見出し画像

売れ筋商品はこうして生まれてきた。エヴェッサ×オリックス×セレッソのグッズ担当対談!

<掲載日:2018年11月12日>

※こちらは過去に実施した舞洲Voiceのインタビュー記事になります。

大阪エヴェッサ、オリックス・バファローズ、セレッソ大阪の3チームのグッズ担当による対談。前編では、現職に至るまでの経緯や、グッズ製作の知られざる過程を明かしていただいた。
そして後編では、グッズ製作にまつわるエピソードを深掘りし、更には3チームのコラボグッズの企画アイデアも飛び出す。

Jリーグ初。優勝を決めた直後にその場で記念グッズを販売

—今まで販売したグッズの中で印象的なものがあれば教えてください。
セレッソ・浅田:セレッソは昨年、初めてルヴァンカップでタイトルを獲ったのですが、トーナメントを勝ち進むにつれて優勝記念グッズの準備をしなければなりませんでした。
ただ、決勝で負けたらそこで終わりで、グッズを売ることもできなくなります。過去に優勝したチームを見ていると、優勝記念グッズは結果が出てから受注販売している例が多かったです。

それでも私たちは事前にグッズを製作して、決勝が行われる埼玉スタジアムに持って行きました。ヒヤヒヤしながら試合を見ていましたが、結果的に初優勝を達成して、そのまま会場でグッズを売ることができました。
優勝してその場で記念グッズを売る例は、セレッソが初だったそうです(笑)。その時に、ファンの皆さんが欲しいタイミングで商品を売る大切さを知りましたね。持っていった在庫はすべて売り切ることができました。

画像6

画像5

オリックス・大倉:トーナメントとなるとかなりリスクがありますよね。リーグ戦ならマジックが出て、ある程度優勝するかどうかが見えてくるのですが。

オリックスは2014年にリーグ最終戦で優勝を逃してしまって、逆に優勝記念グッズを売ることができなくなってしまいました。その時は優勝が決まった段階で、一晩でできるだけ多くグッズを製造して、翌日に販売するという形に決めていました。リーグを優勝すればその後に日本シリーズもあるので、そこでも販売できるように準備する予定でした。

セレッソ・浅田:野球のスピード感は凄いですよね。何かあった翌日や翌々日には、記念のグッズが出ている印象があります。

オリックス・大倉:例えば150奪三振の記念グッズを作るのであれば、日付を書かないであらかじめ用意しておいて、達成したらすぐに販売することはあります。このように達成系は準備がしやすいのですが、突発的に何かあると難しいですね。

—順位はもちろん、昇格や降格によっても売り上げは大きく変わるのではないでしょうか?

セレッソ・浅田:2015年にJ2に降格した時は、売り上げが20パーセントから30パーセントくらい下がりました。ただ、フォルランや山口蛍などの看板選手が残っていたので、アウェイでのグッズの売り上げは凄かったです。

地方の方が、有名選手が地元に来るという理由で見に来てくれて、記念にグッズを買ってくれていたのだと思います。アウェイでの年間売り上げはJ1の時よりも高かったですから(笑)。

想定外の売れ行きを見せたマスコットグッズや吉田正尚のダンベル


—予想外に売れた商品はありますか?
オリックス・大倉:今年、吉田正尚がプロデュースした応援に使うダンベルを販売しました。もともと彼は筋肉質な身体をしていて、そういった切り口のグッズを作ってほしいと本人から希望があったんです。形にするのに手惑ってしまい、シーズン途中からの販売となってしまいましたが、1カ月足らずで完売しました。

画像4

画像3


値段も1,000円で販売したものの、本来であればもう少し高く販売しなければいけない商品でした。正直、本当に使ってもらえるのかも分からなかったですが、本人もノリノリだったので勢いで作ってみたところ、爆発的に売れましたね(笑)。すぐに在庫がなくなってしまい、他球場からも問い合わせがあったので、もちろん再入荷しました。

エヴェッサ・森:選手から提案してくれるのは良いですね。

オリックス・大倉:提案されても、それを実現できなかったら顔が立たないですけどね。ダンベルはかなり苦労しましたが、結果が良かったのでありがたかったです。

エヴェッサ・森:エヴェッサは今までベーシックなものしか作ってこなかったのですが、スケジュール帳を作ることになりまして。試合日程と選手の誕生日が入っていて、試合記録も書けるものを各選手の背番号別のデザインで販売したところ、多くのファンにご購入いただきました。

