見出し画像

2:浮気の証拠を一切、残さない。リスク管理として、メールをしないオトコ

彼は、メールを一切しなかった。

LINEもしない。

付き合い始めてから、

1年が過ぎても、メールアドレスすら、教えてくれなかった。

「メールとか、本当に苦手なんだよ。」

極度のデジタル音痴なのかと、思っていた。

おじさんだし。


とにかく、私が一方的にショートメールを送る。

それが、彼との連絡手段。

なぜなら、不倫だから。


あとで分かった。

デジタル音痴じゃなくて、リスク管理として、彼はメールをしないということを。

奥さんに対してだけでなく、

私に対しても、

「文字で残す」こと自体が、大きなリスクだと、彼が言った。

「みんな、分かっていないんだよ。文字が残ると、後でごまかせなくなる。」

さすが、徹底している。

彼は、有名人。

私の他にも、複数の愛人がいるらしい。


恋人だけど信頼されていないようで、

虚しい気持ち。

「私のこと、まだ信用してくれないの…?」

彼には言えない、心の声。

恋するオンナの弱み。

彼のことが、好き過ぎて…。


絶対に返事をしない彼に、

いつか絶対に私にだけは返事させてやる!

と、メールで放置プレイをされ続けながら

心の中で、私は誓った。



いつも応援してくださり、ありがとうございます。 サポートしていただけると、とてもうれしいです。