消費者金融からお金を借りた話 6
つづきです。
私はうろたえていた。
渡辺からお金を借りてから3ヶ月がたち
月々3万づつ返していたので残りは11万である。
今日は15日。
私の給料日は20日なので手元にお金はまったくない。
とりあえず何があったのか聞いてみることにした。
「いやー、ちょっと負けこんで。俺も支払いとか色々あるからさ。少しおおめに返してくれればいいから。全部返せとは言わないよ。」
そうだ。忘れていた。
渡辺も私と同じギャンブルに熱をあげている人間であった。
こういったリスクを考えていなかった私が愚かであった。
「わかった。給料日に5万返すよ。それでいい?」
「たすかる。また連絡して。」
とやりとりをおえ、私は考えた。
渡辺に借金を一本化してもらってから私はまた大学へと通うためアルバイトを少し減らしていた。
よって給料日にもらえる給料が今月はいつもより少ない。
(渡辺にお金を返したとして… 携帯代を払って…)
手元に残るのはわずか5000円ほどであった。
(誰かに借りるか…)
と考えたが私は思った。
(テストもあるし借りるのはやめておこう。どうせパチスロをうつにきまっている。)
今思い返せばこのときにこの決断をしてよかったと思う。
さきに言ってしまうことにはなるが
一時的に借金がなくなるのだから。
給料日がやってきた。
渡辺と近所のコンビニで待ち合わせをした。
「おいーす。」
と渡辺がやってきた。
とりあえず私は今おろしたばかりのお金を渡した。
渡辺はそれを受け取り礼を言う。
そのまま自然な流れでタバコに火をつけたので
私は少し喋ってから解散するんだなと察した。
私もタバコに火をつけた。
二人とも二十歳になるとすぐにタバコをおぼえた。
パチンコ屋に通っているとやはりこうなる。
またコンビニでアルバイトしていることがタバコを吸うきっかけにもなっただろう。
「最近どうよー。学校いってる?」
渡辺のおかげでパチスロを抑え、学校にもきちんといけていると私。
「よかったじゃん。留年はするなよー。」
わかっている。
あと数日後にひかえたテストでほとんど単位をとらないと留年してまうことなど。
さらに仮に今回留年を回避したとしても、これから毎回すべての単位をとっていかなければいけない。
「大丈夫、ありがとう。また連絡するよ。」
と私たちは解散した。
家に帰ってコーヒーを入れ、勉強にとりかかった私はすがすがしい気持ちでいっぱいだった。
ただ借りていたお金を返しただけであるのにいいことをした気持ちになったのだ。
今でもそうである。
返済日にATMに返済し店をでたあとは風が気持ちがいい。
お金を返していくたびに普通の人間に戻っていく気がする。
(がんばろう。)
コーヒーを飲みほし私はペンを握った。
つづきます。