#2.2 レンズの効果 焦点距離や絞り・空気感
前回から結構な日が経ってしまいましたが、今回はレンズがもたらす数々の効果についてお話していきます。
まずは、なぜ数多くの方が外部ツールを取り入れて撮りたくなるのか、その最たる理由として[ボケ]だと思っています。
背景がボケた写真は現実味があり綺麗に見えて素敵ですよね、フレンドとの思い出の写真やポートレートでパシャパシャ、わぁ~綺麗! 分かります・・・分かりますよ!いい感じに撮れた時のあの感じ、たまりませんよね!
ただそんなボケにも段階が有って、注意点だったり使い分けする事によりもっと撮影の幅が広がるので今回はそこに触れていきます。
絞り値(F値)による被写界深度の違いと焦点距離の関係
まずは絞り開放から全絞りまでの画像を見て頂きます、分かり易くする為所々間の値を省いています、全て同じ場所から撮った画像です。
F1.4
F4
F8
F22
これを見るとF値が小さい程ボケているのが分かります、そこで最初にやってしまいがちな事が「とりあえず小さい値で撮ればボケるし開放でいっか!」「ズームとか良くわかんね、とりあえず超望遠のテレ側や引きいっぱいのワイド側にすればいいや!」の極端な設定です。
開放で撮る場合、ボールを見て頂いて分かる様にあの小さいボールの二列目から既にボケていますね?これは被写界深度が浅いために二列目にピントが合っていない状態と同じ事になっています、これをボールではなく人物に例えるとどうなるでしょうか?
開放の場合、真正面から撮らないと画像がぼやけてしまう原因になります
勿論、これを応用して斜めから撮って片目だけピントを合わせている等のポートレートや物撮り等も有ります、ですが通常で使用する場合開放やF2辺りで撮る事はこう言ったリスクがありますのでそれを踏まえて撮影に挑みましょう。
因みに私が良く使うボケを取り入れた人物を撮る際のF値は焦点距離にもよりますが大体F2.8~F4、たまにF8です。
今チラッと焦点距離にもよるとお話ししましたが、焦点距離とボケって何か関係あるの?と思った方もいらっしゃると思います、その方の為にこういった画像を用意しましたのでご覧ください。
焦点距離12mm F値1.4
焦点距離35mm F値1.4
同じ場所から同じ絞り値でピントはセンターのボールに合わせています、焦点距離のみを変えた画像なのですがこれが何よ?って方、背景を見て何か気が付きませんか?そうです
同じ絞り値でも焦点距離が変わればボケ量も変わる
これですね、なのでワールドと人物を一緒に取り入れたい場合やポートレートを撮る際は焦点距離で画角を確保し、絞り値で被写界深度をコントロールする事が大切です、1.4~22と値に段階があるのはその為なんですね。
実際のカメラでは絞り値は露出の三角形の一つで明るさに直結するのでもう少し複雑で、他にも段と呼んでいたりしますがボケに関する事自体は同じなので覚えておいて損は無いです。
次はワイドやズームの焦点距離についてお話します。
写真を撮る際に「あ~これ入りきらねーからもうちょっとワイドにしようか・・・」「他が余計だからズームでここだけ写そうか・・・」みたいな事って有りますよね。
何気なく使っているワイドやズームですが、それに付随して起こる現象が有ります、それが
レンズの圧縮効果とパース
こちらはチラッと聞いた事があるかもしれません、では具体的にどういった感じのものなの?何に使えるの?と言う事ですよね。
どちらも[遠近感]に関わる事で、ワイドになればなる程に遠近感が強調され、テレ側になればなる程に遠近感が圧縮されて少なくなる現象です。
実際に画像を用意しました、消失点へ向かう三角形の鉄骨部分や足元の通路を見て頂くとその違いが良く分かります。
焦点距離12mm
焦点距離135mm
同じ消失点へ向かう写真ですが、全く違う絵と言っても良い位に変わりますね、これを言葉で表すと
パースを効かせるとダイナミックな表現が可能に、圧縮効果を効かせると世界観を閉じ込めた箱庭の様な表現が可能になります
下から煽って撮ろう!いろんな角度から撮ってみよう!と言う指南が出回っていますよね、何でなの?違う視点で見るからいい感じに見えるの?って思われたと思います、そこを詳しく書いている方は少ないです、何故違う視点で撮れと言うのか、それの本質はここにありレンズによる効果をより強調して出す為なんですね。
ですので焦点距離だけに目を向けるのではなくこう言った効果を狙って撮ると、より一層「自分だけの世界」を切り撮る事が出来るので積極的に取り入れていきましょう。
次は空気感についてお話します。
ここからは実際にガンガン撮られていてボケコントロールもお手の物、そこから更にもう一つ上の表現をしたい方に向けてのお話になりますので少し難しいお話になります、外部ツールを取り入れてさぁ今から!「空気感?なんだそりゃ・・・今ですらいっぱいいっぱいだよ、そんなの分かんねぇよ・・・」って方にもいずれ必ず役に立ちますので是非ご覧頂きたいお話です。
現実の写真でもそうですが、写真において空気感を出すという事は非常に難しいです、特定の気象状態・時間・場所・湿度等がかなり密接に関わってくるので難しいのですが、それはVRChatでも同じ事が言えます。
上手く撮れるとまるで空気ごと切り撮ったかの様な幻想的な絵になるのですが、それをどうVRChatで表現するのか、色々模索した結果ある程度ならコントロール出来る事が分かりました。
焦点距離を駆使して層を重ねて撮れ
これです、その場所で撮るんじゃなく離れた場所から一点を狙う事でこれが可能になります。
どういうことかと言いますと、ワールドには霧やレンブラント光など様々な物が重なって見えていて、遠くから見ると霞んで見えたり幻想的ですよね、それを利用します。
望遠でこの重なり状態を切り撮ると、画像全体がほんの少し、空気自体に色が付いているように見えるんですね、そこに構図を合わせて切り撮ると空気感を出す事が可能になります。
これを濃くする事で「エアリーフォト」と呼ばれるふわふわした印象の写真や、薄くする事で澄んだ印象の絵を表現する事が出来ます。
レタッチでもある程度の空気感は表現できますが限界がありますし、白飛びや黒つぶれの救出等出来ない事も多いです、ですから最初に「撮る際の環境が何よりも大切」なのでこれは絶対に覚えておいてください。
今回はレンズの効果についてお話しましたが、次回はこれらを踏まえた上で構図のお話になります。
なぜ最初に構図の話をしなかったかと言うと、撮影の種類だったりレンズの効果だったり、これらの内容が分かって初めて「ここでだったらこう撮る」と言う構図を決める事が出来ます。
ここをご覧になられている方は少なからず写真に興味が有ったりだとか、少しでも綺麗に撮りたいよね~って方が多いと思います。
写真、訳分からないけど取り敢えずお勧めされてる構図決めればいいのね!だと、分かって撮られている方の写真にどうしても差が出てしまいます、その差を少しでも埋める為に前回と今回説明させて頂きました。
ほんの少しでも誰かのお役に立てればと思いこれを書いていますが次回で三話の最後になります、中々更新頻度が少ないので申し訳ないです・・・
文才が乏しい為にありきたりな事しか書けず、正直役に立っているかすら不明ですが次回も見て頂ければ幸いです。
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