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「さんかく窓の外側は夜」は背筋が寒くなる上質ホラー&極上のヒューマンドラマだった

2021年1月22日に実写映画の公開も控えたヤマシタトモコ著「さんかく窓の外側は夜」。

女性友達に「絶対面白いから読んで!」とおすすめされ、

「ボーイズがラブなやつでしょ?おじさんだって知ってるんだからな。所詮少女漫画だろ?」と答えたところ氷点下200度の冷たい視線を浴びました。土下座。

まあ食わず嫌いもいかんだろうと思って暇つぶしのつもりで読んでみたんですがごめんなさい面白かったです!!!
再度土下座。

それでは、あらすじいきましょう。

「さんかく窓の外側は夜」のあらすじ

【あらすじ(コミック版)】
書店員の三角は、昔から不気味なモノを視てしまう体質で、除霊師の冷川にその才能を見い出され、無理やりコンビを組まされてしまう。冷川はすご腕ではあるが、情緒や生活能力に欠けており、お茶出しや「空気読み」など三角の出番は多い。そんな中、ある殺人事件に遭遇し…。日常に潜む恐ろしくかつ不思議な現象を見つけてはズバリ解決☆ 凸凹コンビの霊感エンタメ!
引用元:Amazon「さんかく窓の外側は夜」

霊探偵ものですね。

例が見える体質の三角(みかど)くんと除霊師の冷川(ひやかわ)さんがタッグを組み、霊(やときには生きている人間)が引き起こす様々な事件を解決していきます。

その除霊方法がちょっと変わっていて、三角くんと冷川さんがお互いに魂を触れ合わせることでより強力に霊を祓うことができます。ここらへんにBL要素がある感じです。

とはいえそんなにアレ(?)な表現とかはないので苦手な方も多分大丈夫なんじゃないかなと。

「さんかく窓の外側は夜」の超個人的感想

この作品はとにかく登場人物たちがとっても魅力的。

・無垢に人を信じる三角くん
・幼少期のトラウマと怒りを抱えた冷川さん
・霊能力を持って生まれた故に呪い屋をやらされているエリカ
・エリカを幼いころから守ってきたヤクザの逆木さん
・占い師の迎くん。一見チャラ男だけど優しい

一人ひとりがそれぞれのドラマや葛藤を抱え、迷い戸惑いながらも不条理な死者と生者の世界で正しく進んでいこうとします。

同作者の「異国日記」でも思ったんですが、「あ、これ自分のことだわ」「この感情知ってる」と思わせられる。

なんでこの作者俺のことそんなに知ってるんだろう?っていうのが要所要所にあって、本当は知る訳ないんですけどそれだけ描かれる感情が生々しいんですね。

あとはBのLとはいっても、多分愛というのは男女間の恋愛だけでのことではないというのはこの作品を読んでよく分かりました。

三角くんは確かに相棒の冷川さんのことを思っていて、それは恋愛とは少し違うんだけれど、文字どおり魂的な何かでつながっている。それは多分エリカと逆木さんの二人も同じく。

そんな中に霊能力がゆえに表向きチャラ男で外向的ながら周囲と距離を置く・迎(むかえ)くんなんて孤独なキャラクターなんかもぶち込んでくるもんだから本当に上手だなあと感じました。読んでみると一人は「自分と同じ」と思える登場人物がいるはずです。

そんでミステリとしても普通によくできてます!

「さんかく窓」映画もやるよ!気になるキャストは

さんかく窓は映画もやります。

冷川理人:岡田将生
三角康介:志尊淳
ヒウラエリカ:平手友梨奈
半澤日路輝:滝藤賢一
先生:筒井道隆
非浦松男:マキタスポーツ
逆木一臣:新納慎也
半澤冴子:桜井ユキ


邦画だしどうかな~??とは思ってるんですが、一部のキャストが激似です。特に半澤さんと逆木さん。

思い入れが強いのでイメージ壊されたくはないんですが非常に気になるところ。観たら感想のっけますね!

「さんかく窓の外側は夜」が好きな人にはこんな漫画がおすすめ

「さんかく窓の外側は夜」が気に入った人には、
「青野くんに触りたいから死にたい」椎名うみ
がおすすめです。

こちらもホラー。と同時に憑りつかれ系のラブコメなんですが、むっちゃ怖い。
ホラー描写だけで言ったら「さんかく窓」の数倍怖いので覚悟して読んでください。

プラス最初ぼやーっとしていたヒロインが、お話が進むにつれて確固たる意志と幽霊になってしまった彼氏への思いを高めていく過程がとても健気で怖いのに泣けます。

こちらもぜひ。

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