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バターロールのハムサンド

急に思い出したので書いておく。

小学校に入ったばかりだったと思う。
帰宅すれば母親がいつもいた。

しかしその日は母親の用事があるらしく家にはいないと伝えられた。
帰ってきたら近所のゆうちゃんの家に居させてもらってね、とのこと。
おやつを用意してゆうちゃんの家に預けておくから。

どうやらゆうちゃんの家の人に話は通っているらしい。

ゆうちゃんというのは同学年の隣の家の女の子だ。


下校時間、ゆうちゃんと一緒に帰った。
そのままゆうちゃんの家に。

しかしゆうちゃんの家には誰もいない。

玄関のドアの前にはケーキを入れるような箱が置いてあって、スヌーピーの便箋に自分の母親が書いたメモがあった。

「おやつです、ゆうちゃんと一緒に食べてね」

バターロールのハムサンドが4つくらい入っていた。

ゆうちゃんの家に誰もいない事と、なぜかおやつがドアの前に置いてある事。
 パニックになってしまい2人とも泣いてしまった。

どちらの考えかわからないが近所のまりちゃんの家にむかうことになった。

まりちゃんの家は僕ら2人を受け入れてくれて母親たちが、帰ってくるまで厄介になった。

トミカの立体駐車場で遊んだのを覚えている。

なぜゆうちゃんの家に誰もいなかったのか?
なぜおやつが玄関ドアの前にあったのか?
母親の用事とは何だったのか?

今となっては確認しようがない。

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