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カップルとの遭遇〜ナミブ砂漠250kmマラソン完走記その5〜

無事に集合場所にたどり着く。

これが砂漠マラソン出場における最後のハードルである。
そして英語力マイナス9万5千の僕にとっては最大のハードルでもあるのだ。

そもそも海外旅行経験自体が数回しかないため、海外旅行自体がかなり不安。

さらに羽田から乗り継ぎが2回あり、行き先はアフリカ。
素人からしたらだいぶ不安レベル高めである。

もう砂漠を走るのがどうとかじゃなくて、たどり着けるかどうかが一大勝負だわマジで。

集合場所は、NamibiaのSwakopmund にあるホテル。

「The Swakopmund Hotel & Entertainment Centre」
「The Strand」

そこに行けば、部屋がとってあるらしい。
事前にどちらのホテルかどうか参加者が振り分けられているので、

僕は

「The Swakopmund Hotel & Entertainment Centre」

のほうだった。

ていうか、英語アレルギー陽性の僕としてはもはやこの時点で肌にイボイボが発生しているほどだ。
英語が長いだけでいともカンタンに拒否反応を起こす、典型的な英語赤点野郎である。

ここからは、英語にムシャクシャしてきたのでカタカナで書いていく。

集合場所は、

アフリカのナミビアという国のウォルビスベイという空港から車で1時間くらいのスワコプムントって街の、、、

、、、ってどこやねんそれ!もうすでにわからん!

車で1時間くらいって、どうしろというのだ?

その1時間の移動手段には、一体何と何と何がある?
教えてくれないの? ねえ、教えてくれないの?

たぶん、教えてくれる。英語で質問すれば。

でも僕の英語力はマイナス16万。またアレルギーのイボイボが出てしまうのでとてもそんなことはできない。

結局、日本の事務局のサンディさんに伺って現地の旅行会社のタクシー手配という手段があることを教わったが、乗り合わせの調整なども結構手間に感じてしまい、何も手配せぬままにいよいよ出発3週前となってしまった。

そこで僕は、今回過去最多となる40名の日本人出場者のみなさんにメールを送らせていただき、英語難民として声高に助けを求めた。

「私はクソすぎて、空港からホテルまでの移動手段をいまだに手配しておりません。英語力、準備力ともにマイナス35万のクソ野郎です。そんな僕を空港からホテルまで連れてってくれる大天使様はおられませんか?」

やはり砂漠マラソン。出場メンバーの大天使っぷりが度を越していたのは言うまでもないだろう。

このクソ野郎に対してですら世にも美しい救いの手が次々と差しのベられ、
ウォルビスベイ空港からの移動手段を無事確保。
嗚呼ありがたやありがたや。

砂漠マラソンは、英語ができないとこういう細かいところでも結構苦労する。(俺だけか?)

さて、
東京からウォルビスベイまで行くにはいくつかのルートがあるのだが、

僕は羽田空港からシンガポールのチャンギ空港、南アフリカのケープタウンを経由地とするルートを予約した。(よくわかってないけどね)

そしていよいよ、出発当日。

羽田空港で荷物預けの列に並んでいた僕の目に、

あからさまな砂漠ルックの男女二人組が飛び込んできた。

仲間だ!

、、、

(でも、、、)

(なんか仲良しだぞ、、、)

(カップルだったら、、、)

(おれお邪魔虫だよな、、、)

(このまま声をかけずにいったほうがいいかな、、、)

(いや、、、)

(でも、、、)

(あの感じ、絶対カップルだよな、、、)

(だよな、、、)

(うん、、、)

そんな心の声のざわめきを完全に無視し、僕はカップル風の二人にずけずけと声をかけた。

「あの、、サハラレースの方ですか?」

「あ、はい、そうです、、、あ!木村さん?!」

結論からいうと、二人はカップルではなかった。

そして、僕のテントメイトだった。


砂漠の教訓その5
偶然は計算できない。


※写真は内容と一切関係のない、シンガポール航空機内で見たノエル・ギャラガー/『Don't look back in anger』

英語アレルギー発作の特効薬は、現在のところ"music"しか発明されていないという、、、

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