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フランセ「クラリネット協奏曲」④

このレッスンノートは私がフランスに来てから受けた指示を記録してます。一つの解釈として記事を読んでいただけたら嬉しいです。

今回はフランセのクラリネット協奏曲の三楽章を取り上げます。

三楽章は私のイメージだと秋風なんですね。冬が近づいてきて、枯れ葉がさっと舞うような秋の風。フランスに住んでいて思うんですけど、フランスの冬は日本より日没が早く、日の出も遅いので、ずーっと暗いんです。少し前までは夜中の11時くらいまで明るくて、ずっと外で遊んでいるのが、秋になった途端日が短くなってくる。これがなんとも切ない。。。切ないんです。。。。涙が出ちゃいそうになるぐらいセンチメンタルになります😢

私にとって三楽章はそんな曲です。

この楽章はこの冒頭8小節で決まります。ここで言いたいことが言えると、お客様の耳がしっかり付いてきます。

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この冒頭から8小節まで。苦しいんですよね😭ブレスを上手に取る方もいらっしゃいますが、私はやっぱりノンブレスでやりたい。というかここはブレスが余裕である状態じゃなくて、苦しい中で吹きたい。それくらい言いたい事が詰まってる気がするんですよね。

そして追い討ちをかけるように、ここは♩=72の指示😳ここはフランセのメトロノーム壊れていて欲しくなかった🤣🤣🤣🤣

三小節目のシをクレッシェンドして三小節目から歌いこみたい気持ちはわかりますが、まだまだここは始まりです。五小節目に向かって音楽を作っていきましょう。先ほども書きましたが息の苦しい場所ですが、ブレスが続かない方は三小節目で盛り上がってしまっている方が多いです。少し先を見て音楽を作っていくと意外にブレスもちますよ☺️ギリギリですけどね😅

6小節目にあるファのナチュラル。ここ大好きです。このファのナチュラルがあるから、このフレーズは艶っぽさが増します。

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32番からは秋の風が吹いて木の葉がサッと舞う様なイメージです。乾燥した葉っぱがフッと舞って欲しい。この楽章は冬のでも無いし、春とか夏の水分がある葉っぱとも違う🙄

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写真の頭から始まるスタッカートのパッセージの部分、タンギングの加減が難しい場所です。長すぎても短すぎても跳ねすぎてもダメな場所です。師匠はお腹から息を出しながら「ハッハッハッハッ」て感じ。とザックリ教えてくれましたが、本当にそんな感じですよね。

この楽章をレッスンに持って行った時に「マキ、テクニックっていうのは、ガシガシ指を動かす事じゃないの。キーの音がしないぐらいしなやかに動かすのがテクニックなの。そうしないと、この場面が台無し!」と注意されたんですね。

全く仰る通りなのですが、私は今ままでテンポ通りに指が動いていたら良しとしてた事に気がつきました。

そりゃそうよね。キーを動かすたびにカチャカチャしてたら、当たり前だけど五月蠅い。

ふと、フィギュアスケートの村主さんの事を思い出しました。私は生で観た事がないのですが、彼女のスケーティングってすごく静かで、観客が演技にスッと入り込むんだ。とスケートオタクの友人が話してくれたことがありました。

当たり前だけど楽器だって同じこと。目の前のことに追われている時ってついつい一番大事な基本をどっかに置いてきてしまう事があります。

そんな時、私はパッと日本での師匠の顔が頭に浮かびます。「今忘れてたでしょ!はいもう一回」って言われた気になって、穴に入りたくなるくらい恥ずかしくなって、毎回自分を戒めます。(書いてて思ったけど、毎回戒めてちゃ前回の戒め全然反省されていない🤣)

師匠というのは、離れていても常に私たちのすぐ側にいて、見守ってくれているんだなと思います。ジーン😢当たり前だけど皆さんまだご存命です。こういう書き方だと語弊があるかもしれないですね🤣

でも、それくらい師匠との関係って長く、いいや、一生続くものなんじゃないかな。と思うのです。

うぅ。思い出していたらお会いしたくなりました。この夏も元気に再会できたらいいな🥰

さぁ。。。。。ここはどんな気持ちで演奏しますか?

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テクニックに自信のない私は、美しいフレーズを吹きながら、気持ちの半分は死刑台の階段を上がっていく気持ち。。。。

「マキ、四楽章が楽しみでしょうがないけれど、ここは焦っちゃダメよ。sans presser 急がないでね!」と。。。。

人間として出来が天と地ほど違うのは十二分に分かっているんですが、初めてこの人(師匠)は宇宙人なのかもしれないな。と思った一コマでした🤣

次回は四楽章に行きましょう!

最後までお読みくださりありがとうございました😊


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