写真が得意な人と不得意な人の行動

今回は、よく動画サイトやWEB上で見かける上手い人と下手な人の違いについてのお話です。

撮り始めの頃は誰もが一度は見た事があるであろうこの内容、ちょっと検索すると世に沢山出回ってますね。
書いてある事や言ってる事は確かに・・・と思える事が大半だと思いますが、不得意の人にとっては、そう言われてもそれが出来ないから困ってるんだろ!脱却できるならそうしたいよ!センスない奴はどうすればいいんだよ!と言った感じで、頭で分かっていても具体的にどうすれば良いのか分からず困っているのが実情だと思います。
自分もセンスも無く独学で写真を学びましたので上記の方の気持ちは良く分かります、ですが写真はセンスだけではありません。
今回は難しい話を抜きにして、じゃあどうすれば不得意な人がそれを克服していけるのかを、写真が得意な人の行動を見て参考にしていきましょう。


①写真が得意な人はいきなり撮らない

写真が得意な人は現実でもVRでも、目の前の景色をいきなり撮りません。
目の前に切り撮りたい綺麗な景色があったとして、写真が得意な方はその周辺をまずはじっくり散策する方が多いです。
何故そんな事をするのかと言うと、その綺麗な景色をどこから見るのが一番綺麗か、光の当たり方や背景の色や配置だったりと、もっと綺麗に見える場所を探っています。
お前には(目の前の景色だったり被写体)ここから撮るのが一番似合うからこう撮ってやんよ!と、今見ている景色を過信せず自分が一番綺麗と思えるポイントを探していて、撮る景色を面ではなく3Dで捉えています。
なので得意な方は撮りたいスポットの周りをウロウロする事が多いです。
そして自分の綺麗だと思えるポイントが最初見た場所と全然違うので、どこから撮ったらこんなの撮れるんだよ・・・となるのです。

写真が不得意の方はこの反対で、目の前に綺麗な景色があるとその場で一枚撮りたくなって我慢できずに撮っちゃいます。
なので周りの方となんか同じような写真撮ってるな・・・なんて思われる方はこれが原因です。
そして気づく方は少ないですが、実は撮るという行為は思った以上に集中力が必要で、実際に撮ってみると撮った感でよし!満足した!と集中力が切れてしまう事が多いです。
その状態で更にもっとこっちから・・・となかなか思えないので、動いても僅かに移動するだけのパターンで終わってしまいます。
ですので不得意な方は、撮りたい気持ちは分かりますがそこをグッとこらえてまずは周辺を散策しつつ、その撮りたい欲を育ててここだ!と思える場所で最高の一発をお見舞いしてやりましょう。

②写真が得意な人は良く見てる

写真が得意な人は自分以外の写真も良く見ています。
撮るならやはり綺麗に撮りたい、それは誰もが思う事で得意な方はその向上心がハンパじゃありません。
これを撮るならこういう表現がしたいとなると世に広まっているその関連の写真を見まくります、そしてそれを吸収し自分の表現に繋げていきます。
撮った写真を他の世に出回っている写真と見比べ、どこが駄目なのかを洗い出しまた撮影、それを繰り返し自分の写真をブラッシュアップしていきます。
更に写真だけにとどまらず、絵や芸術など他の分野の知識、技術も取り入れる事でその撮った写真に独自性が生まれ、その人にしか撮れない写真になります。

