里庄を、巡り巡れば巡るとき。

博多1日、24,000歩。
里庄1日、23,000歩。

豚肉1日、7千キロ。
鶏肉1日、3千キロ。
餃子1日、100万個。
食は万里を超える!
私は限界を超える!


いやー、超えた。
いやー、巡った。
藤井さんの生まれ育ったとこ。
巡りきったっていう。

だいぶ長めの、スペクタルなし。
笑いも涙もまったくなしの。
全私が震撼した、だけのドキュメント。
を、書き散らかします。

福岡Live堪能からの里庄巡り。
なぜできる、と思ったんだ?
レベルでの巡り。

なので、ね。
のっけの福山駅から手探りが止まらない。

だから、ね。
駅員さんに、意気揚々と助けを求める顔して。
ジワリジワリと距離詰めてった。

「どこ行くの?」からの手際が。
よっ、さすが!駅員さん!だった。

ここまで、お膳立ててもらったから。
あとはこっちに任せて!って顔して。
さも当然!って顔して。
改札にピッするよ!見ててねって顔したら。

コラコラ、ここでピッしない!
里庄でピッするの!
里庄でピッ?
そう、里庄でピッ。
えっ、里庄でピッ。
だから、里庄でピッ。
そっか、里庄でピッ。
ピッ、ピッ、ピッ、ピッ、言い合って。
大丈夫なの?なんて、真顔で聞かれて。
大丈夫だよ?なんて、真顔で答えて。

多大なる大丈夫なの?を一身に受けて。
里庄でピッするんだよー!
なんて、大きめの声で送り出されて。
初めて、人生で初めて。
駅員さんに、手振った。
いってらっしゃいじゃなくて。
迷子にならないようにね、って言われた。

勇気ふりしぼって。
聞こえないふりした。

里庄までの電車の中で。
ジワジワ押し寄せる不安に震えて。
練りに練って、こねくりまわした。
自分作、里庄旅のしおり見返して。
よりいっそう、震え上がった。

なので、ね。
里庄駅に着いたとたん。
溢れんばかりのやりきった感。
まるで勇者じゃない?
くらい堂々と歩きだしました。

「駅でたら、すぐ歩道橋見えるから」
ってことは、口酸っぱく聞いてた。

ここにいるよ、って。
青山テルマよりもここにいるよ、って。
テルマ feat. 歩道橋。
ちょろい、ちょろい。
思う存分、気を良くしちゃって。

グーグルさん、お願いしますよ。
なんて、浮かれポンチキで。
小野商店検索して。
テルマ!行くよ!なんて。
浮かれに浮かれたポンチキが。
絶対、勇者でしょ。
くらい堂々と歩きだしました。

あの時、私は勇者だった。

博多の24,000歩が、目を覚ますまでは…。
足が…、足が…、
鉛の靴履いちゃった?くらい、足が重い。

あの時、勇者だった私も。
普通の人間に戻って。
駅に戻って。
タクシーにすがりついてやろうかと思った。

でも、ね。
騒いじゃって、無駄に。
方向音痴の血っていうのかな。
実力っていうか。
意地っていうか。
ここで見せないで、どこで見せるの?

で、誰にみせるの?
なんてことは。
まったく思いもしなかったし。
気づきもしなかったんだけど。

グーグルさんが。
小野商店まで6分だよー、って。
徒歩の私に、6分だよー、って。
言ってることに。
気づきもしなかったんだけど。

なのに、ね。
私は、勇者としてやっていくことを決めた。
無駄に。

果てしなく続くみちー。
globeか!
テルマの次はglobeか、なんつって。
言ってるうちが花だった。
ほんと、果てしなかった。

行けども、行けども、6分で。
行けども、行けども、道で。
与えられるもの全て、道で。
とんでもなく、長くて。

ぞうさんのお鼻はどうして長いの?
きりんさんの首はどうして長いの?
おばあさんのお口はどうして大きいの?
わたしの実力と底力はどこへ行ったの?
わたしのグーグルさんは、なんで6分のままなの?

そう、なんで?
ヘイ!グーグル!
事件に巻き込まれてない?
へい!グーグル!
電波きてる?
ヘイ!グーグル!
カモン!グーグル!

