頚椎症の枕選びについて教えて!Part1~頚椎症を知ろう~|整形外科医山田朱織

「頚椎症とは?」今回はこのテーマでお話をしたいと思います。
頚椎症、首ですね。首の骨のことです。この頚椎症という病気について皆さんによく知っていただきたい。
そして、この頚椎症になったときにどのように枕を調節すれば様々な症状が改善するかを今日はお話していきたいと思います。
「頚椎症」頚というのはちょっと難しいけど首のことです。椎いうのは骨のこと。症というのは症状や病気のことを指します。
簡単に言うと首の病気ということになるんですが、このとても広い分類の中で特に年齢が40代から50代以上になると自然と加齢変化年齢による様々な変化が出てきます。
それはいろいろなトラブルを招いていくんですがそこで出るとてもありふれた症状、例えば肩こりが続く辛い、手がしびれる、頭痛がする、めまいがする、何か動作をしようと思ってもやりにくい、痛くて出来ない、
このような毎日特別ではないような症状であってもこの原因が頚椎症である可能性は決して少なくはないのです。
ですから今日は頸椎症という病気についてよく知っていただき、自分自身がそうであるのかどうかを見極めた上で適切なその治療としての枕、これを調節していきましょう。
頚椎症には大きく受けて二つの病気があります。それ以外にも小さなジャンルがありますがこの大きな2つの分類について今日は考えていきます。
一つは頚椎症性脊髄症、もう一つが頚椎症性神経根症です。
漢字だけでみると少し難しく感じるかも知れませんがこの解剖と言って首の造りについて見ていくと非常に理解しやすいと思います。
私たちの首には横から見て7つの骨があります。7つの骨の間にはちょっと見えにくいかもしれませんが薄く白くなっている椎間板という軟骨があります。
どこかで聞いたことあると思うんですけれども、この軟骨は硬い骨の間にまるでクッションのようにあって、それが柔軟に動くことによって体が首が動くわけです。
そして、日常生活の様々な動作ができるわけです。この骨と椎間板は年齢と共に質が悪くなっていきます。
骨に関しては骨が形が悪くなる変形、トゲができてくる骨棘、また椎間板は水分が失われていくと段々と質が悪くなってグラグラグラグラ揺れ始めます。
最後にはグシャッと潰れてしまってペッちゃんこに潰れたものが神経の方に出っ張ってくるとこれを頚椎椎間板ヘルニアと言います。
このような骨の変化、椎間板の変化によって年齢と共にさまざまな悪い状態が起こってきたその病態をこの2つの病気で示しています。
見てください。首の中には大きな脊髄という神経があります。太い神経です。
これとこの本管の神経から左右に枝分かれした黄色い細い神経、これを神経根といい頚神経、首の神経と呼びます。
本管の太い脊髄神経、これが悪い状態になって症状が出た時を脊髄症と呼び、枝の方の細い神経がやられた場合を神経根症と呼ぶわけです。
ですので一人一人の首の中に起こった変形や質の悪い状態、ここからどちらの神経が悪い状態になっているかによって病気の名前が変わってくるわけです。
私たちは長い間は研究をしてきてこの脊髄にとっても神経根にとっても、それを圧迫しない悪い刺激をしない良い姿勢で眠ること、すなわちこれは一人一人の体格に枕の高さを合わせること。
これがとても有益だということを研究で証明してきました。
ですので頚椎症と診断された患者様であれば是非、適切な枕を使って夜間寝ている間に首の神経を回復させる。これをまずは生活のインフラとして行なってください。

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