監査の目的に関連する項目

 財務諸表の監査の目的は、/「経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示しているかどうか」について、/監査人が「自ら入手した監査証拠に基づいて判断した結果」を意見として表明することにある。
 財務諸表の表示が適正である旨の監査人の意見は、「財務諸表には、全体として重要な虚偽の表示がないということについて、合理的な保証を得た」との監査人の判断を含んでいる。

監査基準第一 監査の目的 1

 財務諸表が特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される場合等には、当該財務諸表が会計の基準に準拠して作成されているかどうかについて、意見として表明することがある。

監査基準第一 監査の目的 2

 監査人は、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表の監査に当たっては、当該会計の基準が受入可能かどうかについて検討しなければならない。

実施基準一8

 監査人は、適正性に関する意見を表明する場合には、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を表明しなければならない。なお、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表については、当該財務諸表が当該会計の基準に準拠して、上記と同様に全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについての意見を表明しなければならない。
 監査人は、準拠性に関する意見を表明する場合には、作成された財務諸表が、全ての重要な点において、財務諸表の作成に当たって適用された会計の基準に準拠して作成されているかどうかについての意見を表明しなければならない。
 監査人は、準拠性に関する意見を表明する場合には、適正性に関する意見の表明を前提とした以下の報告の基準に準じて行うものとする。

報告基準一1

監査人は、財務諸表が一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して適正に表示されているかどうかの判断に当たっては、/経営者が採用した会計方針が、企業会計の基準に準拠して継続的に適用されているかどうかのみならず、その選択及び適用方法が会計事象や取引を適切に反映するものであるかどうか並びに財務諸表の表示方法が適切であるかどうかについても評価しなければならない。

報告基準一2

 監査人は、経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況を全ての重要な点において適正に表示していると認められると判断したときは、その旨の意見(この場合の意見を「無限定適正意見」という。)を表明しなければならない。この場合には、監査報告書に次の記載を行うものとする。

(1)監査人の意見
 監査対象とした財務諸表の範囲、及び経営者の作成した財務諸表が、一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して、企業の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況をすべての重要な点において適正に表示していると認められること

(2)意見の根拠
 一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して監査を行なったこと、監査の結果として入手した監査証拠が意見表明の基礎を与える十分かつ適切なものであること

(3)経営者及び監査役等の責任
 経営者には、財務諸表の作成責任があること、財務諸表に重要な虚偽の表示がないように内部統制を整備及び運用する責任があること、継続企業の前提に関する評価を行い必要な開示を行う責任があること
 監査役等には、財務報告プロセスを監視する責任があること

(4)監査人の責任
 監査人の責任は独立の立場から財務諸表に対する意見を表明することにあること
 監査の基準は監査人に財務諸表に重要な虚偽の表示がないかどうかの合理的な保証を得ることを求めていること、監査は財務諸表項目に関する監査証拠を得るための手続を含むこと 、監査は経営者が採用した会計方針及びその適用方法並びに経営者によって行われた見積りの評価も含め全体としての財務諸表の表示を検討していること、監査手続の選択及び適用は監査人の判断によること、財務諸表監査の目的は、内部統制の有効性について意見表明するためのものではないこと、継続企業の前提に関する経営者の評価を検討すること、監査役等と適切な連携を図ること、監査上の主要な検討事項を決定して監査報告書に記載すること

報告基準三

 監査人は、特別の利用目的に適合した会計の基準により作成される財務諸表に対する監査報告書には、会計の基準、財務諸表の作成の目的及び想定される主な利用者の範囲を記載するとともに、当該財務諸表は特別の利用目的に適合した会計の基準に準拠して作成されており、他の目的には適合しないことがある旨を記載しなければならない。
 また、監査報告書が特定の者のみによる利用を想定しており、当該監査報告書に配布又は利用の制限を付すことが適切であると考える場合には、その旨を記載しなければならない。

報告基準十

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