差を生む小さな気遣い
引っ越しは人間相手のサービスであり、
こころに訴えかける部分が大きい。
と、アート引越しセンター創業者の寺田千代乃さんは日本経済新聞「私の履歴書」で書いています。
人を相手にする商売は、感情に訴えかけるところに差が生まれます。
こころに訴えるのは、気遣い。
新たなサービスも生まれてくる。
ツナギのユニフォーム採用
荷物の上げ下ろしをしているとズボンの後ろからシャツがはみ出ることがあり、だらしがないとのクレームを受けて。
くつ下の履き替え
新築の住宅への引っ越しで、従業員のくつ下が汚れの指摘を受けたことから。
殺虫サービス
密閉した引っ越しトラックの中での殺虫。自宅を新築して引っ越した後に家具の中からゴキブリが出ててきて悲鳴をあげた自分の経験から。
10円玉2枚
見積り依頼でかけてもらった電話代と、訪問時に会社へ予約を入れるために借りた電話代として、10円玉の新硬貨2枚を小袋に入れて目立たないようにそっと置いてきた。携帯電話のない時代ならではの気遣い。
寺田さんが、
クレームがアイディアの新しい種だった。
と書いているとおり、クレームからはじまったものが多いですね。
小学生の頃、家族でモスバーガーを電話注文すると、お店まで取りに行くのは「ボクが行く!」とおりこうさんぶりを発揮していたのですが、それは、お店に行くと小袋に入れた10円を電話代としてもらえたから。
当時、10円出せば駄菓子屋さんで子供の小腹ぐらいは満たせたものです。
その秘密が兄弟にバレてからは、取りに行くのはジャンケンになってしまいました。
モスバーガーの10円玉、数10年を経た今でも続いているようですね。
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