なぜに、6分なんだ、と。
まあ、アレがアレの関係で。
早い話、車の案内だったんだけど。

オーケー!グーグル!
グーグルの心意気は、十分すぎるほどわかった。
グーグルを責める資格もない。
グーグルを頼りきった私が悪い。
私だけ、私だけしか悪くない。
オーケー!グーグル!
オーケー!歩きます。

小野商店にやっと辿り着いた時。
私は、身ぐるみ剥がされた勇者だった。

剥き身で、オロナミンC飲んだ。
飲みながら、現実からの逃避をはかった。

上半身はかろうじて勇者。
下半身が見当たらない。
小野商店から出てこない。

上半身だけじゃ、どうにもならない。

「自分なんて、まだまだヒヨッ子っす、
 ネエサンがいないとなんもできない、
 ヒヨッ子っす、自信ないっす。」

「バカ…、アタイはねぇ、アタイは、
 あんたのこと、弟…のように思ってんだよ。
 あんたがあまりにもなよなよしてっからさ、
 意地の悪いことしちまったよ…」

「ネエサン…、出てきてくれたんっすね。
 ネエサン、ネエサン、オレ、オレ…、
 ネエサンに最高の上半身見せるっす!」

そしたら、さ。
それを見守ってた尻のやつがさ。

「ちょっと見ないうちにデカくなっちまって。
 いいのか?本当のこと言わなくて?
 お前さん、あいつのこと…」

「いいのよ…、アタイの気持ちなんて。
 上半身には上半身の、下半身には下半身の、
 それぞれの生き方ってもんがあんのよ」

思ってた以上に逃避して。
ちょっと、泣けた。

「泣き顔は、お前さんには似合わねぇぜ」
って、尻のやつに言われた気がした。
わたし、わたし、歩き出せそうっす。

ってなわけで、ね。
頼むよ、グーグル!つって。
小野商店からミッチャムまで検索した。

スープの冷めない距離だった。

なんだけど、ね。
初めの1歩から間違えて。
第一印象から決めてました、つって。
小野商店からやり直した。

私の方向音痴が。
とどまるところを知らないもんだから。
スープ、完全に冷めてた。

ミッチャムが現れた時。
舞台のフィナーレかくらい、感動した。

おはよう、おやすみ。
ただいま、おかえり。
なんて。
ここで笑ったりしながら。
ここで育ったんですね。

完全に冷めたスープを。
振る舞いたいくらいの気持ちで。
お邪魔しました、って言って。

さあ、いざ行かん!
次のステージ!マカレへ!つって。

来た道、戻るのかー。
あの道、歩くのかー。
ってことには。
我に返らないように細心の注意払った。

だって、ね。
藤井さんの歩いたであろう道をね。
徒歩ってみたかった。

藤井さん、ありがとう。
風さん、ありがとう。
藤井さんちの風さん、ありがとう。
私、里庄の土踏みしめてるよー、つって。

昨日の余韻も踏みしめてるよー、つって。
藤井さんの曲聴いて、歌って。
立ち止まって景色見たりして。

ふと、思ったりして。

ふと、よぎったりした。
藤井さん、徒歩ってた?

たぶん、ね。
たぶんだけど、ね。
藤井さん、徒歩ってなかったんじゃない?

薄々は気づいてた…。
てか、濃いめに感じてた。

藤井さん、チャリってたな。

って、確信してからの道のり。
かぜん、我に返ったし。
だんぜん、細心の注意払い戻したし。
しっかり、足たちにエールを送った。

足たち見てろ!
もう苦労はかけないぞ!
田舎のお袋さん喜ばせてやろうな!
ヘイ!タクシー!手挙げな!つって。
ヘイ!ヘイ!タクシー!
ヘイヘイ!ホー!つって、食い止めてやっから!
止めに止めてやっから!

おい!腕、聞いてっか!
おめぇさんの出番だぜ!

