消費者金融からお金を借りた 2
つづきです。
-8月
テストがおわって夏休みだ。大学の友人は一人残らず地方に帰ってしまった。なぜ私にはこっちの友人ができなかったのであろうか。大学の夏休みは長い。4月から8月まで読み進めてきた方ならお分かりであろうが私はサークルに属していない。やりたいこともなければ興味を引くサークルもなかったからである。今、思えば私の大学生活はこれに見えるようにここまでのものだったのかもしれない。
やることがなかった私はアルバイトに時間を費やした。
-9月
夏休みも後半に入った私はアルバイトをしつつも教習所に通っていた。母親にしつこくすすめられなんとなくで教習所に通った。免許があれば便利であろうと安易な考えからでもある。
そしてこの月、私の人生を大きく左右する転機の月でもある。
世の大学生は普段遊ぶとき何をして遊ぶであろうか。カラオケ、ビリヤード、ボーリング、ダーツなどであろう。それともう一つ、少し学生らしくはないがやっている人はやっている、そうパチンコである。
そのやっている人はやっているの一員になってしまったのである。
中学時代の友人とたまたまアルバイトの帰り道で出会った。懐かしい友人とたちどまって会話していると友人が一言
「暇ならパチンコいかね?」
このあとの予定もなく暇だった私は懐かしさに高揚した気持ちのまま友人についていった。
はじめて入ったパチンコ店はとてもうるさかった。
友人に教えられるがまま台に座りハンドルを握った。
光の速さでお金が消えていく。一万円使いきったところで私はもうやめようとしたが友人がその時当たっていたのでもう少し続けた。
二万円負けた。
「残念だったな。またいこーぜ!」
ともう懐かしくもない友人の声。
「気が向いたら行こう。」
と私は言った。
-10月
学校が始まった。前期の修得単位は24単位であった。履修した授業の単位はすべてとれた。僕の鼻は伸びきっていた。
後期もこの調子で…とはいかなかった。
-11月~1月
テストがおわった。
「おわった」が受けていない。
パチスロをしていたから。
その頃の私はクズの極みであった。 10月に覚えたパチンコは次第にその範囲を広げていきパチスロまで覚えた。それと同時に勝ったときの快感や得るお金の凄さも覚えてしまった。
もうやめられなくなってしまったのである。
初めて一緒にいった友人とはもうすっかり毎日会うようになっていた。
初めの頃は授業がないときだけパチスロを打っていたが、大学の授業の緩さに甘え、次第に学校をサボりパチンコやパチスロを打つようになっていった。
そんなことをしているうちにテスト期間になったが、授業をでていない私にできるはずがない。そう思った私はテストにいかずもっぱらパチスロを打っていた。
給料と貯金はすべて使いきった。
-2月
春休みに入った。お金がない私はアルバイトを増やした。アルバイトをしている時、バイト仲間と会話をする。
「給料日まだかなー。遊びたいなー。」
と独り言のように私に言ってきた。
(パチスロ打ちたいなー。)
と私。
この頃からおかしくなっていた。パチスロが打ちたくて仕方がない。しかし給料日はまだまだである。
アルバイトの休憩中いつもの友人から電話。
「明日打ちにいこーよー。お金ないなら貸すからさ。給料日に返してくれればいいよ。」
その日アルバイトを終え帰宅した私はすぐに眠りについた。明日に備えて。
つづく