吟遊詩人・山嵐

アイコンはAdobe Fireflyで作成です。 見出しはCanvaで作成です。 ポエムはMENHERAが作成です。

吟遊詩人・山嵐

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最近の記事

道草|poem31

人間は生きてるだけで消費する 生み出さないと、ただのうんこ製造機 さてじゃあ何で生み出すか しかし、何も生み出せない私 戦争も終わらせられないし 社会課題の解決もできないし 人の命も救えない マッチングアプリでさっさと出会って、 子どもでも産めばいいのだろうか しかし、こんな遺伝子のこしたとて 無価値よね 困った 費用対効果で言うと、 人類にとって全く無価値な私 未来のためには消えて無くなった方がいいのではないかという私 それは優生思想的な、おぞましさではなくて、

    • ひっこし|poem30

      あなたは金曜の夜中2時に来た いや、正確にはもう土曜だった 仕事が終わらなくて飛行機の時間をずらして、 その飛行機が遅れて、 終電に間に合わなくて、 タクシーに乗ってきた じぶんは悪くないって、 言いたいみたいにそう言った 土曜は昼過ぎまで寝ていたあなたをどうにか起こして、 朝ごはん兼、昼ご飯を口に放り込んで、 大家さんにあいさつに行った 今時じゃない、なんて不機嫌なあなたを引きずっていった 約束しているのと言うと、なんだかんだ律儀についてきてくれるあなたのそういうと

      • 愛重め・距離近め・麵硬め|poem29

        あたしを彼女にしてくれたら、 あなたにシワのついた服なんて着せないのに あたしをお嫁さんにしてくれたら、 あなたにコンビニ弁当なんて食べさせないのに ねえ あたしを恋人にしてくれたら、 毎日一緒にラーメンを食べに行ってあげるのに 家系だって、ジロー系だって、背脂にんにくマシだって、付き合ってあげるのに あたしを奥さんにしてくれたら、 浮気だって許すのに 風邪みたいなものでしょう? 同じお墓に入れればいいのよそれで 近いかな 重いかな ウザいかな あたしにシワが増

        • 今日も恐怖にまみれてる|poem28

          ぼくは恐怖にまみれてる 今日も恐怖にまみれてる 君は5年も前のメッセージの、 スクショをまだ持ってたりするからさ 魚拓のように 鬼の首をとったように 遺品のごとく 後生大事にするからさ 推敲しないとメッセージの一つも送れやしない おいそれと既読もつけられやしない ぼくは恐怖にまみれてる 今日も恐怖にまみれてる つらいことも苦しいことも悲しいことも 最近どんどん減ってきた でも怖いことだけは、 どんどんどんどん増えていく 君とのさよならが、なにより一番怖いんだ

          君と、お揃いだったらいいのに|poem27

          君と、お揃いだったらいいのに 君が満腹のとき、僕が空腹だと、 申し訳なくなる 逆だったら、 胃を四次元ポケットみたいにするのに あとで気持ち悪くなるかもしれないけど 君が疲れてるとき、僕が元気だと、 申し訳なくなる 逆だったら、 空元気でもがんばるのに あとで居眠りをしちゃうかもしれないけど 君がつらいとき、僕が楽しいと、 申し訳なくなる 逆だったら、 どんなことも乗り越えられる勇気が湧いてくるのに あとでひとりで泣いてるかもしれないけど 君さえいたら、 つまん

          君と、お揃いだったらいいのに|poem27

          あるいは天啓|poem26

          君の声は僕にとって、神様の声 天啓をください 終わりのない暗い夜を照らす 星々の輝きによく似た、神様の肉声 教会のパイプオルガンのように 無限の祝福を響かせて 君の言葉は僕にとって、神様の言葉 天啓をください 迷える子羊を教え導く 世界中でベストセラー間違い無しの名言集 黄金の言葉たちが 永遠の後悔に終止符を打つ お願いです もっとあなたの声を聴かせてください 天啓をください

          あるいは天啓|poem26

          夜九時半に「飲み会が入った」って|poem25

          夜九時半に、連絡が来る 「飲み会になった」って 私は、夕ご飯を流しにぶち込めるほど バカな女じゃないけれど そういう日に限って、 お刺身を買ってきたり 大きくて色が綺麗な方を、 あなたに取って置いてたり そういう日に限って、 あなたが好きで、私が好きじゃない、 サーモンが入っているのを選んだり そういう日に限って、 とても美味しそうにぱりっと鶏肉が焼けたり 分かってる お刺身は私が今日二人分食べればいいし 鶏肉は冷蔵庫に入れて明日食べればいいって あなたの妻ですも

