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2024.6.19 怪物は結局一緒になれないのか
大好きなミュージカル『オペラ座の怪人』の映画版が再上映されている。
20年前(!?)の上映当時は両親だけで観に行ってサントラとパンフレットを買って帰ってきた。
私は音源を聞いてドはまりしてさんざん聴きこみ、パンフレットを読み込み、その後TV放送されたのを録画した映像も見まくってたけど、映画館では見ていない。
最寄りの映画館ではなぜか目玉の4K上映はされてなかったけど、夫にも見て欲しかったし、今は見られるサブスクもないみたいだし、レイトショーなら少し安く見れるし……といろいろ理由をつけて観に行った。
先週もバレエ観たばっかりでもったいなくないか……という葛藤がずっとあったけど、観てみたらやっぱりすごくよかった。
映画館だと音の迫力が入ってくる感じが最高だった。素晴らしすぎる音楽に体ごと浸れた。
大人になってからはほとんど観てなかったから、物語に抱く印象も全然変わっていた。
子供の頃は怪人の方に感情移入していたけど、今回はクリスティーヌの立場も想像しながら観た。
ラストシーンでは顎からぼたぼたしたたるくらい泣き続けて、エンドロールは初めてちゃんと見た歌詞が辛くてまた泣いた。
少し落ち着いてから夫に感想を聞いたら、「怪人が女々しいのが気になった」だったから笑ってしまった。そこかい。
同性として心情を想像するからより厳しいんだろうか。
まあミュージカルだから諸々端折ったり改変したりしてるせいでよけい変に諦めが悪く見える部分もあるだろうけど、私はこの育ちだったら理解できると思っていた。
「プライドが高すぎる」とも言っていて、それもまあ確かにそうだけどなあと思った。
怪人に音楽とかの才能があったから、クリスティーヌの才能を育てられて、彼女が自分の音楽の才能に応えられる歌手になったから、お互いに救われて、お互いが唯一無二の特別な存在になった。
不遇な運命でものすごい孤独な境遇にあっても、特別な才能があったことだけが救いになってなんとか自分を支えてただろうから、それだけプライドが高くなってオペラ座の人たちに不遜な態度をとるのも理解できる。
シザーハンズも、怪物のような孤独な男が美しい若い娘と出会って愛し合うようになるけど、結局最後は現実世界の人たちに阻まれて離ればなれになり、その後も男が娘をずっと思っていることが示唆されているような終わり方をする。
一度でもお互いの愛を実感できただけでも恵まれてるだろうけど、お話であってもそこはハッピーエンドになれないのか、というのが悲しい。中途半端に感じる。
その点では美女と野獣は結ばれる結末だけど、あれは魔法が原因で「解ける」ものだからハッピーエンドになれたのか???だとしたらつらい。
今回、ストーリーに関してはそうやっていろいろ思うところがあって発見だった。
それに、改めてみてみると、美術や衣装、全体的なトーンの雰囲気とかがめちゃくちゃ素晴らしくて、4Kで見られなかったのは残念だけど、逆にちょっとぼやけた感じがこの世界観のひとつになっていた気がして、すごくよかった。
舞台でみるのもいいけど、やっぱり映画版はそういうところまで細かく楽しめるのがいいなあと思った。
バレエでも実感したけど、私は生より映像派だな……
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