消費者金融からお金を借りた話 8

つづきです。

朝から準備をする。

前日にしとけばよいものをいつも直前になってからしてしまう私の悪い癖だ。

なんとかなるだろう。

この言葉はいい意味で捉えるならば
前向き、即時状況対応に優れる

しかし悪い意味で捉えるならば
無計画、現実逃避思考となる。

私が現在のような状況におちいったのもこういった私の人間的な部分が原因なのであろう。

私のノートを読んでくださっている方に言いたい。

このような、

なんとかなるだろう。

という考えで物事を考える方がいるなら、是非とももう一度自分を見直していただきたい。

ときに楽観的に考えたほうがそのときの状況にとってはよい方向に作用することもあるがほとんどの場合はマイナスに作用する。将来的に見ると。

計画とは重要なことだ。

準備をおえた私はすぐに車に乗り込んだ。

母親に勧められるがままに通った教習所でとった車の免許。

こいつが役立つ日がきた。

無論、金のない私が車を買えるはずもなく前日に両親に頼み貸してもらった。

待ち合わせ場所に向かうと彼女はいた。

清楚な出で立ちの彼女は美しかった。

道中、たわいもない話をしながら過ごす。

普段、話すことと言えば渡辺とのパチスロ雑談である。

ごくごく普通の会話に新鮮さを覚えた。

二三時間を車で過ごしただろうか。

私たちは目的地へ到着した。

旅行のプラン的に1日目はテーマパークへは行かず、主に観光をメインとしていた。

なのでまず予約をとっていたホテルへむかうことにした。

ホテルにチェックインし部屋へ入る。

旅行の総額は3万円くらいだったがこのホテル代にほとんどかかっているんだとわかった。

二人で泊まるにはもったいないくらい広い部屋と大きなベッド。

思わず二人のテンションもあがる。

荷物をおき一息つく。

ここで私は彼女へ旅行の代金を支払う。

「ほんとに大丈夫?笑 足りなかったらだすよ。」

とほとんど友達に近い口調になっていた彼女と私の距離は旅行の前半ですでに縮まっていた。

大丈夫。
今の私はお金がある。

借金をすべて返済し、今ある悩みと言えば学校の単位のこと就職活動のこと彼女との関係のことだけだ。

一番最後がすごい悩みである。

もし仮に借金をなくさずに旅行に来ていた場合、これらの悩みは頭にはなかっただろう。

旅行でいくら使うと今後の返済に関わるからと気持ちをフルで旅行に向けることはできなかったとおもう。

物事を多角的な視野で捉えるのは重要なこと。

借金をするとそればっかりに意識が向かい、本来見なければいけないところへ意識がいかない。

そうするともう泥沼一直線である。

彼女に大丈夫だよと返事をするまでのあいだに頭はすごい速度で回転していた。

それから私たちは街へ観光にでかけた。

そこで料理を楽しんだりアルバイト先のお土産を二人で選んでいた。

はたから見ると普通のカップルだろう。

私はこのとき思っていた。

もし彼女と寄り添いこの先過ごせるならギャンブルから足を洗い、きちんと学校へ通い、本来の学生のような生活に戻れるだろうと。

そのために彼女と付き合いたいと思ったわけではない。

その大前提に私は彼女にひかれている。

私は決心した。

ホテルへ戻った私たちは夕食をとり大浴場へいった。

上がった方から先に部屋へ戻ると決め疲れた体を流しにいった。

上がった私は部屋へ戻った。

少々長風呂をしてしまった私は早歩きで部屋へむかった。

彼女はもう戻ってきていてお昼に買ったお土産を見ていた。

「おかえり。もう寝ようか。」

と彼女はベッドへむかい布団をかぶる。

私ももう1つのベッドへむかった。

「そっちで寝るの…?」

と彼女。

こういう事態を想定していなかったことではないが内心焦る私。

女性に恥をかかせるわけにはいかないと私は彼女の隣へいった。

しばらく無言の状態が続いたが
彼女の方から手を伸ばしてきて
私たちは体を重ねた。

行為をおえた私はタバコの火をつけた。

好きな女性とおえたあとはすごく幸せな気持ちだった。

ベッドで寝転んでいる彼女からある言葉を聞くまでは。

なんの脈絡もなくいきなり発せられたその言葉はまるでピストルのような威力で私を撃ち抜いた。

「こういう関係がいいの。彼氏彼女とかじゃなく。」

このあと付き合う気で満々だった私は衝撃に耐えきれなかった。

理由を聞きたいが言葉がでない。

無言でタバコを吸い続ける私に彼女は

「ごめんね」

と言い眠った。

そこからの旅行の内容は覚えていない。

彼女を送り家についた私はぼーっと過ごし寝た。

次の日、アルバイトへいくと彼女はもうやめていた。

携帯で連絡をとるも返事は、2年たった今でも返ってきていない。

つづきます。

いつも読んでいただきありがとうございます。

消費者金融からお金を借りた話はいよいよ終局に向かいます。

今回の話で深い傷をおった私がここからは一気に凋落します。

今までは借りても何らかの形で返せていた私ですがここからはどうしようもなくなります。

なぜこのような説明をしたかと言いますと、

このあと少し本編とは別の話が借金へと繋がるからです。

ですがこの背景を知っていただかないと私が借金を増やしていく要因を皆様はわからないままになってしまいますので、

「消費者金融からお金を借りた話」

は次回題名が変わりますがぜひ読んでいただきたいです。

私が消費者金融からお金を借りた話をありのまま伝え皆様の考えやこれからの人生に役立って欲しいと切に願っておりますのでよろしくお願いいたします。