          夜九時半に「飲み会が入った」って|poem25

          数年ぶりに電話してみたら、ベイビー誕生|poem24

          数年ぶりに電話してみたら、 結婚してて、 後ろで赤ちゃんの泣き声が聞こえる そんな、そんなエンディングは とてもイヤだとおもったので 決死の思いで、告白した 30まで、いい人いなかったら、 試しに付き合ってみませんか?って 彼女は言った 30まで待てないので、付き合ってください って

          数年ぶりに電話してみたら、ベイビー誕生|poem24

          犬派な彼女と、猫派な僕|poem23

          「犬が好き」 彼女は言う 「僕は猫派なんだ、知ってると思うけど」 僕は答える 「君は犬みたいだね」 彼女は聞いてないみたいに続ける 発車のベルが鳴って、 僕は途端にパブロフさん家に居候する 「連絡、まってる」 淋しさに負けて、僕は忠犬のごとく言う ほんとうはいつだって 猫のように生きていたいのに 芸の一つもできない僕を、 駄犬と罵りもしないで、 「またね」と彼女はヒールを鳴らす

          犬派な彼女と、猫派な僕|poem23

          あなたはブルーオーシャン|poem22

          あなたは、ブルーオーシャン 我ながら、見る目があったと思うんだ そう言ったら、あなたは レッドオーシャンになれるように がんばろうと思うよ、って いつもののんびりした口調で そう言ってくれた いいの あなたは そのままで わたしだけのブルーオーシャン

          あなたはブルーオーシャン|poem22

          ぜつめつきぐしゅ|poem21

          男と2人でいて トイレに行く時に スマホを置いていく君 ぜつめつきぐしゅ 夜も更けてるのに 終電の時間もろくに調べない君 ぜつめつきぐしゅ わざとやってるのかな? いや、たぶん違う きっと君のスマホは、 君の誕生日なんかじゃ開かない ましてや 彼氏の誕生日なんかじゃ開かない 終電の時間は正確に記憶されていて、 脳内では緻密なタイムアタックをしてるんだ 嘘をつく嘘つき 君は、ぜつめつきぐしゅ

          ぜつめつきぐしゅ|poem21

          ヤマアラシの孤独|poem20

          そばにきてほしい ぼくの針の内側まで かきわけて 血を流して ここまできてほしい あなたの体温 あなたの怠慢 あなたの欺瞞 教えてほしい 魂がつめたいんだ 針が獲物を求めてるんだ あたたかい血が欲しい 誰でもいいからこのジレンマを いっしょに抱えて 生きて欲しい

          ヤマアラシの孤独|poem20

          遠距離恋愛|poem19

          ライブの時だけ三次元になる アイドルみたい 三日間現実だったあなたがまた、 スマホの中の人に戻っていく 触れないし、匂いもない 残ったのは 遺品みたいな、パジャマだけ 匂いはあるから、いんだけどね そっと、自分の腕を撫ぜる 隙さえあれば、あなたの腕に触れていたから 致し方なく、眼前の腕を撫ぜる

          遠距離恋愛|poem19

          二匹暮らし|poem18

          冷蔵庫に、 自分のしらないものが入ってるワクワク感 じぶんで買ったデザートと、 同居人が買ったデザートのわくわく感は 全然ちがうとおもう 朝起きて、低血圧なので、 まずしばらく床でねむる でも、あなたは許してくれる 最初の頃は動物みたいだなんて言って、 写真を撮ったりしてたけど バイバイを言わなくなった おかえりを言うようになった テレビをあまり見なくなった 代わりによく、 掃除をするようになった 風邪になったら、 いつもよりあなたが優しい

          二匹暮らし|poem18

          マカロン|poem17

          ちょっと高級なマカロンを買った フランボワーズとピスタチオ これが私のお気に入り あなたはキャラメルと、 季節限定の和栗を選んだ 我が彼氏ながら良い趣味しておる ちょっと茶色いけど 4つのマカロンは ぜんぶはんぶんこした あんのじょう粉々になったけど、 フランボワーズはすばらしかった 我ながら良いセンスしておる 次に和栗を食べたけれど、 これはちょっとイマイチだった 苦いかんじがした あなたも普通と言っていた 続いて、キャラメルを食べたら、 和栗の味がした あな

          マカロン|poem17

          痴話げんか|poem16

          『短くていいから、返事してよ』 「飲み会の時にスマホいじってるやつ嫌いなんだよ」 『返事くれなくていいから、既読だけはつけてよ』 「既読つけたら、返事するの忘れるんだよ」 『既読をつけたら、忘れちゃうの?』 「ああ、タスク管理ってそういうものだろ」 「タスクなの?」 「……ごめん」

          痴話げんか|poem16