疲れたときに休むということ

とても素敵だった方が亡くなりました
ニュースを読んだ瞬間、ふと感じる何か怖い感覚について

以前、取材をさせていただいていた、りゅうちぇるさんが亡くなられました。
本当に朗らかで、明るくて、言葉ひとつひとつが丁寧で、カップルでの取材を楽しそうに笑いながら話してくれたのが印象的でした。どうか安らかに。そして、今はご家族の方、ご友人の方が誰からも邪魔されることなく、穏やかに静かなお別れができますように、心から祈っています。

以前、わたしがLINE BLOGの方に書いたこのブログ。すでに消えてしまっているのですが、今このタイミングで辛い気持ちになってしまっている人に向けてもう一度、自分の今の思いを加えながら、書き直したいと思います。

わたしも若い頃、希死念慮がとても強く、精神科に通っていて、気づけば閉鎖病棟にも入院していました。こんなに大好きな子供がいるのに、強い母親でいなきゃいけないのに、って頭では自分を責め続けながら、死から逃れられない苦しい思いをしていたことがあったんです。なんとかここまで這い上がってきたけれど、いまだに誰かが急に亡くなってしまったニュースを見ると、まるでズルーッと引きずられるような感覚に囚われてしまう瞬間があります。そんな瞬間に襲われてしまった人は恐れないで聞いてほしい。私もそんなふうに思ってしまう時があるんだよ。だから、今、辛いって思ってる人は、辛いって誰かに言おう。命の電話とかでもいい。なんでもいい。片っぱしからかけてみよう。苦しいから一緒にいてって言ってみよう。映画館の中に駆け込んでみよう。そんな思いとともに、この日記を改めて書こうと思います。

私が別府にきた理由について


最近、私なんぞに興味を持ってくださってブルーバードの活動を取材に来てくれる方が沢山います。ほんとにほんとに感謝してます実は最近も新聞関係の記者さんが取材に来てくれて、ハリウッドのこと、ブルーバード劇場のことなど、たくさんのことを若いキラキラした目でインタビューしてくれて、私はとても幸せな気持ちになります。

とはいえ私は普段からインタビューする側なので、インタビューされるのは全然慣れていなくてうまく自分の気持ちを伝えられず、落ち込むことも多々あります。

皆さん本当に素敵な記事を出してくださって、マジで大感謝してるのですが、今日はどうしても伝えておかなければならない気持ちがあったので、この場を借りて伝えようと思います。

それは、私がブルーバード劇場にくるきっかけになったときの話です。これね、たった一文じゃ本当に伝わらない話なので、ほんとに追加として書かせてください
私は18のころからコラムを書かせてもらってたシネマトゥデイという媒体の初期メンバーです。

AKB48の前田あっちゃんみたいな感じね。うそです。ごめんなさい。最初はすごく小さな編集部。編集部は同期2人だけでわちゃわちゃ頑張って、大変だったけどとにかく忙しくて、徹夜の毎日でも、すごく楽しい日々でした。

でも時代が変わるにつれて、媒体の形態もどんどん変わっていきました。
WEB媒体というのは、どうしてもPVのことを考えなければならない厳しい世界です。どんなに頑張って、どんなに取材して、どんなに時間を割いて書いた記事でもPVがなければ、読む人もいない意味のないものになってしまう。当時のわたしは、才能がすごくあって、いい記事をどんどん書ける後輩達が入ってくる中で初期メンバーとしてとにかくPVを稼げる記事を書かなくちゃ!というプレッシャーをすごく感じていました。でも焦れば焦るほど、どのネタを書けばいいのか分からないし、編集長から「まほちゃんらしい記事でいいよ」って言ってもらえても、PVが良くなければまるでなんの意味もない。そんな気持ちになってしまって、気がづけば、記事を書くことができなくなって、そのうちパソコンを開けるのも怖くなって、会社に行けば、編集部の皆が「まほさんって、使えないなあ」って思われている気がして仕方がなくなっちゃって(でも全然思ってないんです。私が勝手にそう思ってるように思い込んでただけね)、編集部の面々の顔を見るのも怖くなって、自分の席に行くのすら怖くなって、駅までの道を震えながら歩いていました。家から出たら行きたくなくて、なんでこんなになっちゃったんだろうって、涙しか出てこない日々。

あのとき私を追いつめていたものは

最近ドラマ「セレブリティ」という韓国ドラマを観ていてふと思ったんですが、当時を思い出してみたら、あのとき私の自分の記事でPVを稼がないといけない! っていうとてつもない焦燥感は、SNSでいいね!が欲しいという気持ちにすごく似ていた気がします。PVが上がって、いいね!が自分の記事にたくさんついて、「この記事が面白い!」というコメントがつくことで自分が何か認められた気がして。それとは反対に、「こんなゴミ記事書いたバカ誰?」なんていうコメントがつけばすごく落ち込んで。自分の承認欲求と、PVの数はいつしか比例するようになっていたのかもしれません。

