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参加リポート「世界中どこにいても自分を活かせる、チャレンジできる!」プロボノ&ママボノ勉強会  主催:CAREER MARK×サービスグラント

2020年9月8日にオンライン開催された、「プロボノ&ママボノ勉強会」の参加リポートを、CAREER MARKリポート部長の目線で書いてみます。

いま「プロボノ」は、新たな社会貢献の手段として、改めて注目されています。

その主な理由は・・・
・ボランティアながら、スキルや人脈を活かしてNPOなどの支援に関われる
・課題解決の具体的なプロジェクト実績として履歴書に書くこともできる
スキルの棚卸しや社外での腕試しに繋がる
キャリア形成の側面でも役立つ

更に、プロボノ&ママボノ(育休中・離職中に子供がいながら参加ができるプロボノ活動)として、キャリアを中断しがちな女性が注目する中で様々な疑問が寄せられています。

・とても興味があるけど、何をするの?
・具体的に自分に何ができる?
・小さな子供がいながらでも活動できる?

今回は、駐在帯同から本帰国後の第2子育休中にママボノに参加し、その後スタートアップ企業の役員として転身した久保彩さんをゲストにお招きし、体験談を聞きつつ、様々な疑問にお答え頂ける充実の内容でした。

今後に向けて、メモとして残しておきたい点をリポートします。

●CAREER MARK設立までもプロボノ活動だった!?

この企画冒頭に挨拶された鎌田薫さんは、駐妻のキャリア支援サービスを展開するCAREER MARKを立ち上げ、自身もロンドンに駐在帯同した経験を持っています。
その駐在妻である期間中に、前職時代のコミュニティ運営経験を活かした、世界最大規模のママコミュニティ Himemama Londonの立ち上げを任され、会員250名のコミュニティを運営。今では2代目代表のもと、会員は500名という規模に育っています。

その経験も、「後から振り返るとプロボノと呼ばれる活動だったと気付いた。」という振り返りが紹介されました。
この駐在妻としての期間を経て、日本へ本帰国した後には
「Himemama世界戦略チーフ」という立場にボランティアではなく仕事として注力されつつ、駐在妻の本帰国後のキャリア支援の仕組みがないことも実感された鎌田さん。
約1年の準備期間を経て、CAREER MARK事業を立ち上げへと、プロボノ活動経験が繋がっていきました。

▼現在、CAREER MARKでもプロボノ活動メンバーを募集中です。
下記のリンクからホームページをご確認頂けます。

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そして今、資格を取るというスキル以外の経験の活かし方としての、プロボノへの強い関心をキッカケに、今回の企画が立ち上がったという鎌田さんの想いが伝えられました。私もプロボノという経験に関心を持っており、今回のイベントを楽しみにしていた1人です。

●プロボノとは? ママボノとは?

専門的なスキル・経験等をボランティアとして提供し、社会課題の解決に成果をもたらすことを意味します。
語源は、ラテン語のPro Bono Publico(公共善のために)という言葉です。

プロボノによる支援の位置づけは、下記の図のように示すことが出来ます。
下記画像から、サービスグラントのHPホームページもご確認頂けます。

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そして、プロボノで役立つ「スキル」については、
以下の3カテゴリーが存在します。

★スタンス・・・まずは新しいことに挑戦する気持ち
★ポータブルスキル・・・
課題を整理する力、具体的な提案をする力、プロジェクトマネジメントや論理的思考力、文章作成力
★専門スキル・・・業界ごとの専門知識や特殊スキル

サービスグラントでのプロボノ参加スタイルは、主に以下とされます。
 平日夜や土日のプロボノ・・・企業で働く人中心のプロジェクト
 平日夜のママボノ・・・育休中や離職中のママによるプロジェクト
 個人によるプロボノ・・・個人とNPOを繋ぐマッチングサイトと支援

更に詳しいプロジェクトの種類は下記を参照ください。
https://www.servicegrant.or.jp/probono/support/type/

▼2020年度のママボノ募集概要は、下記のサイトで案内中です。
9月17日(木)締切予定ですが、定員を超えた場合は、早めの締切りもあるそうです。

開催場所(支援先団体活動エリア) 東京(横浜)・大阪
チーム数(支援先団体活動エリア)
   東京10チーム、横浜5チーム、大阪4チーム程度(予定)
人数: 1チームにつき5-6人程度
ママボノ参加対象者:
  ・育児休業取得中の方
  ・再就職を視野に入れている子育て中の方
https://mamabono.org/entry/mamabono/

●ママボノ参加→スタートアップの執行役員へ転身した久保彩さん


今回はメイン企画として、ママボノ経験者であり、今は株式会社フライヤーの新規事業担当 執行役員を務められる、久保 彩さんによる経験談をヒントにしたインタラクティブな企画が展開されました。

