凹凸枕が最近多い理由・凹凸枕の歴史と間違った研究!?

今回は凹凸枕・波型の枕、なぜこういうものが最近多いのでしょうか?ということについて解説していきたいと思います。

・凹凸枕の歴史
実はこの凹凸枕というのは流行してきたのに歴史的な背景があるんです。
遡ること1949年、アメリカにルースジャクソン先生という女性の整形外科医の先生がいらっしゃいました。
この先生は頚椎、首の専門の整形外科医だったんですけれども、多くの頚椎疾患の患者さんを診る中で、どうもこの枕というものを夜間寝ている間に整えることは、
首の患者さんの症状を良くするためにとても重要だということを気づかれて、1940年代・50年代に著書、ご自分の本をそのことについて執筆されて出版されています。
この円筒形の枕、これが1940年代に先生が開発されたジャクソンのロールピロー、別名・頚椎枕と呼ばれています。
一瞬このように円筒状なんですけれども、これは羽毛とかでできているので柔らかいので、頭を置いて寝ていただいたときにこの中央部分がへこむということでこれが凹凸枕の原型になったと考えられています。
実際に英語ではコントアピローという名前で凹凸、首のこのカーブに合った枕という名前がついているわけです。輪郭枕とも言います。
この枕の研究が後世の研究者たちにどんどんと語り継がれ、そして本を読んだ先生方が何年何十年経ってから、この凹凸枕というのがどうも正しそうだということでさらなる研究をしていったわけです。
それが現在で言うところの横に凹凸縦にも凹凸、このような枕が出来上がった原型と言えそうなんです。

・研究者たちの間違い
私が考える誤ったポイントと思うのは、研究者の先生方も世の中にある市販の枕を一つ買ってきて、もしくはひとつ準備してそれで枕の効果を患者様やボランティアに対して行なったことなんです。
市販のものを準備してしまうと、高さも形も素材も只一つ決まってしまいますよね。
高さを変えることによってどうなるか、硬さを変えること、素材を変えることによってどうなるかではなく、このひとつ決まった高さ硬さ素材の枕においてどうなるかという研究結果しか出なかったわけです。
もしかすると、同じ素材であっても形が違えば違う結果にもなったかもしれないし、同じ凹凸であっても高さが違うという風にすれば変わったかもしれません。
でも、それを一つの枕を買ってきてしまうことでどの条件が有効に働いたか、どの条件が枕が合わないと判断されたかという詳細の情報が分からなくなってしまったんです。
私たちの研究は必ずこの高さということに最優先順位を置いて研究を行っています。
高さ以外のことはすべて素材は同じ、そして表面の形も同じ、その中で高さだけを変えることでいろいろな実験の結果が異なるかを見ることが重要だと考えています。

・なぜ先生は凹凸の枕や波型の枕がいけないと考えているんでしょうか?
それはズバリ、このような凹凸が縦横にあると寝返りが打ちにくくなるからなんです。
適切に高ささえ一人一人の体格に合わせれば平らが一番、平らが最も寝返りが打ちやすいんです。
私がこのように回答すると多くの研究者の方は、「横向きでは肩幅があるから横がサイドが高くなって、真ん中は上向きで使うから低くていいのではないの?」という質問される方がいます。
横向きで高い、上向きで低くするべきだという意見は、元々の人間の体の柔軟性ということを無視しています。
上向きで寝るときと横向きで寝るときには肩の柔軟性が異なるんです。
横を向いた時には肩をうまく出して寝ることによって、寝た時の肩幅というのを薄くして低くして寝ることが可能なんです。
もちろん、よっぽど肩幅が広いとかスポーツ選手でものすごく肩ががっちりしていて上向きと横向きであまりにも体格が異なるという場合は、少し横向きが高いというのが合う可能性がゼロとは言いませんが、
ほぼ標準的な体格においては、横に寝るときにはちゃんと肩を前に出して横向きの肩幅を狭くして寝ることが可能だということを一つ念頭において、横向きでの枕の高さを合わせてみてください。
枕を選ぶ時に一番大事なポイントは枕の高さです。
枕の高さを一人一人の体格によって選ぶこと、高さを調節すること、これが一番重要なポイントです。
そして、体格は変わります。骨格も変わります。その時適宜調節することが何より重要だということをこれからも忘れないでください。

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