固有リスク

関連する内部統制が存在していないとの仮定の上で、取引種類、勘定残高、開示等に係るアサーションに、個別に又は他の虚偽表示と集計すると重要となる虚偽表示が行われる可能性をいう。

★2002年改訂における定義
関連する内部統制が存在していないとの仮定の上で、財務諸表に重要な虚偽の表示がなされる可能性をいい、経営環境により影響を受ける種々のリスク、特定の取引記録及び財務諸表項目が本来有するリスクからなる。

★2020年改訂
会計基準の改訂等により会計上の見積りが複雑化する傾向があり、財務諸表項目レベルにおける重要な虚偽表示のリスクの評価がより一層重要となってきている。
財務諸表項目レベルにおいては、固有リスクの性質に着目して重要な虚偽の表示がもたらされる要因などを勘案することが、重要な虚偽表示のリスクのより適切な評価に結び付くことから、固有リスクと統制リスクを分けて評価することとした。

財務諸表項目レベルにおける重要な虚偽表示のリスクを構成する固有リスクについては、重要な虚偽の表示がもたらされる要因を勘案し、虚偽の表示が生じる可能性と当該虚偽の表示が生じた場合の影響を組み合わせて評価することとした。この影響には、金額的影響だけでなく、質的影響も含まれる。

リスク・アプローチに基づく監査の実施に当たって、財務諸表項目レベルにおける重要な虚偽表示のリスクを適切に評価することがより一層重要となるなか、監査人は、固有リスクに着目をして、特別な検討を行う必要があるかを考える。

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