ゲストスピーカーの久保 彩さんのキャリアは・・・
大手OA機器メーカーのSEとしてキャリアをスタート。
第一子出産後、夫のシンガポールでの海外赴任に帯同するため退職するも、離職中に自己の成長を求めMBAを取得。
帰国後コンサルティングファームに転職し、企業戦略や事業開発を担当。
2018年の第二子育休中に、ママボノに参加し、プロジェクトリーダーを担当。
2019年4月に復帰後、育休中に関わっていた株式会社フライヤーの新規事業担当 執行役員に就任。今は読書コミュニティflier book labo立上げを担っておられます。

このように、キャリアを順に書き出していくと、その裏にある葛藤などはなかなか見えてきません。だからこそ、インタビュートークから自分で体感することが、大きな学びに繋がります。
それぞれの経験をについて、丁寧にお話される久保さんがとても魅力的であった点は、下記だと感じました。

★MBA取得につながった挑戦する気持ち
久保さんは、駐在妻になる前には13年の会社員キャリアを持っていました。それでも長年のキャリアの延長より未知の自分への興味を持ち、退職しての駐在帯同を決断。
しかし始めてみた駐在妻生活では、多くの人が経験するアイデンティティ・クライシスを経験されます。自分の想定の甘さや、誰かのために何かを出来る人間ではないと自分に愕然とした経験は、多くの参加者から共感されていた点です。

そして両立しながらキャリアを歩んできたからこその、
家族と仕事、その両方があって私である
片方に絞ったから幸せになれるわけではない。

という気付きを得たという言葉には、とても感銘を受けました。

この気付きが、後に出会うオンラインによる「MBAコースの受講」という選択肢に対しての
学びだけではなく、他の人との実践を通して自分を試せる場である、という挑戦に繋がったとのこと。
そして、MBA取得への道のりで得られたという、
自分が好きなことが分かり、少しワクワクする・自分の強みかも、と思える経験をもったことが、駐在妻経験後の再就職へのヒントとなった、というお話も魅力的でした。

●キャリアの節目でしなやかに竹を伸ばせるか

ママボノ活動の経験では、前職では未経験のプロジェクトリーダーにチャレンジされた久保さん。
2ヶ月という短期間でチームや成果物を作り上げるという経験では、様々な試行錯誤のエピソードが語られました。プロジェクト期間が決まっていることを活かし、メンバーそれぞれの事情を理解しつつチームとして進行された経験は、久保さんに限らず関わるメンバー全員にとって、間違いなく大きな可能性へと繋がりそうと感じる内容ばかりでした。

その当時を振り返るトーク内で、久保さんから紹介された1冊の書籍が
金井 壽宏さんの著書『働くひとのためのキャリア・デザイン』(PHP新書)です。

久保さんは、この書籍からの学びをもとに
キャリアの転機を節目と捉え、キャリア全体を竹の成長に例えて考えていく、という視点をもちつつ、

他者と何かを作り上げること
社会に対して価値貢献する機会を得られること

それがプロボノ活動の大きな魅力だった、と振り返っておられました。


●キャリアに繋がるキッカケは無限

会社から与えられることだけが、キャリア構築への道ではないと、今は多くの場で語られています。
その重要なポイントは「出会った事柄に、自分で意義を見出せるかどうか」だと語られた久保さん。
その一例として、自身がキャリア形成について考える為にとった行動が紹介されました。

結婚・海外赴任・出産などの環境変化を機に、一時的でも自分に時間が出来た場合、何にその時間を使うか。
久保さんは、自分が会いたい人に会いに行くという行動をとりました。そして、会いたい人リストアップさえも、自分にとっての理想に近いイメージに気付く時間となる、という気付きも、意義を見出すための、とても印象的なエピソードだと感じます。

現在は、株式会社フライヤーでの執行役員を務められており、それはママボノの経験がキッカケになったとのこと。
そして久保さんが立ち上げておられる読書コミュニティ「flier book labo」もとても素敵です。
▼下の画像をクリックして是非ご覧ください。

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★プロボノ活動を快適に進めるためのワンポイント
参加者から寄せられた質問の
「プロボノ活動を続けるための、パートナーとの工夫などは?」に対しては
男性脳には、課題感を伝えると解決策をきちんと考える、という特徴があり、
一方での女性の強みとして、独自のネットワークで入手した成功事例を上手に共有することも良い方法、とアドバイスされました。
そして今の時代、一見誤解されがちなこのアドバイスについても、「男性脳が優秀、女性がそうではない」という論点ではないことも、正しく理解したいポイントです。

●このイベントから学んだ大きなポイント

このイベントを通じて、改めて実感したことが
「何かを経験したから、次が保証や約束されている、というものは無い」ということです。
久保さんのご経験も「動き続けた結果、キャリアにつながる機会がやってきた」と総括されていた通り、動き続けられる自分でいることは、変化が繰り返される時代を生き抜くために必要なスキルだと感じます。
そして、1つのことを続けるという選択肢に限らず、様々な場で自分を試す機会を持つことも重要と言えそうです。これからプロボノという経験への需要は、ますます高まりそうです。
私もまだ走り続けている最中。次へのエネルギーを絶やさないようにアンテナを張り続けていきたいです。