写真が不得意の方は、お?なんかめっちゃエモいから一枚撮っとくか!
お~!奇跡の一枚撮れた!と言う感じで、毎回撮りたいものに対してその場のノリで終わってしまう事が多くないでしょうか?
写真が得意な方ってなんで毎回あんな凄いの出せるんだよって不思議に感じますよね、実際は上記の事をしてるんですが中々教えてもらえなかったりが現状かなと思います。
なので不得意の方にお勧めする事は、まずは自分がこれ撮りたいんだよね~って言うジャンル、これで他の写真撮ってる人や、その他で言うなら漫画やアニメ、イラスト等を探してこの人の世界観好き!を見つけてそれを真似しましょう。
いやいや・・・いきなり真似を勧めるとかどうかしてるぜ!と思われたかも知れません、ですがこれには理由があります。
自分が撮りたいジャンルをいきなり最高の一枚にする事はほぼ不可能で、更にそれが独自性を持っているなんて事は偶然か天才にしか出来ません。
好きなお手本の真似をするという事、これは自分が好きになった相手の感性を自分も近いものを持っているという事です。
ですので、その人が他に撮ったり描いたりしている作品も自分の好みだったりする事が良くあります。
自分の好きな事を伸ばす、これはよく聞きますが写真にも当てはまる事で、ずっと真似をするのではなくまず最初はその人の撮り方だったり表現を真似てみる、そしてそれが可能になった時にあなたの知識、技術になります
そこで初めて別の人の、この作品の表現良いよな~!これ前覚えた撮り方に相性良さそう、そや!これ取り入れてみよう!に繋がります。
なので真似は何も悪い事ではありませんし、最初は誰も出来ないから真似るしかない、が答えです。

③写真が得意な人は何を撮っているかが明確

写真が得意な方は、一枚の狭い範囲の中で様々な表現をするのが上手です。
この四角く狭い範囲にどうすれば自分の撮りたかったものや雰囲気を出せるのかを常に考えていて、それを表現する為に主題副題をハッキリと決めています。
例えば目の前にある景色と被写体に対して幻想的に撮りたいとなると、じゃあそれを伝える為にはこの角度から光を取り入れると良い感じに被写体に光が当たって見える、次にこの草木はこれ位写して・・・といった感じでその被写体が自分が表現したかったものに見える様に、構図だったり色使いや光等、その場で出来る事を様々な手法で主題を引き立てていきます。
被写体は主人公やヒロイン、副題はその仲間や友達と思えと仰られる方もいらっしゃいますが、まさにその通りです。
では主題より副題が出しゃばってしまうとどういった不都合があるのか。
表現したかった事が散らばってしまう為にその絵自体に安定感が無くなってしまい、これが伝えたかったんや!という言う渾身のパンチが弱まってしまいます。
これにより何かごちゃってしてて分かりずらいだったり、で結局これは何を見せたかったの・・・?と言う強烈なカウンターをもろに受けます。
なので主題副題の見せ方はハッキリと、そして時にはバッサリと切ってしまう勇気が必要で、写真が得意な方はその見極めも上手です。

写真が不得意な方はその見極めが慣れていない為、綺麗なものはなるべく多く取り込もうとしてしまいます。
副題の豪華さに主題が負けてしまう為ごちゃっとした印象、こういう雰囲気を出したいのに何か出ないしなんか違う・・・になってしまうのはこれが原因です。
写真が不得意の方は、これを撮りたいと思ったらそれが一番大きく映る様に、そして他の物を入れるのを今までより少しガマンしましょう。
え~!もっとかっこよくしたいんだけど!?と思われるかもしれません。
ですがいきなり主題副題と背景の対比を・・・なんて気にしてるとそっちに気を持っていかれてしまい自分の写真が撮れなくなってしまいます。
まずはそこから始めていって、慣れてきたら少しずつその配分を変えて行く事をお勧めしますし悪い事ばかりではありません。
少しずつ慣れて行く事で、その主題や副題の大きさによって与えるイメージが違うという事を掴めます。
こういう時はこう撮るとこんなイメージになるって言うのが自分の経験によって知識と技術に蓄えられていくので、自分が表現したいイメージで撮りたいんだけどなかなか難しくて・・・な方は試してみる価値はあると思います。

