振り分けられないところ。
元・東大助手共闘会議、現・和光大学名誉教授の最首悟さんという方がいらっしゃいます。ダウン症の星子さんのお父さんでもあります。
最首さんの講演をもとに編まれた『半生の思想』というブックレット。
「はんなまのしそう」と読みます。
「小学校が九年かかった。だから、諸君のような予備校生になったのは、もう二十歳を過ぎていました。駿台です。」と観客に語りかけているのと、発行所が河合文化教育研究所発行なので、河合塾の講演だったのかな。
お話は、自身の進んできた道、広島・長崎以後の自然科学について、水俣のこと、娘さんのこと、「私が私であること」など、多岐にわたっています。
2章は「半僧半俗を生きる」というタイトルがついたQ&Aになっています。おそらく会場から出た質問に答えたものだと思われます。
零か百でなくていい。半分でいい。
まだ身についたとは言えないけれど、どうしても白黒つけたい、つけるべきだと思っていた若い時分に読んで、目から落ちたうろこの音が聞こえるようでした。
「半生の思想」とはなにかについては、以下のように書かれています。
「ホットを生活に振り分け、クールを思想に配分しても、たぶん振り分けられないところが残る、そこがハンナマの思想の領域」(最首悟/『半生の思想』)
お読みいただきありがとうございます。いただいたサポートは、次の記事のためのなにかに使わせていただいますね。