まぼろし?
身体が薄暗い膜に少しずつ包まれて、
1人パラレルワールドに移動していくような感覚
遠いどこかで誰かが咽び泣く音が
する
こんな夜遅くなのに、犬と犬が共鳴している
手を伸ばせば届く距離にアパートのベランダがあって、それだけでこの家に住んでいることが億劫であることは、私以外誰も知ることはない
遠いどこがで誰かが咽び泣く音が
する
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「仕方ない、虫除けスプレー一本で許してやろう」
「そのかわりうんと強いやつを一つ頼む」
「褒美には大好きなものを一つ買ってやるからな。」
「ん?物じゃなくてもいい?だって?」
「当たり前だ。」
「精一杯、身体がここにあることを確かめられるくらい、強く抱きしめて やってもいいんだぞ」
父さん。
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遠く遠くの方で、誰かが咽び泣いている。
誰かはわからない。誰だ。
明日ピクニックに行く。
目玉焼きとおにぎらずとハムと一緒に
山の上で食べるんだ。
3人で 4人で
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