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30歳。

30歳になった。

誕生日だけは誰のためでもなく、自分のための文章を書くことにしている。このnoteはその一環であることを予めお断りしたい。

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29歳は、たぶん仕事漬けだった。

誰かと出かける約束があって休むことは時折あっても、自分1人でぼーっと丸1日休むなんてことはほぼゼロだったように思う。ワクチンの副反応に備えて仕事を入れなかった土日くらいだ(ちなみに私の屈強な身体は副反応にすら打ち勝ったため、Netflixで梨泰院クラス全16話を2日間で一気観した)。

さすがに20代最後の最後まで仕事に追われて余裕がないのはイヤだなぁと思い、この3連休は意図的にすべてをOFFにした。いかなるときも背負っているPC入りの重たいリュックを家に置き、いつものカフェに出かけ、本を読み、映画を観て、胸の下まで伸びた髪を20cmくらいバッサリ切った。

30代だし、スタイリングはウェットに。アイラインのハネはなくし、リップは濃く。アクセサリーはゴールドからシルバーに。

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誕生日プレゼントにはちょっといい腕時計を買った。高校生のときからほぼ毎日身につけている腕時計は、私にとっては "ちゃんとした大人の証" でもある。20代は就職祝いに義兄が買ってくれた腕時計を気に入ってずっとつけていたので、新しく購入したこの腕時計も、10年は使おうと思っている。

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「これからどんなキャリアを描きたいか?」

この問いをもらうたび、私は決まってこう答えていた。「好きな人と、好きな時間に、好きな場所で働くのが理想です」と。あこがれた理由は明確で、大学生だった私に刺激をくれた大人のほとんどが個人事業主だったからだ。

しかし秋頃にふと気づいてしまった。おそらく私はもうその働き方を手に入れられる場所に立っている。儲かるかどうかはさておき、ライターとしてなら独立も不可能ではないだろう。望めば地元との2拠点生活だって夢ではない。

……しかし独立も移住もまったくやりたいと思わなかった。私にとっての理想は、カッコいい大人像は、もう変わってしまっていたのだ。

では、いまの私にとってカッコいい大人像とはなにか。

一言で表すなら、一人ではなくみんなで遠くに行こうとしている人だ。一人で楽しようと思えばいくらでも楽できるのに、理不尽さに向き合いながらも組織を率いて大きな成果に向かっている人だ。

使命感なのか、強く生まれた者の責務なのか、突き動かすものは人それぞれのように感じるが、そんな大人は心からカッコいいなと思うし、私もそうなりたいなと心から思う。

30代のうちに、なれるかなぁ。なりたいなぁ。

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LIGという会社に入社してまもなく丸4年が経つ。

昔も今もマーケティング担当者は私しかおらず、リーダーという肩書きは前から持っていたが完全に名ばかりだった。

2021年3月、そんな私のもとにいきなり4名のメンバーが集まった。LIGブログ運営に関わる編集者とデザイナーを1つのチームにまとめることになったのだ。7月にはLIGブログ編集長代理、12月にはマネージャーを拝命した。

たったの1年だが何名も採用したし、何名も退職を見届けてきた。仕事に前向きなメンバーしかいなくても課題は尽きない。チームで足し算以上の成果を上げるのは、想像以上に難しい。

でも目の前には、自分ひとりでは解決できない課題が、到達できない目標がある。周りにはいい意味でプレッシャーをかけてくれる先輩たちもいる。

あ〜、会社員って楽しいなぁ。

私はこれからも嬉々として会社員をやっていくんだろうなぁ、と思う。

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最後に。

自分自身の振り返りとして、20代に出会ってよかった言葉たちを残しておこうと思う。こうして並べてみるとまるで怪しい自己啓発本のようだが、自分にとっては経験を経て血肉となった、かけがえのない言葉たちだ。