しかと、聞いたぜ!
腕が鳴るってなもんよ、腕だけに。

くだらない…、くだらないがすぎる…。
さとしょう…、いっぽん道がすぎる…。

とんだ茶番を繰り広げたりしてるあいだ。
1台もタクシー通らなかった…。

「疲れたら、タクシー乗ればいいや」
なんて、軽々しく口にしてた自分がうらめしい。

もう、ね。
化けて出たい。
どんな霊より、化けて出る自信はある。
そのへんの霊より、震えあがらせる自信ある。
あるには、ある。

でも、ね。
うらめしいの対象が。
トラック、クルマ、道、トラック、トラック、道、道、クルマ、道、トラック、クルマ、道…。

もう、ね。
霊、どうでもいい。
どんな足より、自信を持って。
私の足の方が震え上がってるから。

とりあえず、ね。
タクシーが通った時のために。
べつに、乗らなくても良かったんですけどね。
みたいな雰囲気を存分に出しつつ。
震えつつ、歩いた。

自然と化け始めてない?って頃。
グーグルさんがマカレ付近だよ、って。
マカレまで3分だよ、って。
嘘みたいなこと言い出した、嘘みたいに。

私は、すっかり、しっかり油断した。

けっこう歩いてるのに、ね。
ずっと3分、テコでも動かない3分。

ほらね、ほらねって思った。
勇者で言えば。
最初の村から離れてない感じ。
布の服とこん棒でウロウロしてる感じ。

もう、ね。
飽きた、ぶっちゃけ飽きた。
順風満帆な方向音痴。

だから、ね。
潔く、迷ってやろうかなって。
幸い、予約時間まで1時間もあることだし。

布の服でも寒くないくらい歩いて来た。
こん棒で戦うべき魔物とも出会ってない。
さあ!我思う方へ!新たな冒険の始まりだ!

やっぱり、ね。
迷える子羊でさえ、ここまで迷わない。

やっと辿り着いたマカレで。
「40分も、40分も前なんですけど、
 早く来すぎちゃって、すいません。
 早く来すぎちゃって、すいません。
 早く来すぎちゃってけど、いいですか?」
って、早口言葉なみに言った。

出迎えてくれたのは、青い目をした青年だった。

異文化を十分にコミュニケーションしたことなんて、
今まで生きてきて一度もない…。
ノーミュージック。
ノーライフ。
ノーアーハン。

なんなら、ね。
私の方が、日本語カタコトだった。
青年の方が、何度もアーハン?って顔してた。

そんなこんなで、ね。
料理美味しいし、雰囲気最高だし。

ここでピアノ弾いたり、歌ったり。
ここで食事したり、おしゃべりしたり。
ここにもたくさん、想い出詰まってるのね。

などと、想いにふけって、ふけって。
妄想が想像のハードルを軽く超えて。

なんだか、ね。
時間が優しく感じられて。
ゆったり、まったり幸せに包まれてた。

お話も聞かせてもらって。
心もお腹も満たされて。
意気揚々とつばきの丘運動公園へ出発した。

あんなに、ね。
グーグルさんとは心通わせて。
方向定めてから歩きだそうと思ってたのに。
決意ごときれいさっぱり忘れてた。

そしたら、ね。
旅番組くらい風情がある道歩いてた。

で、ずっと言いたかったことを言ったわけです。

ヘイ!グーグル!オイコラ!グーグル!
こっちはさ、東西南北おぼついてないつーの。
一歩一歩が未知との遭遇だ、つーの。なのにさ、南東へ進みますとかやめない?はい、南東ですね、つって進める人いるの?は?いるの?そりゃ、いるにはいるんだろうけど。こっちはさ、いっつも思った方に行ったらたいてい逆だからさ、思った方の逆行ってみよ、って賭けみたいなこともやってるの、なのにさ、それも逆ってなんなの。足何本あっても足りないつーの。宵越しの歩数は持ってねぇ!つーの。もうさ、タメ口でいい。次、曲がっとく?とかさ、おいおい、なに?曲がろうとかしてるわけ?まったく、まっすぐ歩くこともできねぇーのかよ、今まで、どんな地図と向き合ってきたんだよ!みたいな何様なの?って口調でもいいからさ…。
あー、タクシー乗りたい。

なんだか、ね。
ひとっこひとりいない道で大声だしたら。
すっきりした。
はばかる人がいないのをいいことに。
大声で、LASAったりもした。

そしたら、ね。
つばきの丘運動公園こっちだよー、って看板。
十分運動してますよー、なんて軽口たたいたりして。
ご褒美的な看板に、すっかり調子のって。
競歩!なんつって、早歩きとかして。
自分なりの距離でつばきってた。

