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体から消えた木の匂い

家の中に工場(こうば)があるのか
工場(こうば)の中に家があるのか
わからないくらいの小さな建具屋。

前回はこちら

小学校に上る前に工場を増築したので
工場(こうば)の中に家があった
と言うのが適切かもしれません。

工場(こうば)では、
毎日、木製の建具を作っています。
出来上がったばかりの木製建具は
とてもいい香りがします。

新築の和室の畳と木の混ざった
香りもいいですよね。

工場(こうば)には、
納品前のできたての建具だけでなく
木くずに、カンナ屑、おが屑など
木にまつわる、いわゆるゴミが
いっぱい出ます。

家ではその木のゴミでお風呂も
沸かします。

とにかく家中、木なんです。

高校2年のとき、工場兼自宅からは
離れたところに新しく家を建てました。

予鈴が鳴ってから自転車で走っても
遅刻しないぐらい学校の近くに。

工場と家が離れたことで、
おがくずの埃っぽさはなくなるし、
騒音はしないし。
「いいな」と思うことが多かった。

でもあるとき、友達に言われたんです。

「牧野、木の匂いがしなくなったな」

このとき、
生まれてはじめて気づきました。

生まれたときからずっと
木の香りの中で暮らしていたんだと。

そして、木の香りが
自分の体に染み付いているってことも。

体から木の匂いがしなくなった
建具屋の息子がおもてなしする

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牧野でした。
最後までお読みいただきありがとうございます。


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