画像2

最近ではスマートフォンのアプリでスケジュール管理をされている方が多いので、本当に売れるのか心配がありましたが、思っていたよりも売れて安心しましたね。

セレッソ・浅田:セレッソは以前からマスコットキャラクターのグッズをあまり作っていなかったのですが、最近になって作ってみたところ、いずれも完売して再入荷する形となりました。
被り物も作ったのですが、正直そこまで売れると思っていなかったので、オリックスさんと同様に価格帯を少し下げて販売しました(笑)。選手や可愛らしい女性の方に被ってもらって宣伝したところ、1日か2日で完売して今も定番商品として販売しています。

ブランドや企業とのコラボが大きなチャンスに


—サッカーや野球のファンはユニフォームを着て応援することが多いですが、バスケットボールのファンはTシャツを着て応援しているイメージがあります。

エヴェッサ・森:チームにもよりますが、エヴェッサのファンでユニフォームを着ている方は少ない方です。メーカーが単年で変わることもありますし、それによって金額が変動することもあります。

エヴェッサのチームカラーは黒・赤・金の3つがあります。昨年は黒と赤で2種類のTシャツを用意したのですが、黒よりも赤のほうが観客席で目立つこともあり、赤の売り上げが高かったです。

観客席はユニフォームではなく、Tシャツを着たファンで埋め尽くされている会場が多い印象です。

画像7

画像9


—ブランドとのコラボグッズを作成することはありますか?
セレッソ・浅田:そこまで多くはないですが、ブランドさんからお声がけいただいて作るケースはあります。セレッソとそのブランドのイメージが合うか、試行錯誤しながら作っています。

エヴェッサ・森:チームに依頼が来るというよりは、まずはBリーグに依頼が来て、その後に各チームが参加するかどうかを話し合うことはあります。

オリックス・大倉:野球の場合も、例えばパ・リーグに所属する6球団でまとまってブランドとコラボするケースがあります。最近でいえばミニオンがかなり売れています。

セレッソ・浅田:ミニオンはユニバーサル・スタジオ・ジャパン(USJ)のキャラクターなので、大阪という土地柄もあってセレッソでもコラボしました。

オリックス・大倉:オリックスで一番売れているのはPontaですね。ユニフォームパンツスポンサーとしてスタートしたのですが、バファローズポンタというコラボキャラクターが生まれて、グッズやTwitterアカウントが人気を得ています。

セレッソ・浅田:BsGirlsというグループも作っていましたよね。

オリックス・大倉:エイベックスさんと共同でダンス&ボーカルユニットを作ったのですが、そちらのファンの方もいるのでグッズはかなり売れます。オリックスの選手別のグッズ売り上げを見ると、選手ではないもののBsGirlsで一番人気な子が上位に入ってくるんですよ。

3チームのコラボグッズが生まれる可能性も!?


—今後、クラブの垣根を超えてコラボグッズを作るアイデアはありますか?

セレッソ・浅田:せっかく舞洲プロジェクトという形で3つのチームが繋がっているので、何かアイデアを出し合って作ることができたら、という想いはあります。いきなりエッジの効いたものを作るのは難しいかもしれないですけど(笑)。
定番のアイテムでも良いので、各チームのカラーを取り入れたグッズを作ってみたいですね。舞洲プロジェクトのことをファンの方から話題にしていただくこともありますし、徐々に認知されてきているので、喜んでくれるのではないでしょうか。

エヴェッサ・森:舞洲という土地でこういった縁があるので、どこかのタイミングでコラボできたら面白いのではないかと考えています。

オリックス・大倉:3チームのカラーを全て使ったキャップを作ってみたいですね。フロントに大阪を文字で主張したデザインを持ってきて、周囲に3チームの色が散りばめられていたら、なにわっ子の心がくすぐられる気がします。

セレッソ・浅田:4月にエイプリルフール企画がありましたが、例えばエヴェッサのユニフォームに柿谷曜一朗の名前を入れて販売するなど、何かのイベントと連動してコラボすることができれば面白いと思っています。




この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?