#4 美学

私の好きな漫画の中に
「髪を伸ばしに伸ばして、美容院で切られた髪の量を見て引くのが俺の美学だ。」と言う言葉がある。
美学。私の美学。
先ほどのはふざけたセリフであるけれど、一体私の美学とはなんなのだろう。

きっと、私の美学は「人に愛され、愛すこと」に他ならないと思う。
誰かを愛し、愛されることで1番の喜びを得るのだと思う。
元はと言えば私は愛に飢えていたと感じるし、
誰よりも愛されたいと願う気持ちが強かった。
願っても願っても1番にはなれないと感じていた。

ただ、こうして大人になり私のことを愛してくれているなら、私も私の愛を全て預けたっていいと感じるようになった。
そんな人に出会ったからである。

ただ、この美学はうまくいかないこともある。
ここがヒジョーに肝である。
それは、時にこれを求めすぎてしまうことだ。
自分の与えた分だけ欲しいと思うと、どうしてもそうはいかないことがある。
そんなとき、私は初めて自分が醜いと感じる。
なんて器の小さい女だと思う。

正直、こんな私のような小娘の悩みを理解し、手を差し伸べてくれるのは、親でもなく友達でもなく、田辺聖子ただ一人であると思う。

兎にも角にも、人に愛されると言うことも人を愛することも素晴らしいことであるが故に、漬け込むがあまり当たり前に感じて調子に乗ることがある。
そうなってはいけない。
いつでも私は思慮深く、愛情深くあらねばならない。
明日はどんなに雨が降ろうとも、
私にもあなたにもいいことが起こりますように、
と願える女でありたい。
どれだけ不幸が続こうとも、あなたがあればどんな時も幸せよ、と唱える女でありたい。

猫にも杓子にも愛される女でありたい。

時代も時代、何を幸せとするかは人によれど、
私は一生、あなたと、向こうまで、

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