消費者金融からお金を借りた話 9
つづきです。
私は絶望の淵に立っていた。
春休みに入った大学から成績の通知がきた。
「来年度は卒業できません。」
それはそうだろうと思った。
残りの学期すべてをフル単でしのがなければ卒業できないという崖っぷちの状況下でビジネス活動などという行為に没頭していては単位などとれるわけがない。
心のどこかで卒業はできないと思っていた私は絶望を感じる反面逆にすがすがしかった。
もう一年頑張って体制を整えよう。
ビジネスに失敗した私の所持金は-5万円だった。
なぜならパチスロですってしまったからである。
旅行にいく前日に大勝してから調子は下向きの一方であった。
またしても渡辺にお金を借りてパチスロにいってしまった。
給料日には全額返そう。
そして給料日がやってきた。
肌寒い風を受けながら
コンビニへと向かい
お金をおろした。
渡辺に連絡をつけると意外な返事が。
「べつに急いで返さなくてもいいよ。」
このとき返してしまえばよかったのだが、渡辺のその言葉に甘えてしまった私はその足でパチスロを打ちにいった。
パチスロを始めて約三年。
私は期待値というものを覚え、適当に台選びをするより期待値を追い始めた。
パチスロをしない人にはよくわからないであろうが、パチスロには決められた回転数をまわせば絶対に当たる、または特定の回転数であたりやすい。
また、台によってかわるがボーナス回数と回転数を見るだけである程度高設定かどうかわかるものもある。
この期待値というのはそれらに近い台を打ち理論的には必ず+収支なる値である。
しかし、いくら+の期待値の台を拾ったとしても負けるときがある。
確立というのは試行回数を重ねて集束していくものだからである。
私はなかなか集束しない期待値にどんどん負債が増えていった。
もしフォロワーの方でパチスロやパチンコをしていらっしゃる方がいるなら気を付けてほしい。
少額の軍資金で勝負しようとしても負けるだけである。
最低でもパチスロ、パチンコで期待値を追い稼ぎたいのであれば20万は必要になるであろう。
もし需要があれば別で記事を書こうと思うので興味のあるかたはコメントしてくれれば書きます。
そしてこの日、期待値を追い求めた結果であるが、-35000円ほどだった。
給料日の初日にして-35000円。
ギャンブルしない人にはわかるであろうが大金である。
しかし確実に金銭感覚の狂っていた私にとってはまだ許容範囲内であった。
次の日同じ店へと繰り出し、前日に下見した台に座る。
はじめは狙い通り当たってくれたもののそこから続かず負けた。
そして私の所持金がつきた。
トボトボと家へ帰ると携帯の請求書がきていた。
気づいたときにはすでに遅し、携帯代を残すのを忘れていた。
すぐに連絡のつく友達にお金の催促をする。
もうすでに手慣れた作業だ。
友達も思っているだろう。
またこいつかと。
ある友達から携帯代を借りて支払ったのはよいが、もう生活費がない。
給料日からわずか2日目にして残り28日を家で過ごすことが確定した。
おとなしく家で過ごしただアルバイトへいくだけの日々を送っていたが、ある日アルバイトで問題を起こしてしまった。
この事がきっかけでアルバイトを退職することとなった。
職を失った私は新しいアルバイトを探しはじめたがどうにも決まらない。
次の給料日にはお金が入ってくるが、働いていない期間の分、つまりその次の給料日には0円である。
焦り始めていた私は渡辺に連絡をとった。
渡辺は家の近所のコンビニでアルバイトを始めたらしく、そこのコンビニが人手不足で困っているらしかった。
なので経験者である私にどうかと紹介してくれた。
こっちにしてもありがたかったのでさっそく店長に話をつけてもらった。
こうして私は渡辺と同じ職場で働くようになった。
つづきます。