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おすなばでのふたりのゆめ

「『まちくじら』って、さくらちゃんはしってる?」
「まちくじら?」

わたしは、にのまえさくら、ごさいです。
そしてわたしに、まちくじらのおはなしをしたのは、いちのせしゅんくん。 
おなじようちえんで、いちばんのなかよしです。
いっしょに、おすなばであそんでいると
『まちくじら』のおはなしをしっているかきかれました。
わたしは「しらないよ。なあにそれ?」とこたえました。
しゅんくんはいいました。
「あのね、くじらだけがすんでるまちが、うみのなかにあるんだって!!」
「くじら、だけ?」
「うん!」
「しゅんくん、くじらすきだもんね!」「うん!でも、だれもみつけてないからほんとかしらないけど、ぼくはあるっておもう!」
「うん!わたしも、あるとおもう!
でも、うみはすごくひろいから、たいへんだよね~」
「うん、いまのぼくにはむりだけど、おおきくなったらぜったい、まちくじらをみつけるんだ!おとうさんが、いってた。ゆめはかなうって!」
「わたし、おうえんするね!」
「うん!みつけたらさくらちゃんに、いちばんにおしえるね!」
「うん!」
「さくらちゃんは、なにかゆめはある?」
「わたしは・・・おはなやさん、かな」

ほんとは、しゅんくんのおよめさん、なんてはずかしくていえないです。


#シロクマ文芸部


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