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春ですね

こんにちは、まじ子です。

前回のセフレの彼女に浮気をバラしに行った話、読んでくれた方ありがとうございました!!

そして感想もくださった方、本当に嬉しいです。ありがとうございます。そのときの自分の感情を思い出してただひたすら書き殴っていただけなのですが、たくさんお褒めの言葉を頂けて本当に嬉しい限りです…!!


季節はもうすっかり春ですねぇ。

気温も暖かくなり、昼間は上着なくても外歩けるくらいポカポカして気持ちいい風が吹いています!

桜もちょうど満開の時期。

桜の木の下で座ってコーヒーを飲んだり、お弁当食べたり、BBQしたり、素敵なカメラで写真を撮ってる人を沢山見かけました。私も夜桜を見ながらビールを飲みました。いいですよねぇ、この季節。

桜って、毎年咲いているのに、毎年つい写真を撮っちゃいませんか?

毎年同じような写真ばっか撮ってるのに、満開の桜を見るとついカメラ構えちゃうんですよねぇ。

そのくらい、いつ見ても美しくて綺麗で、儚い。


まるで恋みたいですね。






20歳の頃、季節は春。

桜は満開から少しずつ散っていき、地面にはたくさんの桜の花びらが落ちていました。

もったいない、でも花びらも可愛いなぁ。

なんて思いながら、いつもの川沿いの散歩コースを犬と散歩していました。

この時期に犬を散歩させると、いつも鼻に花びらつけてこっちに寄ってくるんです。

可愛いなぁ、と思いながらいつもまた毎年同じ犬の写真を撮ってしまいます。


いつもの散歩コースの、川沿いの芝生が生えた小さな公園に、ベンチが置いてあります。

そこに、一人の男性が座っていました。

いつもは人が通り過ぎても特に気にしない犬ですが、その男性が目に入ると真っ先に駆け寄っていき、撫でて!撫でて!というように擦り寄って行きました。

「あー!すいません…!」

急に寄っていってビックリさせたかなぁと思うと、

「全然大丈夫ですよ。可愛いですね!」

そう言って笑顔で犬を撫でてくれる男性。

綺麗な黒髪に優しそうなタレ目、高い鼻に白い肌。

歳は20代前半くらいで、春らしいトレンチコートを身にまとい、とてもオシャレな雰囲気でした。

川沿いの緑の芝生とベンチに座ってるのがこんなに絵になる人、初めて見たなぁ…とか思いながら、優しそうな笑顔と穏やかな声にとても惹かれました。

少し、男性と話をしました。

「ワンちゃん可愛いですね。トイプードルですか?」

「トイプードルです!1歳になりました。」

「へぇ!まだ子供ですね!女の子ですか?」

「女の子です!」

何気ない会話をし、そろそろ立ち去ろうとするも、一向に男性から離れようとしない犬。

「あー…どうしよ…すみませんなんかめっちゃ懐いちゃって…」

「あはは、いいんですよ。犬大好きですから。僕も一緒に散歩しようかなぁ。」

そう言って、そのまま2人(と犬)で散歩をする展開に。

ええなにこれこの少女漫画みたいな展開…………

胸を躍らせる私。

犬のこと、お互いの話を少しずつ話しながら散歩しました。

そして、家の近くまで来ました。

「あ…じゃあそろそろ…散歩付き合っていただきありがとうございました…!!」

「いえいえ、とんでもないです。ワンちゃんに癒されましたし、お姉さんともお話出来て楽しかったです。いつもこの辺を散歩されてるんですか?」

「そうですね。基本は母が散歩してるんですが、毎週月曜日のこの時間だけは私が散歩しています」

「そうなんですね。じゃあ、来週月曜日、またこの時間にあのベンチに座ってまたお姉さんとワンちゃんと会えるのを待ってますね」


そう言って、そのまま別れました。

とても、気分が高揚していました。


本当に素敵な人だった…こんな少女漫画みたいな出会い方したの初めてだし、少女漫画に出てきそうなくらいかっこいいお兄さんだった…

来週、また絶対散歩行こう。


そして、次の週の月曜日。

雨が降っていました。

雨が降っている日は、基本犬の散歩は行かずに家でゆっくりしています。

どうしよう、お兄さんと約束したのに……でも雨だし、お兄さんもいないかなぁ。でももし居たら…雨の中犬連れて歩けないし……

いや!でも!私がお兄さんに会いたいんだ!!


結局、犬を連れずに雨の中自分一人で公園のベンチに向かいました。


そこには、誰も座っていませんでした。


まぁ、こんな雨の中にベンチ座って待ってるはずもないよね、そりゃそうだよ。

そう思い、Uターンして帰ろうとすると、

「あ、やっぱり来てくれたんですね。良かった。今日はワンちゃんいないんだ。てことは散歩じゃなく僕に会いに来てくれたんですか?僕もお姉さんに会いたかったから、雨の中待ってました。」

そう言って微笑む、お兄さんの姿。


ああ、胸が高鳴る。



これが、出会いの春かぁ。



そう思った、20歳の春でした。












全て妄想です。




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