見出し画像

人生と漫画雑記(僕の地球を守って)

先日、私の一部化している大好きな漫画「僕の地球を守って」が物語の中での重要な舞台であります東京タワーでイベントを開催しておりました。

私はジャンル問わず幼い頃から漫画を読み漁る「漫画オタク」でありまして、友達のお家にお邪魔する毎、そちらで自分では探しようもないような作品を見せてもらうことがなんとも喜びでした。

その中で「僕の地球を守って」は自らで見つけた作品で、当時は単行本9巻まで刊行されておりました。本屋さんに平置きされた神秘的な表紙に魅了された小学生の私はまだ見ぬ大人びた世界を垣間見る気持ちでページをめくりました。
(まだ、立ち読みが出来ていた当時ならでは。)

小学生女子なら「りぼん」「なかよし」といった少女漫画雑誌を読んでいる頃。勿論その中にも思い出深く愛する作品はありますし、同級生男子が読んでいたドラゴンボールやキン肉マンも楽しかったです。

ですが、「僕の地球を守って」の衝撃は幼い小5の胸には抱えきれないものがありました。毎月お小遣いで単行本を集めていき、雑誌連載を追っていました。

「僕の地球を守って」と言いますと、転生SFとしての影響がよく語られがちですが、「前世」=過去の自分であり、転生、超能力、異星人と言った作品に華やかさをもたらす演出を抜くと、シンプルで人間にとって根源的なテーマを描いています。

最後まで読めば、王道の少女漫画でありますが、それがかなり究極の形として迫ってくるので読後に愛とは、罪とは、善悪とは、慈悲とは、神とはと様々な哲学的問いかけに
思考を巡らせてしまうことになります。

名作と呼ばれる作品には普遍的な問いかけが必ず含まれているということなのでしょうね。

スピルチュアルアレルギーでこの作品に触れたことのない方がいらっしゃるならそれは
とてももったいないなと思わずにはいられなく、イベントが開催された機会に長年の一読者としてnoteに残しておきたくなりました。

続編は、ファンにとってのサービスのような面もあるので、本編だけでも成立している
作品です。

雑誌連載終了当時に作者の日渡先生がテーマの重みで苦しかったと吐露しており、その後の作品たちは「僕の地球を守って」と比較すると読後感が軽くなっています。

連載を追っていた私も辛かったので、続編がライトになったことは私個人では安心して読める一面もあります。(ファンタジー色が強くなったことが原因かも知れません)

本編はリアルにみせる描写とファンタジーの加減が絶妙なのでふと、その境界を越えてしまいそうになるのも理解出来ます。

ただそこには人間の祈りがあり、信じる心の尊さが描かれ訴えかけてくること。人間にとってなにが救いなのかがちょっと照れてしまうくらいに率直に響いてくるからこそだとも思います。

感じ方はそれぞれ。それも尊重されるものであり人間の悩みは詰まるところ人間関係(縁)によるものだと教えてくれます。

まだ作品に触れたことのない方は、色んな情報が入り乱れてかかってしまうバイアスを少し頭の隅に置いてみて手に取って見て欲しい。

一ファンの気持ちです。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?