リスク評価手続とリスク対応手続に関連する項目

監査人は、監査リスクを合理的に低い水準に抑えるために、財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを評価し、発見リスクの水準を決定するとともに、/監査上の重要性を勘案して監査計画を策定し、これに基づき監査を実施しなければならない。

実施基準一1

監査人は、監査の実施において、内部統制を含む、企業及び企業環境を理解し、これらに内在する事業上のリスク等が財務諸表に重要な虚偽の表示をもたらす可能性を考慮しなければならない。

実施基準一2

監査人は、十分かつ適切な監査証拠を入手するに当たっては、財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを暫定的に評価しリスクに対応した監査手続を、原則として試査に基づき実施しなければならない。

実施基準一4

監査人は、職業的専門家としての懐疑心をもって、不正及び誤謬により財務諸表に重要な虚偽の表示がもたらされる可能性に関して評価を行い、/その結果を監査計画に反映し、これに基づき監査を実施しなければならない。

実施基準一5

監査人は、監査計画の策定に当たり、景気の動向、企業が属する産業の状況、企業の事業内容及び組織、経営者の経営理念、経営方針、内部統制の整備状況情報技術の利用状況その他企業の経営活動に関わる情報を入手し、企業及び企業環境に内在する事業上のリスク等がもたらす財務諸表における重要な虚偽表示のリスクを暫定的に評価しなければならない。

実施基準二2

監査人は、広く財務諸表全体に関係し特定の財務諸表項目のみに関連づけられない重要な虚偽表示のリスクがあると判断した場合には、/そのリスクの程度に応じて、補助者の増員、専門家の配置、適切な監査時間の確保等の全般的な対応を監査計画に反映させなければならない。

実施基準二3

監査人は、財務諸表項目に関連した重要な虚偽表示のリスクの評価に当たっては、固有リスク及び統制リスクを分けて評価しなければならない。固有リスクについては、重要な虚偽の表示がもたらされる要因を勘案し、虚偽の表示が生じる可能性当該虚偽の表示が生じた場合の影響を組み合わせて評価しなければならない。/また、監査人は、「財務諸表項目に関連して暫定的に評価した重要な虚偽表示のリスクに対応する、内部統制の運用状況の評価手続及び発見リスクの水準に応じた実証手続」に係る監査計画を策定し、実施すべき監査手続、実施の時期及び範囲を決定しなければならない。

実施基準二4

監査人は、虚偽の表示が生じる可能性当該虚偽の表示が生じた場合の金額的及び質的影響の双方を考慮して、固有リスクが最も高い領域に存在すると評価した場合には、そのリスクを特別な検討を必要とするリスクとして取り扱わなけばならない。/特に、監査人は、会計上の見積り収益認識等の判断に関して財務諸表に重要な虚偽の表示をもたらす可能性のある事項、不正の疑いのある取引、特異な取引等、特別な検討を必要とするリスクがあると判断した場合には、そのリスクに対応する監査手続に係る監査計画を策定しなければならない。

実施基準二5

監査人は、実施した監査手続及び入手した監査証拠に基づき、/暫定的に評価した重要な虚偽表示のリスクの程度を変更する必要がないと判断した場合には、当初の監査計画において策定した内部統制の運用状況の評価手続及び実証手続を実施しなければならない。/また、重要な虚偽表示のリスクの程度が暫定的な評価よりも高いと判断した場合には、発見リスクの水準を低くするために監査計画を修正し、十分かつ適切な監査証拠を入手できるように監査手続を実施しなければならない。

実施基準三1

監査人は、特別な検討を必要とするリスクがあると判断した場合には、/それが財務諸表における重要な虚偽の表示をもたらしていないかを確かめるための実証手続を実施し、/また、必要に応じて、内部統制の整備状況を調査し、その運用状況の評価手続を実施しなければならない。

実施基準三3

監査人は、監査の実施の過程において、「広く財務諸表全体に関係し特定の財務諸表項目のみに関連づけられない重要な虚偽表示のリスクを新たに発見した場合」及び「当初の監査計画における全般的な対応が不十分であると判断した場合」には、/当初の監査計画を修正し、全般的な対応を見直して監査を実施しなければならない。

実施基準三4

監査人は、監査の実施において不正又は誤謬を発見した場合には、/経営者等に報告して適切な対応を求めるとともに、/適宜、監査手続を追加して十分かつ適切な監査証拠を入手し、当該不正等が財務諸表に与える影響を評価しなければならない。

実施基準三6


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