つばきの、丘は、案外遠かった…。

もう、ね。
自分がいちばん信用できなくなってた。
あの看板は幻だったのかもしれない。
って思いながら、しばらく歩いた。
やっと、つばきの丘運動公園が見えた頃には。
故郷が見えた、くらいの気持ちだった。
やっと、つばきの丘公園だって頃には。
揺れてる?くらい足取りガクガクしてた。

とりあえず、座って考えようか。
を、スローガンに掲げてる私。
うっすら見えてるベンチ目指した。

なるべく、ね。
平静装いながら。
すっごい、なだらかな。
ゆっくり、ことこと、ていねいに。
足にダメージ与えてくるくらい。
なだらかな道、登った。

いこいのため池。
斬新なネーミングだった。

そのなだらか使って。
子供たちが、鬼ごっこしてた。

鬼から逃げてる子が、ね。
それ牛歩?流行ってるの?って。
言いたそうな顔で、私の横に来て。
乳首は紅しょうが、って歌ってた。
不覚にも笑った。

でも、ね。
すぐに青ざめた。

つばきの、丘は、運動の域超えてた…。

命からがら辿り着いたベンチで。
ギャングのように水飲んだ。

浴びるように水飲んでたら。
困った時の姉頼みの、姉が電話くれて。
「管理事務所にサインあるよー」って。

管理事務所ですって。
この牛歩の女に、よくも言ったなと。

管理されたいのはこっちの方だよ、つって。
振り向けば管理事務所だった。
いくら私でも、スープの冷めない距離で安心した。

よし、クリア。と、思った。
なんだけど、ね。
藤井風の歌声が流れるというスピーカーは?

一生懸命さがしました、私、一緒懸命さがしました、
そしてスピーカー…、見つかりました。

で、降りた。
なるべく平静装って、牛歩って登った道を。
負傷した兵士みたいな歩き方で。

なんか、ね。
軽いな、って。
さっきより、体軽いな。
だいぶ軽いな、軽すぎるな、って。
リュック、ベンチに置き去りでした。

慌てて取りに…。
行けねぇー、取りに行けねぇー。
ぜんぜん足動かねぇー。
棒立ち、足の動かざること山の如し。

流れだしたgraceとともに。
置き去りのリュック見上げてた。

そしたら、ね。
見上げてるの、私だけじゃなかった。
子供たちも見上げてた、鬼ごっこ中断して…。
観察日記でもつけるの?ってくらい見てた。

置き去りにされたリュックと。
リュック見てる、私を。

さあ、日記に書きなさい。
そして、覚えておきなさい。
これが、何食わぬ顔ってもんだから。
将来必ずあなたたちの役に立ってくれるから。

なんて、気持ちを置き去りにして戻った。
ギリギリの二足歩行で。

今度こそ、いこいのため池でいこえると信じてた。

ベンチない?座って聴けるでしょ?
上がらないの?上まで行かないの?
どうにもこうにも、姉と噛み合わない。

藤井さんが座ってたところ。
駐車場横に階段あるよって。

か い だ ん ?
さらなる高みへゆけ、と…?

いこえなかったため池と。
いい勝負する階段があったりした…。
ダンジョンかと思った…。

海の見える丘。
割りかし偉大なネーミングだった。

あの、ね。
丘違いかな、丘違いなのかな。
あら?なにかの丘違いじゃない?ってくらい。
すっごいなだらか、なくせに階段。
丘も変わっちまったな。

にしても、私の日常変わんねーなー。
にしても、藤井さんのステキボイス変わんねーな。
にしても、絶妙なタイミングで歌ってくれるなー。

彼、優しさに震えてた。
私、階段に震えてた。

震えた甲斐あったよ、藤井さん。
震えながら、姉に写メ送ったよ。

なぜ、上からの写真なの?

察しろよ!!!!!
通り過ぎたんだよ!!!登りすぎたんだよ!!!
足が勝手に動いちまったんだよ!!!
海見えねーよ、海どこだよ!!!
これっぽっちも余裕のねー丘なんだよ!!!

優しさのカケラすらなくなってた。
二足歩行もカツカツになってた。

つばきの、丘は、険しかった…。

残る巡りは、あと2つ。

この頃には、ね。
タクシーのこと、未確認ノー飛行物体って呼んでた。

ヘ…イ…グーグ…ル。
里庄役…場って…どこ…?
そっか、11分か…。

そう信じて歩いたんだけど。
ぜんぜん役場ってこないんだけど。
時空、歪んでる?
里庄役場の駐車場で、役場なくなった?って。
オロオロしちゃったのは、そのせい?