でも今だから分かることは、あの時に私を追いつめていたのは、自分自身でした。もっと自分に甘ければよかったものの、実は根暗で気にしいで、心配性で、さらには真面目すぎるところがあり、私は自分自身を自分で追い込んでいっていたんだと思います。まわりから「まほは頑張ってるよ!」って言われても、「全然です」って思っていたし、なんだかもういろんな自分が受け入れられなくて、ただただ一つだけの評価だったPVが全く取れないってふと感じた瞬間に深い泥の底に落ちていった感覚だったんです。

人生で2回目の激落ち。気づいたときに気をつけたのは 頑張らないこと


自分で自分を追い込んで、この先どうすればいいのだろう、こんな私みたいな無能な人間がいて、本当に周りの人はかわいそう。家族もみんなかわいそうといういとんでもないネガなループにはまり込んで、ものすごく疲れて、気づけば夜も眠れなくなって気持ちは滅入るばかり。夜眠れなくなると、また変なことをたくさん考えるようになってどんどんおかしくなってっちゃう。

この話は、まだとても書ける気にはなれないので書きませんが、わたしはこの状態よりももっともっと酷い状態なくらい、めちゃくちゃに精神のバランスをぶっ壊して死にたくなりすぎて閉鎖病棟にいたことがあったので、自分の心の黄色信号にはけっこう敏感なつもりでした。でもそんな自分に「まだ頑張れ! 頑張れ自分。強くなんないと!」ってめっちゃ鞭打ち続けて、気づけば、気づいたら、いつも渡る踏切の真ん中に突っ立っている自分がいてハッとしたんです。本当に死にたいなんて思ってないのに、私は何をしようとしてたんだって思ったらむちゃくちゃ怖くなってしまって。気づけばこんな超黄色信号まで来てしまっていました

ここまで自分で自分のことを追いつめだすとはっ!( ゚艸゚;)
って気づいたんです。
いかん!立ち止まらねば!ここから脱出しないと、また沼にはまっちまう! またあの閉鎖病棟に逆戻りや自分! とブルブル怖くなって

よし、一旦立ち止まろうと自分で自分を落ち着かせようとしました。
というわけで自分で自分を追い込みすぎて、ほんっとに疲れちゃったことに気づいたから、休むことを決意しました。

ハグしてあげよう ハグをいっぱい

ちょっと休もう!って思ってもね。疲れちゃうときは疲れちゃう。まわりのために自分が頑張らなきゃって思えば思うほどしんどくなるものです。

この時だけは自分にめちゃくちゃ甘くしてあげてほしい。逃げたって言われたっていいし、卑怯者だって言われてもいい。

実際に私はもう誰とも会いたくない!ってひきこもっていたときに、幼馴染から「別府に遊びにおいで」って言われて別府に行ったんです。そして、照ちゃんに出会いました。いじめられた経験があるから、今でも誰かと友達になるのはすごく怖くて、実は全然友達いないんだけど、それでもいいって思ってる。またしんどくなるなら友達だって作らなくていい。ゆっくり温泉に入って、自分のことをゆっくり労って、大好きな本を読み、大好きな映画を観て(わたしはなぜかこんな精神状態でもサイコパスものばっかみてた)、寝たい時に寝て、散歩して、きれいな景色を見て、すれ違うひとと「こんにちは」って挨拶をかわして。 ブルーバードのチケット売り場に照ちゃんと座ってお茶しながらしゃべって、チケットを売って、映画の感想を聞きながら、次は何を観てもらおうかななんて考えつつ、ほんの少しの気を許せる友達と笑いながらご飯食べて、1日の終わりに大好きな照ちゃんに「まほちゃん、ありがとう」って言ってもらえる。誰かに感謝されることがひとつひとつ出てきたら、少しずつ自信がついて、その頃は高校生の息子とも後ろめたさもなく、明るく話せるようになっていきました。

そして今、少しだけ自分に優しくなって、自分に優しい友達と一緒にゆっくり時間を過ごしています。自分の興味ある分野を勉強して、いろんな人を助けていきたいって思いながら、わかりやすく伝えるように日々研究しています。

世の中にもしもちょっと疲れたなぁっていう人がいたならば、わたしと同じように立ち止まって、少しだけ自分に優しくしてあげてください。辛いね、自分。めっちゃきついね、今。誰かに助けてもらおうか、って。偉いなあ自分、こんなに辛いのに、頑張ってるなあって。

自分を一番かわいがってあげましょ。それでいいから、疲れた心に鞭打たずに全力で逃げて、布団に潜り込んで休みましょ。
周りの人も疲れた人には大丈夫大丈夫、わたしたちがいるからね、逃げていいよ大丈夫!って言ってあげましょう

そしていっぱいハグしましょう
閉鎖にいたとき、わたしはハグのすごさを知ったんです
パニックになったとき、悲しくなったとき、みんな集まって!ハグして!ってめっちゃハグしあってた。ハグして、ハグされてた。
ハグは、なによりも人を安心させる最高の魔法です
(求められてないハグは、しないようにね。あくまで求めるハグのみ)

一人でどうしようもない時、わたし自身もよく自分ハグしてたよ。
自分で自分をぎゅーーーーーーっとハグして大変だなー、お疲れ自分!!!と声をかけてあげるのさ! マジでいろいろあったけどわたしも少しずつ元気になってる。一歩一歩だね、ほんとに。


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