④写真が得意な人は行動力と忍耐力がハンパない

これは写真が得意な人でも違いがあるのですが、特に上手だと思える方ほどこれが撮りたいと思ったらそれに向かって即突き進んで、驚くほどの集中力と忍耐力を持って撮られている方に見られます。
例えばカメラを構えていざ撮るのかと思いきや、日周運動する様なワールドだとマジックアワー等の最高の時間帯、しかも流れる雲まで納得いく形になるまでシャッターを押しませんし、花畑のワールドだったりすると組んだ構図のこの部分に蝶が飛んで来るまで・・・!といった形で、自分の切り撮る絵が最高の状態になるまでずっと待ち続けます。
一枚にそこまで情熱注げるとかヤバ過ぎ・・・と言う方もいらっしゃるでしょうが撮ってる人にその声は聞こえていません。
肉食獣が獲物を狙うかの如く、静かにじっと構えてその瞬間をいつまでも待ちます。
なぜそこまでする必要があるのかと言うと、その雲の形だったり蝶の位置だったり、自分がイメージしている絵、つまりこれを見てもらいたかったんだと言う表現を高める要素において必要不可欠だからです。

これは写真が得意不得意な方に限らず、大体はその時綺麗な場所を見つけたら撮って終わる事が多いですが、③で言った通り何を撮って何を伝えたいのかを意識すると少し答えが見えてきます。
例えば草原で撮る際、風が吹いている雰囲気を出したいというのであれば大体ワールドの草花は揺れていますよね、撮りたいイメージの風の方向に向かって草花が一番倒れているときにシャッターを押すと実際には吹いていなくても、草花が倒れている事によってその方向に吹いている風を表現する事が出来ます。
こうした周りの環境だったり状態を整えて行く事で、自分がイメージする絵のクオリティーや鮮明度が上がり、見た相手にイメージが直感的に伝わります。
シャッターを押す前に一度、周りの状態を良く見てそれが自分が撮りたいと思っているイメージに最も適している状態かと思うだけでふと気が付いたりと違ってきますので、それを心がけると自分の写真の表現力アップに繋がります。
そしてこれを繰り返していると撮る前から仕上がりイメージが見える様になり、よーしこう撮るぞ!と撮る楽しさが一段と増します。

⑤写真が得意な人は奇跡の一枚を狙わない

写真が得意な人は数多く写真を撮っています、ですが何となく撮っている訳ではありません。
写真の枚数が増える理由として、VRで言えば特に④で書いた最高の条件が整う瞬間の為何度も撮り直すだったりがこれにあたります。
現実で言えば動き物や人物、合成の為であったりと絶対に失敗できない瞬間や後でこう撮っておけば良かったと後悔しない為に枚数が増える事が有ります。
数は多く撮りますが闇雲に撮っている訳ではなく、寧ろ条件さえ整っていれば撮るジャンルにもよりますがたった数枚で終わる事さえあります。

写真が不得意の方も同じで、撮ったその中から一番いいものを選んでいると思います。
ここで両者ともに写真の選定自体は同じでも、決定的に違う事が有ります。それは、それが狙って撮られたものなのか、偶然撮れたものなのかの違いです。
写真が得意な方はこれまでの①~④までを意識し、被写体をどう捉えどういう状態という事を把握して、自分の絵をコントロールして撮っている事に対し、不得意な方は所謂数打ちゃ当るで撮られている場合が多く、選定する際に写真の当たり枚数やその精度がビックリするほど違います。
100枚撮って2~3枚良いのあるかなと言う方に対し、10枚撮って6~7枚使える写真でさてどれにしようかと言うのは実際に起こりえる話です。
数を撮る事は経験を重ねると言う事なので決して悪いわけではありません、ですが何となく撮っているだけでは実際に自分の写真表現を上げる為の経験にはなりません。
良く言われる綺麗に撮れた時は奇跡の一枚なんて表現が有りますが、それは言い換えればそう見える角度だったり焦点距離や絞り、光の当たり方や背景の色の組み合わせが探せば最初からそこにあったという事です
写真が得意な方や上手な方の写真がなぜあんな良く見えるのかと言う理由は、自分から奇跡の一枚を作り出しています。
なので奇跡ではなく自然の流れでそう見えるので、綺麗に見える事が多いんですね。