アイツ、なんかフラフラしてない?
昼間っぱらからけっこう飲んでるな。
みたいな目で見られたのも、そのせい?

時空歪んでるくらいで驚かないんだけどね。
なにに驚くって。
アイツ、昼間っぱらからけっこう飲んでるな。
って、私のこと見てた人が里庄役場にいた時。

何食わぬ顔、なんの役にも立たなかった…。
のび太くんに負けないくらいの逃げ足で。
里庄役場後にした。

ねぇ、グ…ーグル。
里庄郵便局…、そっか、そっか3分か…。
3分っていえば、カップラーメン作るか。
ウルトラマンに変身する他に役立つことある?
などと、ややこしいこと考える前に着いた。

もう、ね。
一心不乱に突き進んだ。
で、一心不乱に腐乱食い止めながら。
キャーキャー言わないパー子さんのように。
写真撮らせてもらった。

腐りかけの私に、郵便局の人は親切だった。
「あのチラシ、あそこに置いてあるチラシ、
 持って帰って!パンフレットもあるのよ。
 ほら、こっち!こっち!」
って、後戻りを誘導してくれた。
きしむベットに優しさ持ちよった人だった。

きしむ足に疲れを持ちよった私だって。
長めに大人のはしくれさせてもらってるから。
地に足ついてます、って。
大人のたしなみとかチラッと見せたり。
足のきしみとかをやりすごしながら。
誘導されたりしながら。
ポストカードと手作り小物をお買い上げした。

そんなわけで、ね。
カウンターで「バーボン」って言っても、
違和感ないくらい身をゆだねてお支払した。

「あちらのお客様からです」って言っても、
違和感ないくらい優しい笑顔で見送ってくれた。

ググググガッ…、あ゛ー、グーグッ…ル…
里庄駅…、へー、15分…ね。

ねぇ…グーグッ…ル…、私の足…、
ひとまわり大きくなったような気がするんだけど。
気のせい?不意打ちで見たりしたら、ミッキーマウス
くらい大きくなってたりしない?
あぁ15分って何色だったけな
…覚えてないや

膝から心が崩れ折れた…。

アーノルドなシュワちゃんが、親指立てながら溶鉱炉に沈んでいったスピードで。
私は、髪逆立てながら土手に沈んでいった…。

大人ってどんなだったけな
…思い出そうか

って、強く、強く思ったけど。
歩くとか歩けないとかじゃなく、動けない。

しばらく、足だけ見てた。
あやうく、歩き方忘れてしまいそうだった。

私が、私が足の治安を守らなくては!
無駄な歩数はいっさい作りたくない!

私は立ち上がった!
選択肢がそれしかない!
ってことには、目をつぶって!

なんとか、ね。
二足歩行のうちに、駅着いて。

暮れなずむ里庄駅で。
去りゆくふじいさんは。
どんな言葉を贈られたんだろう。
送るミツオさんは。
どんな気持ちだったんだろう。
って思ったら、しんみりしちゃった。

なんだけど、ね。
あんなに乗りたかった未確認ノー飛行物体が。
2台も確認されちゃって。

違う意味で泣きそうだった…。

ありがとう里庄。
また来るね里庄、つって。
岡山へ向かう電車に乗って。

座ったとたん…。
足の指、惜しまれつつ解散しました。

バスで帰ろうって思ってた。
「私がどれだけ惜しんだかわかる?どれだけあんたたちの再結成を望んでると思ってんのよ!心配すんなって!私、金に糸目はつけないぜ!」
つって、新幹線に乗ってやることにした。

で、新幹線の時間まで。
ゾンビより腐敗した身体を。
少しでも癒そうと、ケーキ食べて過ごした。
隙あらばつろうする足と戦いながら。

で、今日を思い返しました。
勇者が魔物ではなく、つることと戦う意味を。

じゃあ、ね。
走馬灯のように、里庄でのあれやこれやなんかが
想い起こされた。

だけど、ね。
いちばん起こされたのは。
乳首は紅しょうがの歌でした。

彼は、明日もつばきの丘で元気に遊ぶのかな?

って考えたら。
今年の目標なんて、思いつきませんでした。


ロバが旅に出たところで
 馬になって帰ってくるわけではない。

おおむね、私のことです。

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