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聴講リポート「withコロナ時代のフォロワーシップ」村上 臣さん×中竹 竜二さん対談

LinkedIn News編集部LIVE!として11月27日に開催された、LinkedIn日本代表の村上 臣さんと、チームボックス代表の中竹 竜二さんの対談から、自主リポートしてみます。

チームボックス代表の中竹 竜二さんのご経歴は以下です

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今回のLIVEは世の中で強く言われていることは「実はそうとは限らない」という問いかけや意外性に溢れた内容でした。個人的な経験と紐づく点も多く、その内容を簡単にリポートしてみたいと思います。

●指導者は育っているか?という問い

冒頭は中竹さんから、現在の事業に至られるまでのご経験が紹介されました。
大学ご卒業後のイギリス留学も経て、日本でのワールドカップ開催にあたり「日本では指導者は、ちゃんと育っているのか?」という協会からの指導機会からの、下記のようなポイントが興味深いと感じました。

・コーチデベロッパーという役職・資格がある
「コーチのコーチのコーチ」という立場もある
・手法やスキルは、ラグビーに限らず他のスポーツでも通じる
・同じく、ビジネスマネージャーのガバナンスや育成にも活かされる

特に「指導者はきちんと育っているのか?」という問いは、特定分野や職位が対象ではなく、例えばコーチングやメンターの存在も、より効果的に自分の成長を促せるアプローチの1つであり、今後より様々な機会でのニーズが高まるように感じました。

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●言語化することで未来を大切に

次の話題は、参加者からの質問コメントから「人材を見極めるプロセス」について展開されました。
この話題で印象的だったのが、以下のポイントです。

自己認識は不足しがちである
内的認識と外的認識の両方が必要である
・認識する時も「既に持っている能力」に固執しがち
重要なのがwill (何をしたいか)である

特にwillについては、様々な場で必要性が語られることから、村上さんからも「若い人からwillが分からない」という相談が多い点を交えて、より深くディスカッションされました。

ここでの中竹さんの言葉が、とても深く印象に残っています。

Willがなくてはいけない!という罪悪感を持つようになっていると思う。
無いことが悪いのではなく、それ程に仕事に没頭してきたことも含めて
考えてこなかったことを、まず認める所からで良い。
一方で、willは必ず持っていた方が良い、という論調に沿って
人から評価されるから、キレイだから、などの理由で考えることは危険。

このお話を聞き、時代の流れから、何となくwillを持っていないことを不安に感じたりする人は多いのかもしれないと感じました。

考えてこなかったことを認めた次のアプローチとして、
willは未来の話でありつつも、考える問いかけは
「今まで何を大事にしてきたのか?」という点が効果的だという点が伝えられました。

例えば、「好きな映画は何か?」
この時に答えと共に、なぜ好きなのかを言語化することがポイントとのことです。
言語化していく中で、自分の内なる価値観とのつながりが見つかり、その上で考える未来のwillを大切にしていけるそうです。
この点は、好きな映画という問いかけに応えられた村上さんの言語化された内容をお聞きしても、強く共感した部分です。
そのお話を聞きつつ、私も大好きな映画は同じだったので、好きな理由を掘り下げていました。

この「過去・現在・未来」という考え方には、村上さんも大事にしてきたことの延長線上に未来があると、強く共感されていた点です。

●人が成長する時に必ず必要とするもの

次の話題では「自律型組織とは?」という問いから、深堀されました。
ここでも中竹さんからの「自律を強調し過ぎることは危険である」というアドバイスがとても興味深く感じた点です。
これが危険な理由は主に以下でした。

人は成長する時に、必ず人の支援を必要とするもの
コロナ禍の今は、より一層の支援が求められている
いま必要な支援とは、引き上げる人(コーチ、メンター)の存在
マネジメントは、1.5倍~2倍ほどのアプローチが必要

この「支援」と繋がる話題として終盤で展開された、
「リーダーシップとフォロワーシップの違いとは?」の点も、とても分かりやすく印象に残った点です。
リーダーシップと、フォロワーシップの違いは、「行為」の違い。
引っ張ることと、支えること。リーダーにはその両方が必要であり、どちらか、ではないと伝えられました。
問いかけ、傾聴し、観察(見守り)があることで人は安心感をもつことが出来る、との点には今のような状況だからこそ、人との接し方について多くを考えるキッカケとなっています。

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●いま大切にしたいアプローチや問いかけ

終盤の話題では、チームのコミュニケーションにおいて、今までの当たり前が通じなくなった今の状況を踏まえて、中竹さんからはオンラインとオフラインを比較した、以下のポイントが伝えられました。

【オンライン】
実は偶然が起こりにくい
アクセスしないと情報は取れない
【オフライン】
通りがかりで目にできる偶然などがあった
偶然から、チーム状況の把握やイノベーションも生まれていた

このように、環境による大きな違いがあるからこそ、
いま必要な支援として、マネジメント層から緩やかな支援のネットワークを1.5倍~2倍ほど意識することが必要とのことです。

さらに「これから必要なネットワークや組織文化を作るためには?」という点については、
まず企業の上の人から変わっていくことが重要だと伝えられ、例えば1on1を用いたアプローチをする場合にも、それを効果的に実施できる適切なスキルを身につけることが欠かせないとのことです。

次に中竹さんから伝えられたのは、
「組織文化とは組織が暗黙で説いている問いである」との視点と、
様々ある問いの一例として下記が挙げられました。

【スポーツの例】
自分たちは勝てるのか?
レギュラーになれるのか?

【企業の例】
売り上げはあるのか?
1つのチームになっているのか?
我々は幸せなのか?
社会に貢献しているのか?

これらの暗黙の問いの、どれが良い悪いではなく、変わる必要がある時には、自分たちが大切にしていく問いを言語化していかないと、組織文化は変わっていかない、との中竹さんからの想いが伝えられました。

ここでは、ソフトバンクグループや、リッツカールトンホテルの例も触れつつ、企業TOPの人の問いかけが組織を作っていくという点も、とても具体的に分かりやすく深堀されていました。


「実はオンラインでは偶然が起きにくい」という点は、私が触れる魅力的な機会が偶然によるものではない、ということを深く考える機会になりました。
そして、この経験を大切にしているからこそ、言語化して未来のwillに繋げていきたいのかもしれないと感じました。

私の生活内でも「観察や見守り」が足りていたか…を考える機会にもなり、成長による自立や自律を促すつもりで「観察を怠っていないか」という点に想いが至りました。
私自身も成長を続けるために、人の支援を受けることや、支援できる存在でもありたいと思います。