では不得意の方がどうすれば使える写真を増やす事が出来るのか。
こめんなさい、これは一瞬でお手軽にどうにかなる問題では無いというのが答えで、①~④を意識していくしかありません。
なんだよ~!もっと裏技みたいなのあるかと期待したのにがっかりだ!と思われるかもしれませんが、そもそも裏技なんてものは写真にはないのです。
世に出ている綺麗だったり心惹かれる写真を撮られている方は皆それ相応に壁にぶち当たり苦しみ悩んで、自分の表現を追求してきました。
なので滅入る気持ちは分かりますが、ほんの少しでも上記の事を意識するだけで変わりますのでそれを続けていきましょう。

⑥写真が得意な人は写真やカメラが大好き

プロで生活の為に仕方なく撮っているなど特殊な条件でもない限り、写真が得意な方や上手な方は皆カメラや写真が大好きです。
好きこそものの上手なれと言う言葉が有りますが、アマチュアでもプロ並みだったり寧ろプロより上手な写真を撮られていて、普段は会社員だけどSNS等ではフォロワー凄い数で撮った写真が毎回バズっている方は沢山いらっしゃいます。
今まで長々と綴ってきましたがどれも地味で華やかなイメージは無く、寧ろ苦行じゃね?と思える事さえあったりします。
ですが、自分が好きな事に対してはそれも苦では無く寧ろ楽しんで行っている方が殆どで、そんな人ほど素晴らしい写真を撮っている方が多いです。
苦を苦とも思わない程好きで楽しい、これが写真を上手になる為の他のどんな事より一番大切な要素で、長く続ける為の秘訣でもあります。
私も写真は大好きで先輩方に言わせればまだまだひよっこですが、10年以上撮ってきて、未だにどう撮ろうかな~何撮ろうかな~と常に写真の事ばかり考えています、旅行や地方に行った先でさえもコンビニや牛丼屋で軽く済ませて撮影ポイントで待機!が多く根っからの写真バカですw
の割に腕前はご察しですが・・・

ですがこの好きだったり楽しむという事は、自分が撮るものに物凄く影響しますし実際好きじゃなきゃ写ってさえいればいいってなりますよね。
好きだからこそ綺麗に撮りたい、上手になりたいと思うのは皆同じで、そこに得意不得意の壁は有りません、みんな見てもらうからには最高の一枚を見てもらいたいんです。
切り撮った写真にはその時の気持ち、心の状態さえその人自身が絵に乗ります。
写真は自分を見て欲しい!と言う自己顕示欲の塊です、そんな欲の塊をそれでも見て頂ける心優しい方がいらっしゃいますし、そればかりか撮った写真に感動さえして頂ける事だってあります。
写真は見られて初めて写真になります、見て頂ける事に感謝しつつ、例え100人が興味無くてもたった一人でも気に入ってもらえたのであれば貴方にとってそれは自分を見てもらえた証拠であり、何よりの幸せではないでしょうか
誰もが数を気にするのはこの時代仕方がない事なのかもしれません、ですが貴方にとってなぜ写真を撮るのか、誰に向けて撮ったのかという写真を撮る理由を常に忘れず楽しんで撮っていきましょう。


最後に

私はこれで食べているプロでもなく偉そうに語る程長く経験を積んでいる訳でもありません。
私自身も何にも分からず実際のカメラだってオートで撮るところからのスタートで、悩まれている皆さんと同じです。
独学で撮り方を一つ一つ学んで、光の使い方や撮りたい写真の為の知識や技術、機材含め少しずつ積み重ねてきました、そこで数えきれないほど失敗もしていますしこう撮っておけば良かっただったりもっと技術が有ればと後悔した事だって沢山有ります。
なので今まで書いてきた事を強要する事は決してありませんし、これが絶対正解だとも思っていません。
ただ、この経験が少しでも今現在壁にぶち当たって悩んでいたり、興味あるけど難しいよと思っていらっしゃる方に、少しでも開ける為の糸口になれればと思い未熟ではありますが書かせて頂きました。
そしていつも私が撮った写真を見て下さり本当に有り難うございます、これからも少しでも皆さんの心に届く様な写真が撮れる様精進、そして邁進してまいります。

最後まで見て下さり有り難うございました。

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