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穴子弁当と三顧の礼

昨日JRで高槻まで帰る途中のできごと。

大阪から16時発の新快速に乗ると既に満席。

1両目の通路側に1席空いていたので着席。

遅めのお昼ごはんを食べようと弁当を鞄から取り出した。

お茶を一口飲んだところで隣の窓際の席の男性からひとこと

「次で降りますんで窓側にいかれます?」

めっちゃ助かる~

正直じぶんの都合で弁当を食べるので席はどちらでもいい。

だが、窓側の方が窓枠にお茶も置けるし、出入りを気にしなくていい。

あえてわがままをいうなら窓側の方がいいのだ。

だが、この些細なことを言える人とは中々会えない。

日本人独特の「奥ゆかしさ」からか、気持ちはあっても言えない人が多いと思う。

かく言う私も言えない方だ。

有難迷惑かな?とか、こんなことわざわざ言わなくてもいいか?

などと尻込みしてしまう。

まぁ彼の都合もあったかとは思うがww。

ちなみにこの方はイントネーションが関東の人のようだ。

こういうことが言えるのは関東の人が多い気がする。

気のせいかもしれないが。

私は即座にお礼を述べ立ち上がり、席を入れ替え。

着席後にもういちどお礼を述べる。

肝心の弁当の開封作業は匂いで周りに気を遣う。

しかし香りは立ち込めずほっと一息(と、同時に少し残念な気も・・・)。

昨日旅先の淡路島で買った穴子飯専門店「あさじ」の穴子弁当。

一口ほりこむと僅かな焼いた炭のにおいが鼻孔を突き抜ける。

穴子やらかく、米はたれに良く絡み口の中を泳ぐ。

1日たって少し冷めても味は充分だった。

新大阪駅で男性が去り際にもう一度お礼をのべる。

しつこいかもしれないが、私の気持ちとしての三顧の礼。

小春日和のあいまの冷たい雨の日。

わずか15分で舌も心も満たされました。


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