30代はどれだけの言葉を知識ではなく、血肉にできるだろうか。

「決断」とは正解を選ぶのではなく、選んだ道を正解にすることだ

就活イベントでどっかの会社のエラい人から聞いて以来、頭にこべりついている。当時の私は中小企業に就職することを決断したわけだが、東京での一人暮らしは想像以上に経済的な余裕がなく、大手企業に勤める友人たちを羨んだこともあった。自分が選んだ道を正解にできたと思えたのはつい最近のことだ。ずいぶんと時間がかかったが、わずかな自信にもなった。

時間を守るだけで100人に1人のビジネスパーソンになれる

「ほんとかよ」この言葉に出会った当時新卒1年目だった私はビジネス書にツッコミを入れたものだが、これは本当だと思う。世の中には時間を守れないビジネスパーソンがたくさんいる。かくいう私も気合いを入れてないと破りかねないので頑張っている。時間を守れているかどうかは、いかに自分を律せているかの指標だ。

がんばることではなく成果を出すことに重きをおく

法人営業をやっていたころ、「なんでこんなに営業の仕事ががんばれないんだろう」といつもモヤモヤしていた。”なぜがんばれないのか” にベクトルが向いてる時点で大きくズレているのだ、と自分自身で気づいたときはマジで目からウロコが飛び出るかと思った。そりゃ成果も出ないはずだ。これ以来、自分のベクトルがどこに向かっているのかを意識するようになった。

自分のご機嫌は自分でとる

いまとなってはもはや考えられないが、20代前半は「相手にこうしてほしい」という思いがとても強かった。残念ながら当時好きだった人には私の期待にまったく応えてもらえず、10円ハゲができるぐらい勝手に傷ついた時期もある。その結果、他者、つまりアンコントローラブルなものに依存してはならない、なれば自分がツライだけだ、と強く学習してしまったらしい。自分のメンタルは自分でコントロールするというスタンスをもてたおかげで、すっかり心身ともに超健康である。

耳の痛いフィードバックをもらえ

正直な話、イケてない仕事を目の前にしたときに「この人は誰にも注意されずにここまできてしまったんだろうな」と切ない気持ちになることが度々ある。もちろん私だって例外ではなく誰かにそう思われているはずだ。指摘してもらえて当たり前ではないから、自分の欠点に気づくのは大人になればなるほど難しい。だからこそ自分にとって心地がいい人だけではなく、耳が痛いフィードバックをしてくれる人と付き合うべきだと心から思う。

強く生まれた者の責務がある

言わずもがな煉獄母の名言である。ここ数年、自分はもしかするとタフなほうかもしれないと思う機会が増えた。心身ともに健康で自己肯定感が高いので、揺らがない。淡々とやる。でも別にカッコいいもんじゃない。強い使命感をもって仕事をしている人には敵わない。……ただこの言葉は、そんな自分を少しだけヒーローにしてくれる気がする。目の前のものごとに向き合う "理由" を与えてくれた。

リーダーはビジョンを示せ

管理職となり、メンバーと向き合う時間が増えた。適切な目標を設定し、達成を支援し、困ったことがあれば解決するのが自分の仕事だと心のどこかで思っていた。大事なものが抜け落ちていたことに気づいたのは恥ずかしながら最近だ。私はチームになにもビジョンを示せていなかった。そんなリーダーが "みんなで遠くへいこう" もクソもあるか。

成長に必要なのは意欲ではなく環境だ

自分のスキルがレベルアップするときはいつか。それは間違いなく「業務上新たなノウハウを習得せざるを得なかったとき」だ。「成長したい」と願うだけで成長はできない。30代になっても、何回でもチャレンジして打席に立とう。

人との出会いを侮ってはならない

「出会いを大切に」なんて言うと陳腐に感じられるが、人生を加速させるトリガーはつねに人との出会いである。こればっかりは例外がない。人との出会いが人生にもたらすインパクトを、決して侮ってはならない。

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……さて、1年後はいったいどんなフェーズにいるのだろうか。

どこにいてもいいけど、ダサいことだけはしてんなよ、自分。

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