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【誰かの犠牲で成り立つ経済を終わらせよう】

booked vol.9「持続可能な資本主義」のイベントレポートがアップされました。
https://www.gaiax.co.jp/blog/my-spending-tells-a-lot-about-me/

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1円でも安いものを買う、1円でも多く稼ぐ。この連鎖は必ず不幸を生みます。そしてその不幸は必ず、中央ではなく辺境へ偏るのです。

「誰かの犠牲」を強いること。その誰かとは、人だけではありません。地球、自然、動物、そして「未来の社会」です。本当に広くて大きな犠牲なのです。


このレポート記事にもあるように、今回は例えばPatagoniaの名前が挙がりました。1円でも安くという消費者マインドの対極にある会社ですね。企業が消費者へ、自信を持って価値観を示すこと。その価値と物語に共感し、納得してお金を支払うこと。

My spending tells a lot about me.

参加者の皆さんとのお話を通して、その兆しを今回も確実に感じました。ゲストに来てくれたSocial Innovation Japanのマリコさんの言葉からも、期待と希望を受けとることができました。と同時に、日本社会への疑問や、ある種のもどかしさがちらほらと垣間見えたのも事実です。


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「政府も企業も消費者も、まだまだその段階にない」
僕にはそう思えて仕方がありません。ますます競争は激しくなり、短期利益を目指す企業が多いのが実態ではないでしょうか。そして「貧すれば鈍する」の消費者。その流れは如実に加速しているのではないか、と。
果たして本当に「資本主義」が「持続可能性」を実現するのだろうか?
これは現代を生きる僕たちにとって、大きくて挑戦的なテーマです。


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当日あまり話せなかったことを少し。
著者の新井和宏さんはキャリアの最初から「ザ・金融」の人。人生の目的をがらりと変えたのがサブプライム危機でした(もっぱら日本では”リーマンショック”と呼ばれます)。外資系金融機関で猛烈に働き、出張先のオーストラリアで重病を患い倒れるまでは心底、金融の力を信じて運用益を上げることに邁進していたのです。
新井さんが勤めていたグローバル金融機関は、破綻したリーマンブラザーズを買い取りました。そのリーマンブラザーズがかつて存在したオフィス-----そう、六本木ヒルズ森タワーの31階フロアに今も入っています。
破産した企業が確かにあったものの、金融界の全体を見渡せば、10年前のあの大逆風を「乗り越えた」と言えるのではないでしょうか。現在でも金融の力はとても強い。あの頃よく、資本主義が終わったとか、新しい経済の始まりだという言葉を嫌というほど目にした僕は、今リアルにそう感じざるをえないのです。


新井さんはそれでもなお、金融の力を信じます。それは本書でも最後の方にしっかりと、力強いメッセージとして書かれています。
鎌倉投信は、その発足から現在まで、斬新で独特な投資スタイルと、運用実績の成功が良く知られています。しかしそれは「異次元の金融緩和時代」という特殊な時期とぴったり重なる特殊な10年間でもあるのです。


「持続可能な資本主義」

やや挑発的でトリッキーなタイトルのこの本。


僕は事前にこの本をよく読み込み、皆さんとの対話を通して、いま改めて消費者の力を真剣に考えるようになりました。

誰かの犠牲で成り立つ経済を終わらせよう

本書のこの言葉には、とても共感しました。


2年目に入ったbookedは、これからも実験的で面白く、そして意義のある集いに進化していくよう、チームで取り組んでいきます。


宜しくお願いします。

Urano, a member of booked!

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