昔の彼

飲み掛けの缶ジュースを片手に
彼はこう呟いた。

ずっとこうして二人で笑って過ごせたらいいのに。

その言葉を最後に彼は私の隣から居なくなった。

ドクターペッパーが大好きだった彼。
放送作家になるんだ。と目を輝かせ頑張っていた彼。
この世で一番大好きだと伝えてくれた彼。

なぜ人は
あんなにも、暖かく、甘い言葉を注入して消えてしまうのだろう。

全ていい思い出だったわけじゃない。

思い返せば嫌な思い出も沢山ある。

はずなのに。

失った後に思い出すのは
いい事ばかり。

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