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分子栄養学 タンパク質編

植物と人間はめちゃくちゃ似ていると感じています。人間は体内で自分で栄養が作れないことが違うくらいで、健康な植物が病害虫に強くなるように、健康な人は病気やトラブルに強くなるでしょう。健康な植物の作り方を理解することが健康な人を作ることを理解することに通じています。そしてその逆もまたしかりです。なのでそんな視点も持って読んでもらうとさらに面白くなるかもしれません。

さて前回書き忘れたことで2つ共有しておきたいことがあります。1つ目は「健康レベル」というもの。これは例えば健康に1~10までレベルがあるとすると1~3では何かしら病気がでる4~6くらは病気ではないけどそこまで調子がいいわけではない。7~10は明らかに調子が良いといった感じのもので、つまり病気と健康が明確にわかれているのではなく、健康のグラデーションの中に病気という状態があるということ。病気じゃない=調子が良いということではないということです。

なのでパフォーマンスを上げたいと思うすべての人の土台として栄養学は関係してくるのだと僕は思っています(^.^)(植物もまさにこれ。収量を上げたい、栄養価を上げたいと思ったら植物生理を理解していかなくてはいけません)

2つ目は栄養はチームで働くということ

農学にはドべネックの桶という理論があります。これは植物は必要な栄養素の中で体内の量が一番低いものの量に成長が制限されるというものです。人間の栄養にも同じ理論が働いていて、ミネラル、ビタミンを十分に取らずにタンパク質や脂質だけを沢山とってもそれらを十分に使うことはできません。良い例に赤血球の製造があります。

赤血球は骨髄内で作られますが、工程として①幹細胞が細胞分裂する②分裂した細胞が成熟する③血中へ旅立つ があります。

この①には葉酸とB12が必要で、不足すると細胞分裂が上手くいかず、②で上手く成熟しても悪性貧血といわれる症状の赤血球になってしまいます。

②には鉄とB6が必要で①が上手くいっても②が不足すると未成熟になり鉄欠乏性貧血になってしまいます。(だから鉄不足は貧血になるのですね)

なので赤血球が健康に育つには大本のタンパク質と鉄、B12、B6、葉酸とついでに鉄の吸収を促進するビタミンCが必要ということになります。貧血=鉄欠乏ではなく、他の栄養が不足しても貧血になってしまうのです。(野菜にそっくりです。見た目の症状がそのままその養分の欠乏ではないことはよくあること)

こんなことが体中で起きているのだと思います。どれかが大切なのではなく、健康レベルをあげるには全部が必要なのですね。

で、ようやく本題(笑)今日は分子栄養学の5大栄養素の

タンパク質 脂質 ミネラル ビタミン 植物栄養物質の中から

人体の主役といえるタンパク質のまとめをしたいと思います。

体を動かす、考える、成長する、感情を感じる、見る、など何気ない動作のすべてはタンパク質によるものです。

タンパク質は体を構成する構造タンパク質と消化や運搬等の機能タンパク質に大きくわけられます。

構造タンパク質はこれらの材料です→骨、皮膚、歯、爪、髪、筋肉、皮膚、内臓、血管、DNA&RNA、神経など

機能タンパク質はこれらです→酵素(消化&代謝)、抗体、ホルモン(インスリン、成長など)、酸素や栄養素の運搬等、神経伝達物質(感情)等

1日の摂取量の目安は基本は体重×1gでそこから運動をしている、ストレスが多いとかで×2gまでの間で増やしていきます。

気にしなくてはいけないのがアミノ酸スコアです。これは最初に話した栄養はチームで働くの続きなのですが、タンパク質の元である様々なアミノ酸もチームでタンパク質になっていきます。なので色々な種類のアミノ酸をバランスよく摂取しないと過剰なアミノ酸は使われずに終わってしまいます。アミノ酸スコアは100が最良でこのバランスをわかりやすく表してくれるものです。よくメディアで聞く良質なタンパク質というのはこのスコアの高いもののことなのです。

概要はここまででここからは僕の琴線に触れたものを上げたいと思います。

・個性はタンパク質のなせる技。生命の主役たるゆえん:DNAの指示により各タンパク質が合成されて人は作られていきます。DNAが遺伝情報でそれを表現するのはタンパク質 タンパク質不足では遺伝情報(個性)も発現しないのですね

・酵素はまじで凄いし大切:体は休むことなく化学反応を起こして、必要なものをつくり、使い、分解、排泄しています。そのあらゆる反応に不可欠な触媒(そのものは変化することなく、対象の変化を加速させるもの)が酵素です。大事な部分は「不可欠」なので酵素がなかったらなんにも起きません。役者はそろったけどスタッフがいないので撮影がはじまらないみたいなことですかね。酵素の重要性だけでもタンパク質を蔑ろにしてはいけないのを感じます。

・運搬もしてくれている:ビタミンやミネラルが血液中を流れる時、ふらふらして血管を傷つけたりしないようにスムーズに目的地まで届けてくれるのもタンパク質。脂溶性ビタミンだけ過剰にとっても乗り物であるタンパク質が不足すると体に負担がかかることもあるのだそうです。

・タンパク質を分解するのもタンパク質:消化酵素がタンパク質でできているのでしっかりタンパク質をとっていないと、消化能力が低下してしまいます。これとつながりで油も胆汁酸という油由来ももので分解しやすくするのですが、日頃、油をとっていないと胆汁酸が少なくなり、脂質の吸収が悪くなってしまいます。 その栄養をとるのに同じ栄養が必要ってなんだが面白くないですか

タンパク質の重要性を理解することはタンパク質のサポーターとして今後に続く栄養素の重要性を理解することでもあります。

この栄養はこうして役に立っていると理解していると食事を見る目が変わってくると感じています。「知るとは手抜きができなくなること」と尊敬している方がいっていました。手抜きができなくなった人にそれを実現するアイテムを提供することを仕事にしたいと思っています。

次は脂質です、ではまた~


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