タピオカミルクティーの思い出
2年前に書いて、下書きに残っていたnoteの記事。
いま見つけて、投稿した。
入院した母は、1ヶ月も経たずに亡くなった。
平成から令和にかわってすぐのことだった。
お見舞いのたびに、元気のなくなる母に会うのは、
かなりこたえた。
毎日、仕事帰りに病院へ行き、母と祖母の様子をみて、
電車に約一時間揺られ、義実家に息子を迎えに行く。
仕事があったから、いろいろ考えなくてよかったのかもしれない。
ともかく記憶があまりない。
久々に母の入院していた病院の最寄駅に降り立った。
あっ。お店の名前は変わっても、タピオカミルクティーを売っていることに変わりない。
お見舞いの後、
長くはない母とのことを考えると、辛くなり
そのころ流行っていてタピオカミルクティーのお店に行った。
誰かと話してから帰りたかったのだ。
『タピオカミルクティー、甘さ控えめ、氷少なめ』という短いフレーズだったけれど。
病院の後、そのまま電車に乗るのは耐えられなかった。
ただただ、何か空気をたちきりたい、
切り替えたい、
タピオカミルクティーは、
毎日変わらず、適度な甘さで私を満たしてくれた。
だから、今でもタピオカミルクティーをみると、
病院帰りの、あの、頼りない私が蘇ってくる。
タピオカミルクティーなのに、
なぜかしょっぱさを感じる。
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