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聴講リポート「いつまでも成長を続けられる『考え方』」村上 臣さん×森本千賀子さん対談

LinkedIn News編集部LIVE!として10月23日に開催された、LinkedIn日本代表の村上 臣さんとmorich代表 森本千賀子さんの対談から、自主リポートしてみます。

▼ morich代表 森本千賀子さんのご経歴は以下です

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元リクルートの伝説の営業と呼ばれる森本さんは、各セミナーやイベント登壇、メディア記事でお名前を目にする機会も本当に多いです。
今回のLIVEでは、長年の転職市場でのご経験や、続けておられる習慣などから、さまざまな具体的な実践方法が紹介されました。それらを「今こそ実践しよう!」とLinkedInの村上さん含めて、多くの参加者の方も盛り上がった内容を、簡単にメモしてみます。

●転職市場は変わった?

転職と言えば森本さん!といわれるからこその「今、転職市場は変化していますか?」という村上さんからの質問からトークは始まりました。
森本さんからは「自分で考える時間が増えた」という答えに加えて、以下のポイントが伝えられました。

【個人は】
 ・今いる場所を変えたいと考え始める人が増えた
 ・今後のキャリアビジョンを考える時間ができた
【企業は】
 ・副業解禁の流れなど自分の身は自分で守る傾向へ
 ・終身雇用はできないと明言する企業も増えてきた

この傾向への理由として、ある数字が注目されました。
日々のニュースで注目される求人倍率について、同じく厳しい状況の過去として比較される
「リーマンショック時の 0.42倍」に対して、「2020年8月は 1.04倍」

この数字の理由の1つとして、リーマンショック時の教訓からの企業にとっての学びがあるそうです。リーマンショックの時に採用を完全に止めたことで、極度の人材不足となった日本。その苦い経験からの教訓があるからこそ、
・完全に採用を止めてはいけない
・今こそ優秀な人材を採用するチャンスである

と考える企業があるからこそ、
リーマンショック時とは違う状況になっている、とのことでした。
この点を、人材側も認識しているかどうかで、考え方や今後の活動に大きな違いがありそうですね。

●自分の軸は必要か? どうやって見つける?

次の質問として、いま多くの人が考え始めた「自分は何がやりたいのか?」「自分の軸は必要か?」「必要だとして、どのように見つけていけば?」などの点について、深堀されました。

この問いに森本さんからは、「1本の太い幹は必要。でも枝葉となる部分は、人生経験から変わっていって良いと思う」と語られました。

ではその「太い幹」はどのように見つけるのか・・・分からない人も多いそうです。
森本さんからは「分からなくても、意識していくしかない」とのメッセージがあり、その理由として日本国内での過去や今の状況についてのポイントが語られました。共感された村上さんのお考えも含めて書き出してみます。

・幼い頃から学校などで学んだり、考えたりして来なかった
・新卒就活時に短期間で無理やり作って就職する人も多い
・従来型の採用は新卒一括採用に偏り過ぎている
・新卒時に限らず、継続的にやりたい事を考え、見直す機会が必要
転職市場は成長産業である

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●知っているか知らないかで…捉え方は変わる

では具体的に、どんなアプローチや方法を用いることが出来るのか。
以下のような、森本さんが長い期間続けておられる思考方法が紹介されました。

★自分を知る時間を作る
【方法】
24時間のうち、1%にあたる「15分」を自分へ問いかける時間にする。
Q&A(問いかけ)と、Why(なぜ?)を毎日少しずつ、自分に問いかけ、答えていく。
その回答内容を書き残していく。
例えば、自分の好き食べ物は何か? それは何故? などのワクワクしたりときめくような問いかけを習慣する。

【更にワンポイント】
日本人は1日の終わりに、反省しながら眠る方が多いそうですが…
眠る前に「ポジティブなマインドセット」で1日にを振り返って眠ることで、オキシトシン(幸せホルモン)の分泌が加速し、目覚めにも良い効果がある。

【効果】
各項目を定期的に見直すことで、内容の変化にも気付くことや、様々な日常に起きる問いや選択する時に、ポジティブな回答を無意識に選択することができる。
森本さんはこの方法で、毎年お正月に見直すということを30年間も続けておられるそうです。

また、この問いかけアクションは、チームで実践することも、一人ひとりの価値観が見えるようになり、意外な気付きや理解につながるとしてチームビルディングの方法としてもオススメされました。

そして今後に不可欠な、グロースマインド(成長思考)セットについても、更にトークは盛り上がりました。

森本さんは26歳の時に自主的に受けた社外研修を通じて、
「思考はいかようにも変えられる」ということを学び、20代~30代は自己啓発に取り組み、思考は鍛えられることを強く実感されていたそうです。
この「思考は鍛えられる」という点についての深堀では、村上さんのご経験からもいくつかのポイントが出てきました。

・知っているか知らないかで、事象の捉え方や考え方は変わる
・どこから知ったかという情報の摂取元も重要になる
・自分の求めるもの、タイミングが無理せず自然と合うようになる

また、自分を客観的に見てくれるコーチングやメンタリングは、思考を鍛えるためにとても大事とも触れられ、良いメンターとの出会い方についても、議論は進みました。
良いメンターを探しやすくなるためのポイントとしては、LinkedInでもメンター立候補に活かせる機能があることや、双方で提供できるものを見つける自分のハッシュタグをどれだけ持てるかが重要、とのことです。

また、かつての人との出会いに関するネットワーク理論では、6次の隔たり(6人の人を介することで出会いたい人に会える)と言われたが、SNSの普及した今は、2.5次の隔たりと言われる状況と知ると、かなり大きな変化を実感しますね。

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●幸せになる、ではなく【幸せでいる】こと

時間があっという間に過ぎていたトークの終盤では、森本さんのいま最も関心のあるテーマについて質問が投げかけられ、「働く」をもっと幸せにしたい!という森本さんの想いが語られました。
この幸せとは、人は活動している時に感じるものであり、LinkedIn村上さんも自分の働く姿の背中を、子供が希望を抱けるようなものとして見せていきたい、と強く共感されていました。
この共感に森本さんからも、多くの人々が利他のためとなる使命を見つけることのできる社会を作っていきたいと、言葉を添えておられました。

また、最後には森本さん自身に大きな影響を与えられた「幸せになる、ではなく、幸せでいる」という思考も紹介され、このように無意識に考えられる思考の筋トレ習慣の重要性が示されました。
ここで森本さんから意識や行動について力強く伝えられたフレーズが、とても強く印象に残っているので書き留めてみます。

意識が変われば、行動が変わる
行動が変われば、習慣が変わる
習慣が変われば、人格が変わる
人格が変わると、人生が変わる
だからこそ、
最初の、意識と行動の変化がとても重要

人は、なかなか変われないよね…という声も耳にする中で、そうとは限らないかも、と可能性を感じられるメッセージでした。

今回のLIVEトークを通しても、多くの点で「あ、そういえば!だから私はこう考えるのか」と納得できる瞬間がいくつもありました。それらの理由を知り、受け止められることで、更に具体的な中身を磨いていけそうな予感がしています。