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リスク・アプローチ、監査制度

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#監査要点

監査要点と監査意見の関係

<マクロからミクロへ>

監査意見の対象は財務諸表の適正性である。

財務諸表全体の適正性は監査人にとっての要証命題であるが、大局的・抽象的なものであり、直接立証することはできない。

監査人は、直接的に立証可能な財務諸表の構成要素レベルまでブレークダウンし、それらについて監査要点を設定する。
設定した監査要点ごとに監査手続を実施し、監査証拠を入手する。

<ミクロからマクロへ>

個々の監査要点

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貸借対照表監査

20世紀初頭、アメリカの連邦準備制度発足当時の貸借対照表監査は銀行を中心とした債権者保護目的で行われていた。

 1910-1930年代に、信用調査目的に特化した監査が行われるようになった。
 当時のアメリカでは企業の資金調達の中心は間接金融であり、銀行が融資をする際、企業の与信能力を確かめるために監査を要請するようになった。
 監査は貸借対照表における企業の財政状態の表示が適正であるかどうかにつ

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経営者が提示する財務諸表項目と監査要点

監査人は、経営者が提示する財務諸表項目について立証すべき監査要点を設定
→監査要点ごとに監査手続を実施して監査証拠を入手
→監査要点に関して立証した事項を積み上げて統合化
→財務諸表の適正性に関する結論を得る

注:
経営者の提示する財務諸表項目は経営者が責任の主体
監査要点は監査人が設定した立証すべき目標