枕と同等の高さで横向きも適合するということが実現できるんです。
しかし、ある特殊な体型の方はこの限りではありません。
例えばものすごく肩幅が広いとか、肩に肉が付いてがっちりしていて全体の体格の中でも肩回りがすごく大きいという方に関してはその限りではないので、少し工夫が必要になってまいります。
もし、この方が異常に肩幅が張っていて肩幅が広い方だとすると、確かに肩が少しきつくなることがあります。
この場合どんどんどんどん枕を高くしてしまうと、肩幅は適合して肩の圧迫は少なくなったかもしれませんが上を向いてください。
山田:どうですか?喉がつまっているのわかりますか?喉苦しくないですか?
モデル:喉が圧迫感があります。
横向きにばかり枕の高さを合わせてしまってどんどん枕の高さを高くすると今度は上向きになった時に合わないわけです。

・敷物やマットレスで肩の圧迫を調節
枕をどんどん高くするのではなく、敷物やベッドマットレスの方で肩の圧迫するところを少しだけ柔らかくして沈むようにすることが的確です。
横向きで肩幅が広い方、肩が厚い方、どうしても肩の圧迫は気になる方は適切な枕とともにマットレスや布団での調節肩が沈む余裕を作ってあげてください。
具体的な方法としてはお布団の上に少し柔らかい敷きパッドを敷く、2~3センチのやや厚めの敷きパッドで肩の吸収する部分を作るのも一つ良い方法だと考えています。
是非、試してみてください。

・真ん中が低くて端っこが高い枕が理想的じゃないんですか?
このような凹凸の枕というのは、確かに横を向いた静止状態では肩の圧迫が和らいで楽かもしれません。
でも、当研究所では最も睡眠姿勢で重要なことは、上向き横向きの静止状態と同様に、寝返りというダイナミックな動的な動きというのも重視していますので、
寝返りという観点から考えると表面に凹凸があるのは寝返りがスムーズではなくなってしまうんです。
最終的に上向き横向きのみならず寝返りも 楽にできる人間として生理現象である
寝返りがスムーズに打てるようにするためには、平らで高さが合っている枕を使いつつ、どうしても肩の圧迫感がある方は先ほどお話したようにマットレスや布団の方での微調節をすること。
これが完璧な睡眠の姿勢を整えるために重要なポイントだと考えて頂ければと思います。
実際に試していただくとぐっすり眠れる。もしくは、体の様々な症状がどのように軽快するかを経験することができますので是非、今晩から試してみてください。

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