一般基準 6 品質管理の方針と手続

監査人は、自らの組織として、すべての監査が一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に実施されるために必要な質の管理の方針と手続を定め、これらに従って監査が実施されていることを確かめなければならない。

一般基準6

監査人は、監査を行うに当たって、品質管理の方針と手続に従い、指揮命令の系統及び職務の分担を明らかにし、また、当該監査に従事する補助者に対しては適切な指示、指導及び監督を行わなければならない。

一般基準7

監査人は、監査計画及びこれに基づき実施した監査の内容並びに判断の過程及び結果を記録し、監査調書として保存しなければならない。

一般基準5

監査人は、意見の表明に先立ち、「自らの意見が一般に公正妥当と認められる監査の基準に準拠して適切に形成されていること」を確かめるため、意見表明に関する審査を受けなければならない。/この審査は、品質管理の方針及び手続に従った適切なものでなければならない。

報告基準 一5


◆品質管理のシステム
監査事務所及び専門要員が職業的専門家としての基準及び適用される法令等を遵守すること、及び、監査事務所又は監査責任者が状況に応じた適切な監査報告書を発行することに関して、/監査業務の品質を合理的に確保するために、監査事務所が整備し、運用する方針と、その方針を適用する手続及び遵守状況を監視する手続から構成されるものをいう。

品質管理のシステムには、システム自体の監視に関する方針及び手続が含まれなければならない。

◇品質管理のシステムの監視  ( Monitoring in relation to quality control )
監査事務所の品質管理のシステムが有効に運用されていることを合理的に確保するために策定された、品質管理のシステムに関する日常的監視及び評価(監査業務の定期的な検証を含む。)をいう。

◇監査業務の定期的な検証
監査事務所が定めた品質管理の方針及び手続に準拠して監査チームが監査業務を実施したことを確かめるために、完了した監査業務に対して実施する手続をいう。

■監査基準の改訂2002
監査の質の管理
財務諸表の監査に携わる監査人に対して、自らの監査業務の質の確保に十全な注意を払うとともに、組織としても監査業務の質を担保するための管理の方針と手続を定め、さらに、その実効性の確認までを求めることを明確にした。
監査業務の質の確保は、監査補助者の監督他の監査人の監査結果の利用などに関しても同様に求められるものである。
監査業務の質の確保には、新規に監査契約を締結する際における調査や前任監査人との引き継ぎ等も含まれる。


監査の社会的信頼性を高めるためには、監査の品質の向上を図ることが重要である。
そのためには、監査関係者、すなわち被監査会社にあっては財務報告に関する有効な内部統制を確立することが、/また、監査主体である公認会計士・監査法人にあっては職業倫理を確立し、監査業務に対して適切な品質管理を行うことが大切である。
(2006)

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