上海ディズニーランドの仕組みレポ

【レポ】上海ディズニーの仕組みと裏側を真面目に考えてみた(アトラクションの配置編)

唐突ですが、GWにぷらっと上海に行ってきました。


よっぽどのグローバル人材でない限り、だいたいの人は

「上海って何があるの?あの丸いやつ?」

って感じだと思いますが、私も行く前はだいたいそんな感じでした。


で、その際に、調子に乗って世界最新のディズニーランドだという「上海ディズニーランド」に行ってきたので、

そこで私が気になった「ディズニーランドの仕組み」を淡々と書いていこうと思います。



※ちなみに前提として、私自身は映画祭などのイベントを主催していて、

いろんなイベントやテーマパークで自分のイベントに役に立つ演出がないかを探している物好きです。


なので「世界中のディズニーランドを制覇してるぜ!」「ディズニーのことならなんでも聞け!」みたいな猛者達にはまったくかなわないです、いやほんとに。

なので「並ばなくてすむアトラクションの回り方!」とか「チケットの取り方!」みたいな話はここにはないし、ていうかむしろ間違えてめっちゃ並んだし、

なんなら最後までファストパスの取り方わからなかったし、チケット取るのすら苦労したし、普通に行かれる方に参考になる情報は一切ないことに自信があります。胸を張れます。


というわけで、この記事は

「演出やテクノロジーに興味がある!」

「自分でやってるイベントの参考にしたい!」

「クリエイティブにまつわる小ネタが大好き!」

みたいな、私と同じ物好きの方々に届けば自分はたいへん本望です。そこんとこ何卒よろしくお願いいたします。


※予めですが、ここに書いていることはあくまで個人の見解&予想であり、公式発表とは異なります。そしてやたら長文になりましたが、良ければ最後までお付き合いください。



まず、上海ディズニーの全体マップはこんな感じです。


わかりやすくエリア分けをするとこんな感じなんですが


これ、つまりこういうことになっていそうです。



エリア名が英語だとわかりにくいので、直訳してまとめるとこんな感じ。



おそらくですが、ゲストに違和感なく別のエリアに移動してもらうために、

時系列とテーマがグラデーションになるようにエリアを配置してあるのかな?と思います。


※トゥモローランドのSFみたいな建物の隣に、いきなりアドベンチャー・アイルの鉱山トロッコがあったら冷めるもんね。



ちなみに、個人的に気になったのがここ。


アメリカ西部開拓時代は1860年代~1890年代、

大航海時代は1400年代~1600年代で、

実際の現実世界での時系列とは、逆に配置されているんですね。


で、これは予想なんですが、



アドベンチャー・アイル(冒険島)
→現実の西部開拓時代をモデルにした世界

トレジャー・コーヴ(宝のある港)
→パイレーツ・オブ・カリビアンに出てくる骸骨の海賊などがいる世界

ファンタジーランド(空想の世界)
→空想上のものが存在するエリア



という世界観なので、グラデーションとして

「トレジャー・コーヴ(宝のある港)」と「ファンタジーランド(空想の世界)」の相性の良さを優先した結果、時系列が逆になっているのかな?と思います。



それから、もう一つ気になるのがこっち。


「トイストーリーランド」は2018年4月に出来たばかりの新しいエリアなので、

おそらく「作ることは決まったけど、どこに作るよ?」という議論があったと思うのですが、

「おもちゃ達が動く世界」という世界観上、確かにファンタジーランドの近くに作るのが一番違和感がなさそうですが、

問題は「ファンタジーランドのどちら側に作るか?」ということで

最終的にトゥモローランド(明日の世界)寄りの場所に配置してあるのは、エリア全体の相性に加えて、

トゥモローランドに、既にトイストーリーのアトラクション(バズライトイヤー・プラネット・レスキュー)があるから

ではないかと思います。いや、本当にたぶんですけど。



実際、トイストーリーランドを抜けてトゥモローランドに入り、「バズライトイヤー・プラネット・レスキュー」が見えてきても

距離が近いので「バズ、お前、ここにもいるのか...?」的な違和感はほとんどなかったです。


なので、新しいエリアやアトラクションも、既にあるエリアやアトラクション、世界観を踏まえた上で配置されてるんだなぁと。恐ろしいぐらい、大変そうな(でも楽しそうな)企画会議ですよねほんと。。


そして、ちなみにこのエリア分けの仕組み(時系列・テーマ別)自体は、

ディズニーランドファンの間ではけっこう知られている話らしいのですが、

それとは別でもう一つ気になったのが、

「上海ディズニーランド、アメリカっぽさが一切ない!!!」

ってことでした。いやもう本当に徹底している。


どういうことかというと、上海ディズニーランドを含めて世界には6個のディズニーランドがあるらしいんですが、

そのうち初期のパークには、「アメリカ」をテーマにしたゾーンがいくつかあったりします。


例えば、アナハイム(カリフォルニア)の最古のディズニーランドの「ニューオーリンズ・スクエア」は、
その名の通り、ジャズで有名なアメリカ・ニューオーリンズの街並みがモデルだったり


日本でもおなじみ、ビッグサンダー・マウンテンのある「ウエスタンランド」(他のランドでは「フロンティアランド」)は、
アメリカ西部開拓時代がモデルだったり


もはや名前にそのまま国名が入ってる、アナハイムの「メインストリート・USA」(日本だとワールドバザール)とかもあったりします。


が、上海ディズニーランドは

アメリカらしさを感じるエリア・アトラクションが一切ない!!!

その代わり、違う名称やコンセプトに変えて組み込まれていました。リストにするとこんな感じです。


ウエスタンランド/フロンティアランド
→アドベンチャー・アイル

ニューオーリンズ・スクエア
→トレジャー・コーヴ

メインストリート・USA/ワールドバザール
→ミッキー・アベニュー


特に気になるのが「アドベンチャー・アイル」。

あまりアメリカ的な娯楽が好まれないと言われるヨーロッパのパリ・ディズニーランドでも類似のエリアには「フロンティアランド」の名称が使われていることを考えると、
上海についてはかなり徹底してアメリカ的な要素を排除しているような気がします。


※ちなみに、香港のディズニーランドも、類似のエリアには「グリズリー・ガルチ(ヒグマの峡谷)」という別の名称がつけられているみたいです。


新しいパークになるにつれて、「アメリカらしさ」を消しているのか、国の特性に合わせて名称を変えているのかはわからりませんが...でもどっちものような気がします。。


そういうわけで、本当は1記事で終わるつもりだったのにめちゃくちゃ長くなってしまって自分でも動揺しているんですが、次回は個別アトラクションのテクノロジー・演出編をお届けしようと思います。

ここまで読んでいただき、ありがとうでした!

読んでいただき、ありがとうございます!