ニョロニョロって……?
『ムーミン谷の仲間たち』所収
『ニョロニョロのひみつ』は
謎めいた生きものニョロニョロと
ムーミンパパの物語。
ニョロニョロの原書表現は
Hattifnatt(複数形は語尾が変化)
というが、日本語話者には
発音しにくいこのキャラの名を
「ニョロニョロ」としたのは
山室静さん。これ以上の名訳は
ないと思うほどの名訳だ。
英語訳では Hattifattener
フィンランド語訳ではHattivatit
どちらもスウェーデン語に近く
「ニョロニョロ」とは全く
別物のような感じがするが、
手話表現になると、これが
ぐっと親近感がわいてくる。
Twitterでグスコープドリさんに
教えていただいたこのサイトには
ムーミントロールやちびのミイも
載っているが、中でも面白いのが
モランの手話。
他のキャラクターが見た目の特徴を
表現しているのに対し、モランは
のそのそと歩く様子を表現しているという…!
この物語でパパは
<ベランダパパ>から
脱却するべく出奔する。
自分に対しても他者に対しても、
何か言葉にしたり説明したりする
必要がないというのは、
素晴らしいことではないか!と
解放感に浸る一方、家族は家族で
パパのことだから、そのうちきっと
帰ってくるさ、というスタンス。
この物語はきっと、
【自由のひみつ】の物語でもあるのだろう。
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