2021東京優駿(日本ダービー)全頭解説

1 エフフォーリア

皐月賞を三馬身差で圧勝し無敗でここに駒を進めてきた押しも押されぬ今年の主役。単勝1倍台の支持が予想され若武者横山武史がどう乗るかがまず注目。この枠がどう出るかも気になるところで包まれて後手を踏む形になれば簡単ではない。力は認めつつも未知の魅力も多い今年、過信は禁物。

2 ヴィクティファルス

皐月賞はあまり見せ場がないレースになってしまったが、共同通信杯ではエフフォーリアの2着、スプリングステークス勝ちの戦績は立派。4度目の遠征も慣れたもので好枠を生かして上位を伺いたい。

3 タイムトゥヘヴン

父ロードカナロア母キストゥヘヴンなのでマイルカップからの距離延長はあまり歓迎できる材料ではない。好走も中山に集中しておりここでは苦戦を強いられそう。

4 レッドジェネシス

前走中京での京都新聞杯を制して東上切符を手に入れた(今年は出たい馬は全部出られたが)、ただこのレースではルペルカーリアが内にもたれた恩恵も大きく能力的にどうか。距離を延ばしてから波に乗っておりスタミナが問われる流れならば浮上もあり得るか。

5 ディープモンスター

後方から差は詰めた皐月賞をどう見るかだが、個人的には多頭数ではまだ能力を発揮しきれない印象のほうが強かった。厳しいと思うが武豊騎手がどう乗るか。

6 バジオウ

祖母ダンスインザムードを考えると距離はやや長いように感じる。負けて来た相手を考えると良くても善戦までか。

7 グラティアス

今回がまだ４戦目という良血の素質馬。父がハーツクライに変わったとはいえ姉レシステンシアの適性を見ればこの距離には一抹以上の不安が残る。潜在能力でどこまで。ただ松山騎手はこのぐらいの人気の馬を圏内に持ってくる印象もあり不気味さはある。

8 ヨーホーレイク

今年のダービー馬(予定)。これまですべてのレースで上がり最速をマークしている世代屈指のキレ者。ダービージョッキーへの急遽乗り替わりと運も味方につけている。金子オーナー、友道厩舎、川田騎手、ディープ産駒、ノーザン産とマカヒキの時のクインテットが揃っている。勝ち負け。

9 ラーゴム

皐月賞こそ大きく崩れたがそれまでの戦績は安定しており力はある一頭。勝てるかと言われればなんとも言えないが少なくとも人気が無さ過ぎることは事実。ヒモ穴候補だし、前に行ければ浜中騎手がロジャーバローズするかもしれない。

10 シャフリヤール

兄アルアインに続きクラシック制覇を狙う名門の秘密兵器。キャリアの浅さ故掴みづらい部分も多く、もちろん脆い可能性も否めないが少なくとも位置取りの差で負けた共同通信杯を力負けと決めつけるのは早計。突き抜けてもおかしくない。

11 ステラヴェローチェ

バゴ産駒の実力派。すでにG1で2回馬券になっており勝負強さはこの舞台で生きてくるだろう。早い時計にも対応済で死角は少ない。吉田隼人騎手は先週の借りを返したいだろうし、タイミング的にダービージョッキーの頃合いな感もあり有力な一頭と言える。

12 ワンダフルタウン

すでに重賞2勝で別路線組屈指の実績馬。コース経験も強みになるだろう。勝ち切るまでの力があるかが鍵になる。父ルーラーシップも久々にビッグタイトルが欲しいところだが厩舎のクラシック経験が少ないことなど少々善戦止まりな雰囲気も否めない。

13 グレートマジシャン

こちらもまだキャリア3戦目の素材形。個人的にはシャフリヤールを逆転出来るイメージがあまり沸かない。厩舎の初重賞がここならそれはそれで大記録だがそううまく行くかどうか。。能力でどこまで。

14 タイトルホルダー

弥生賞1着、皐月賞2着なのでもっと有力馬として扱われてもよさそうだが伏兵の域をいまだ出ていない。ただバスラットレオンを行かせてすんなり番手なら簡単に止まることはなさそう。姉メロディレーンよろしくスタミナ勝負にもちこめば波乱の立役者になっても驚けない。

15 アドマイヤハダル

父ロードカナロアで本来は距離不安を考えないといけないのだが、エリカ賞の走りや皐月賞の負け方を見ればスタミナはあるように映る。競っても強いタイプで混戦になればミルコのおかわりがあってもいい。

16 サトノレイナス

牝馬戦線で勝ちに等しい2着を続けてまさかのここへの挑戦。里見オーナーの悲願がかかるが先週のソダシをどう考えるか、牝馬戦線のレベル見極めが非常に難しい。ウオッカはあった混合戦の経験がないのもやや気がかりで個人的には軽視したい。アーモンドアイやジェンティルドンナは3歳秋にJCを勝ったがこの2頭もともにシンザン記念で混合戦を戦っていたのも見逃せない。同じく3歳で有馬記念を勝ったダイワスカーレットも同様。

17 バスラットレオン

とにかくゴール出来ることを祈る。スイスイ行ければ大波乱を起こしてもおかしくないだけの能力は持っている。距離は少々長いと思うので展開の助けがあってどこまで。

フルゲートを割れるダービーはもちろん寂しいのだけれど多種多様な面白いメンバーが今年も揃った。ディープインパクト最後のダービー馬が出るのか、それも牝馬から出るのか、若武者の勢いかはたまた・・全頭無事に良いレースを期待している。

◎ヨーホーレイク

▲シャフリヤール

▲ステラヴェローチェ

▲アドマイヤハダル

▲タイトルホルダー

▲バスラットレオン