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たぬき
2018年9月28日 08:06
背後の乗客が肩にかけている鞄が、気付くと脇腹に突き刺さっている。朝の通勤ラッシュでは逃げることもできず、接触箇所を脇腹から腕へ変更することが精一杯だった。電車が揺れでもしない限り、触れ合う混雑度でもない。プライベートゾーンは特に、他人に勝手に触れられたくない。避けても避けても、狙ったように脇腹へ戻される。もう嫌だ。次に到着した駅で、その乗客は降りていった。片側だけ歪な灰色模様の、
2018年9月25日 21:18
帰りの電車内は、隣り合う者同士の腕が触れそうになる程度には満員だった。定年退職間際の男性は、途中駅から隣に立っている。正面の窓に、こちらのスマートフォンの画面を覗き込んでいるのが映っていた。咳払いを2,3度しても意に介さず、覗き込んでいた。嫌だな。こちらのプライバシーをなんとも思わないのか、隣のくそおやじは時折目を擦りつつ、他愛のないニュースを開いたままの画面をまだ覗き込み続けていた